逆襲は福岡から始まる 第6節 vs福岡 ○1-0

逆襲は福岡から始まる 第6節 vs福岡 ○1-0
古い話ですが。
自分の中の印象の強い試合の一つに、2001年の第4節・福岡戦があります。

社会人になって2年目。
このシーズンの前のオフに、姉崎練習場の駐車場で深夜まで行われた討論会、サポコミの原型になった出来事があり、99年・00年とJ1残留争いに苦しんだ状況から、01年は相当な危機感を持って臨んだシーズンでした。

ところが、チームは開幕から三連敗。
良い内容のサッカーを見せていたものの、勝ち点だけが奪えない、苦しいスタートでした。
もうこれはJ2に落っこちるかもしれないと覚悟をして、いても立ってもいられなくなって、急に福岡まで飛んだんです。

寿人も先発していたこの試合。
苦しい試合でした。
もう、両チームボロボロで。
打ち合い、延長戦、
守備の要のジェレが退場、10人になった110分。
茶野のVゴールで初勝利を挙げたんですよ。
嬉しかったなあ。
今でも、鮮明に覚えてるくらいだから。

そこから、2001年は逆襲が始まって。
鹿島、磐田に続き、ジェフ史上最高順位の3位でシーズンを終えたんですよ。
そんな事もあったので、もしかしたら今日は、
「そう言う試合」になるんじゃないかと思って、試合を観ていました。
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ゲームは、試合前から先発予定の勇人が負傷するアクシデント。
怪我人続出に追い討ちをかける、さらに苦しい状況を強いられたものの、
代わりに先発した田坂選手が、持てる力を存分に発揮して試合を落ち着かせ、試合の大半でジェフがペースを握る、かなり整理された戦いが出来たんじゃないかと思います。

アクシデントがあった上、ただでさえ怪我人が多く、前節から半分近くメンバーが変更に。
アウェイと言う事もあって、前半はリスクを極力排除した、「無難な」試合運び。
DF裏にボールを放り込まれて慌てて追走するようなシーンも、優也の飛び出しも無く、ともすればリスキーなサッカーに慣れた脳が、「つまらない」と感じるような展開。

が、無難でありながらも、前節から確実に増えた縦パスを織り交ぜながら、エンジンのなかなかかからない福岡にジャブを打ち込んでいく。

そして、後半に入ると、田坂選手を中心にして完全に試合の主導権を握り、徐々に徐々にラインは高く、奪う位置もどんどん高くなって、福岡にプレッシャーをかけ、セットプレーも交えてゴールに迫ります。

ギアが切り替わったのは、浩平→茶島の投入。
さらに機動力のある茶島の投入で福岡のディフェンスをブレイクすると、足の攣った堀米に代わって、ついに寿人がピッチに。画面からでも分かる、スタジアムの空気の変わりよう。福岡からすれば、喉元に切っ先を突きつけられたような緊張感が走ります。目を離せば、一瞬でゴールにボールを流し込まれてしまう危機感が。

茶島、寿人の投入で更に勢いづいたジェフは、終盤、ゴール正面でフリーキックを獲得。
これを、茶島が素晴らしい弾道で叩き込んで、ついに均衡を破ります。

この時、壁に入った増嶋のアシスト、ゴール後、茶島のゴールを我が事のように喜びながら、寿人、矢田、為田がサポーターに向かって駆け出していく姿。
それまでの苦しさ、だからこそ「一緒に勝ちたいんだ」と言う想いが、すごく伝わって来て、昔々、茶野のVゴールが決まった、あの時の気持ちを思い出していました。

試合時間はまだ残っていましたが、寿人がベテランらしい時間の使い方を見せ、隙あらば2点目を奪いに行く牽制の動きもしながら、各選手とも、勝利に徹したプレーを見せてタイムアップ。終わってみれば、ほぼジェフのペースで90分を戦い終えることが出来ました。

試合後は、江尻監督も加わってのオブラディ。
現地組、応援ありがとうございました。

戦術的な改善の話も、書こうと思えば書けるでしょうが、
今日の勝利の要因、今のジェフに何よりも必要なもの、それはこの一体感じゃないでしょうか。苦しい時に共に戦うという、原点。それが確認できた、これからの逆襲を予感させるゲームになってくれました。

現実的には、まだ1つ勝っただけで、次節も首位を守る琉球。
急ピッチでチームの再構築をしつつ、怪我人も多く抱えるジェフは、苦しい状況には変わりはありません。ですが、この一体感があれば、苦境を乗り切る事はきっと出来るでしょう。

最下位、降格圏を脱出し、常に苦労するアウェイで勝利を挙げた。
この一勝には大きな意味がありました。
一つ一つ上がっていくだけ。

次はホームでの初勝利を目指して、水曜日の琉球戦に臨みましょう。
2001年は、この勝利から巻き返しました。
2019年も、きっと。