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3/22・1ST−1・東京ヴェルディ1969戦 2003年3月24日(月)1時14分53秒 deletemodify

開幕戦。新指揮官の期待を一身に背負って、市原の申し子・阿部がキャプテンマークをその腕に巻いて臨海のピッチを踏みしめる。「WIN BY ALLの3年目」と呼ばれるシーズンの幕開けに相応しい光景だった。
これまでの練習で怪我人も多くなってしまっているが、厚くなった選手層がそれを最低限に止めている。ジェレ・サンドロ・望月・吉田を欠きながら、立石・羽生と言った面子がベンチにすら入れない。フィールドに現れたメンバーこそ、この日のベストメンバーと言えた。「市原は市原のサッカーをやる」と言いきった監督の言葉が、スタジアムに詰め掛けたサポーターの気持ちをを否が応にも高めて行く。

注目の開幕スタメンには、右WBに山岸、ボランチに坂本が入るという陣容になった。
立ち上がり、市原の出足が固い。ちばぎん、そして先週のナビスコに出場している山岸だが、リーグ戦の開幕スタメンはやはり雰囲気が違ったのだろうか、足元にボールが収まらず、ボールを受け取っても簡単に捌こうとして相手の網に引っかかる。明らかに浮ついた様子が伺えた。10分過ぎ、その山岸が右サイドでパスを出そうとして芝に足を取られてボールをカットされ、その逆襲の処理で茶野が致命的なミスパス。Aマドリード帰りの玉乃に押し込まれ、いきなりビハインドを負う事になってしまった。

反撃に出ようとする市原だが、セレッソ戦の前半で見せたようなパスワークが全く出来ない。ボール奪取自体は、阿部・坂本のドイスボランチが積極的にチェイシングを行なって散らしを行なっているので非常に良いのだが、そこから前に行けない。中盤から前線へと運ぼうとする狭いゾーンで、パスミスを連発。リズムを創れないままの時間帯が続く。
市原の右の切り札であるところの村井も、複数のマークにあって沈黙。さらに、クロスが上がってもヴェルディDF中央に構えるロペスに阻まれて、決定機が作れない。
それでも、力の差を徐々に見せて前半終了間際には波状攻撃。混戦の中、中央から阿部が蹴りこむが相手GK高木がブロック。さらに崔龍洙のシュートも高木が弾いて、どうしても決められない。
ミスからの失点、主導権を奪いつつも決めきれない前線と、イヤな展開が続いた。

後半、その流れを断ち切ったのはミスを犯した山岸だった。
この一発を決めたのと外したのでは、彼のこれからは全く違っただろう。後半5分、武藤の素早いリスタートから、ゴール前で大柴・崔龍洙が競り合ったボールが右に転がる。走りこんでいた山岸が渾身の力で振りぬくと、ボールは一直線にネットに突き刺さっていた。スタンドに向かって腕を振り上げ、ハデに喜びを表すその姿が初々しい。ユースの頃は、何度となく揺すった臨海のゴールを初スタメンで破って見せた。

これで勢いづいたジェフは、中盤でヴェルディを圧倒して攻勢を仕掛ける。
ファウルでしか止められなくなったヴェルディDFが与えるFKから、阿部と村井が次々にボールを供給していく。しかし、ヴェルディも勝ち点を欲して一線を割らせない。互いに怪我人と、イエローカードが乱れ飛ぶ泥試合の様相を徐々に示していく。

今季から延長戦を廃止したJリーグ。
ここからが互いに勝ち点をかけた戦いだった。ヴェルディは桜井・平野、そしてジェフはジョーカー・林を投入して勝負に出る。その林は、いきなりゴール前で決定機を演出。さらに、林のスピードに手を焼いたヴェルディDFの中心・ロペスが林の左サイドで林のアタマごとクリアをして、2枚目のイエローで退場。
高さを失ったヴェルディに対して、「相手が1トップである以上、DFが3枚必要な理由は無い」と言うオシム監督は、茶野に代えて巻を投入。前線を崔龍洙・巻・林・大柴と言う超攻撃的なメンバーで構成し、意地でも勝ち点3を奪いに行く。

そして42分。
左サイドで坂本が献身的な動きからボールを奪って、一旦巻に預け、再びボールを受けてサイドを駆け上がっていく。アーリーで放たれた左足のクロスボールは、崔龍洙のアタマにドンピシャ!滞空時間の長いヘディングシュートを、GK高木は見送るしかなかった。ユニフォームを脱ぎ、振り回し、リバウドのいようにおおはしゃぎするヨンス。チームメイトもベンチも駆け寄って祝福し、そしてスタンドも歓喜が弾ける。

その後、柏原主審の不安定なジャッジで、さらに試合は荒れたが、最後は体を張ってボールキープを行なって逃げ切り、泥臭く勝ち点をもぎ取った。
華麗なパスワークは見られなかったが、「苦しくても結果を出す」と言う監督の不退転の決意が感じ取れる気持ちの入った一戦だった。これも今季のしかし確実に市原の姿なのだ。スタンドは、その姿に沸き臨海の開幕勝利を祝った。

未完成なものの完成過程を見る事にも楽しさはある。
繊細さと、泥臭さの混在する今のチーム、次はどんな姿を見せてくれるのか実に楽しみだ。


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▼前年に比べて高い位置からプレッシングを行なう今季にあって、運動量を取り戻した阿部とコンバートされた坂本の働きは卓抜していた。だが、そこからの展開が出来なかった事で攻撃の選択肢が少なくなってしまっていた。
左の村井が消され、右が初先発の山岸で機能しない状況。
サイドチェンジを多用して打開しようとしたが、いくらフリーで受けても、そこからの速さとフォローが無くてはチャンスにならない。思い通りの展開が少ないせいで、崔龍洙・大柴がサイドに流れがちで最前線のターゲットに欠けた事も攻撃を難しくしていた。

そう言うとき、前半の終了間際に見せたような阿部・坂本の両ボランチの攻撃参加がスムーズに出るようになれば、中の枚数も足りてくるのだが。
練習ではやっているようなので、サイドのボランチのフォロー、またボランチの攻撃参加にこれからの攻撃の進化を期待したい。

▼東京Vは、DFロペスが厄介。
ジェレと同じように、危険予測能力が高く体も強い。加えてスピードもある。彼が居る・居ないはエムボマの存在よりも重要だろう。
正直、それ以外は際立った脅威は無かった。玉乃のゴールも信じがたいミスから。この失点に絡んだ、山岸・茶野・櫛野には猛省を促したい。

3/16(日)・練習試合・駒澤大学戦 2003年3月16日(日)16時55分3秒 deletemodify

■11時・姉崎
市原3(2−0、1−4)4駒澤大学
得点者:市原=前半17分・中島(CK林)、前半36分=OG、後半29分・楽山
駒澤大学=後半0分、後半15分、後半32分、後半33分

【前半】
GK立石、DF(左から)小林・茶野・結城、ボランチ長谷部・山岸、
左WB楽山、右WB金位漫、OH中島、FW巻・林

市原:SH04/CK04/FK12/GK02/PK00/OFF05
駒澤:SH04/CK02/FK06/GK05/PK00/OFF07

【後半】
GK岡本、DF(左から)野本・小林・結城、ボランチ長谷部・中尾(練習生)、
左WB楽山、右WB金位漫、OH拓土、FW金東秀(ユース)・林

市原:SH04/CK04/FK07/GK08/PK00/OFF02
駒澤:SH11/CK00/FK03/GK03/PK00/OFF04

■怪我人が多く、メンバーのやり繰りに苦労した試合だが、後半のデータをまず見て欲しい。大学生に、ここまでボコられるのは正直いただけない。練習試合で無ければ、確実に野次が飛んだぐらいの内容だ。特に駒澤大学OBである小林・金位漫・巻の3人にとっては屈辱以外の何物でもなかったろう。

 試合は、前半からスピードを活かした駒澤のペースだった。トップの小柄な10番が鹿島に入団した深井を連想させる動きでDF陣を脅かし、中盤では運動量に任せた素早いプレッシングで市原を自由にさせなかった。
 それでも、立石・茶野・長谷部・山岸・巻・林ら、準主力クラスの選手を起用していた前半はシュートは撃たれても水際で食い止めていたからまだ良い。これが後半になると、組織が組織としての体を成さず、完全に瓦解してしまった。

 GKの岡本にしたら気の毒としか言えない出会い頭の失点で追い上げられ、中盤のプレス、コーチングでも圧倒され・・・得点の時間帯を見れば分かるが、「気の抜けた」時間帯の失点があまりに多い。4点目も、3点目を奪われた直後のリスタートで拓土が安易に奪われたボールが失点に直結している。
 まとめ役となるべき長谷部も、処置なしと言った感じだった。周囲のフォロー・動き出しが悪く、林もスピードを活かせないまま。10番・87番・70番と言った選手の速さを引き出していた駒澤と比べるとあまりに対照的だった。

 噛み合わなくなれば、今日の後半のような事もトップのレベルであり得る。
 その怖さを知らされた一戦だった。

3/15(土)・ナビスコ杯・セレッソ大阪戦 2003年3月15日(土)23時30分3秒 deletemodify

正直驚いた。この一ヶ月半で、既にここまで仕上がっているとは。
後半戦の出来と敗戦と言う結果に、チームの課題を感じた方も多いだろうが少なくとも私には多くの希望の見えた一戦だった。

前半戦、市原は今季の躍進を期待させるに十分な「襲い掛かる」ようなサッカーを見せてくれた。様子伺いの序盤戦が過ぎると、村井の突破からのO/Gを皮切りに怒涛の攻撃が始まった。奪い、回し、展開し、撃つ。その一連の流れがチームの意思として連環していた。
特に際立ったのは、練習でも再三繰り返している「狭いゾーンでのパスワーク」。この日のハイライトはゴールにこそならなかったものの、前半20分過ぎに崔龍洙がポストに当てたシュートを放った一連の流れだろう、1・2・3・4と流れるようにパスが繋がり、そしてシュートで終わることが出来た。
ワンタッチ・ツータッチでのパスで相手を翻弄し、相手選手を狭いゾーンに固めるや、細かいパスの突破で抜け出たり、逆サイドへの大きな展開で薄くなった敵陣を突く。そして、その多くがフィニッシュまで結びついていたと言う点で、今までとの違いが鮮やかになる。

パスの一本一本がゴールを目指した攻撃的性格を持ったトライの連続。
その中で村井の突破、坂本・勇人・大柴の右のパスワーク、ヨンスのポスト、阿部のインタセプト→展開は冴えに冴えていた。個々人の特徴が、チームのやろうとしている事の中で生きているのが何よりも驚きだった。

だけれども、その流れの中で得点を奪うことは出来なかった。
獲れる時獲らない事が試合の流れをマイナスに傾けてしまう事だが、図らずもオシム監督がハーフタイムに「このままでは負ける」と直接的な表現で叱咤していたように、後半のチームは心身ともに前半で使い果たしたように、パフォーマンスを悪化させてしまった。相手をボロキレのようにしていた村井の交代も、今回はマイナスに働いてしまった。

結局は、自分達のサッカーを貫いて一瞬の隙から失点して、そして敗れた訳だが、それが今の偽らざる実力、そう言うことなのだろう。
しかし、前半のサッカーが公式戦で実際に出来た事も事実なのだ。そこに自分は大きな期待を持った。今日のメンバー、今日のコンディションですら、ここまで戦える。ここに、サンドロがジェレが、望月が茶野が羽生が林が加わる。期待せずにはいられない。

試合後のブーイングは、期待の現れ。
今年の市原は、もっともっと面白いモノを見せてくれそうだ。

■3/8(土)・練習試合・水戸ホーリーホック戦 2003年3月9日(日)1時43分34秒 deletemodify

■15時・姉崎
市原2(1−0、1−0)0水戸
得点者:市原=前半5分・村井(武藤)、後半3分・崔龍洙

【前半】
GK立石、DF(左から)吉田・永輔・大輔、ボランチ羽生・勇人、
左WB村井、右WB山岸、OH武藤、FW崔龍洙・大柴

市原:SH09/CK01/FK14/GK03/PK00/OFF00
水戸:SH03/CK00/FK05/GK07/PK00/OFF03

【後半】
GK立石(→石川)、DF(左から)結城・永輔・茶野、ボランチ長谷部・中島、
左WB楽山、右WB羽生、FW崔龍洙・大柴・巻

市原:SH06/CK01/FK07/GK05/PK00/OFF01
水戸:SH04/CK01/FK06/GK07/PK00/OFF01

■ナビスコ杯まで一週間と迫った中での練習試合。そろそろ今季の輪郭が見えて来るかと思ったが、まだまだ試行錯誤の色合いの濃いメンバー構成だった。上に名前の無い、阿部・サンドロ・坂本と言った面々も負傷と言う訳でも無く練習を行なっている。主力と言われるようなところでは、望月のみ確認が出来なかったがジェレもボールを使った練習をしており、これ以上怪我人が増えなければ22日のリーグの開幕にはほぼ全員が間に合いそうだ。

 さて、ゲームの方だが日替わりのメンバーの影響が強く伺えた。一言で言えば、コンビネーションが悪い。水戸の出足は確かに速く、また広島から移籍したトゥーリオに手を焼いたのは確かだが、それ以上にらしくないミスパスが多く流れが途切れる事が多かった。
 また、サイドから攻めるのか、それとも真ん中から切り崩すのか攻撃の意図が明確でなく、シュートシーンが少なかった。ちばぎん杯の時と比べると明らかに、攻めが遅い。前述のコンビネーション、疲れ、そして開幕を控えた微妙な時期だけに、崔龍洙をはじめ負傷上がりの選手の中には怪我をしたくない・コンディションを確かめたいと言う気持ちが強かったのかもしれない。

 試合展開は前半5分、右サイドセンターライン付近でボールを奪った武藤がちばぎん杯の再現のような村井へのロングフィード。これを村井がGKと交錯しながら、残留戦の武藤のようなループでゴール。この交錯プレーで村井が左膝を痛め4分間ほど治療のためフィールドの外に出るアクシデントがあり心配させたが、大事には至らず前半をプレーしきっている。
 その後は、中盤の潰しあいに終始。水戸のプレスは思いのほか速く、バックパスを多用せざるを得なかった。最前線の崔龍洙までボールを繋げる事が出来ずに、パスの出しどころを探しながらウロウロしているうちにミスパスをしてしまう悪循環。水戸の無用なファウルも多く、リズムの作れない展開が続き、立石からも「外!広く!広く!」と大きな指示が飛ぶ。
 しかし、徐々に15分過ぎからキープのできる崔龍洙・山岸らがクサビとなって市原がペースを掴む。17分の羽生のCKから永輔のヘディング、20分の山岸・勇人・山岸と繋いで、右クロスからの大柴のヘディング、さらに22分の大柴の右サイド抜け出てフリーのシュート(左に外す)、23分の崔龍洙のポストから羽生のミドルなどは、いずれも決定機と呼べるものだった。
 この時間帯は、中盤の底の勇人・羽生のいずれかが攻撃に関与できていて速攻を可能にし、また数的優位を作り出していた。逆に、これ以外の時間帯はこうした厚みのある攻撃が出来なかった。

 後半になり、メンバーを大きく変更。前線に崔龍洙・大柴に加えて巻を投入し、流動的な3トップで攻撃を仕掛ける。
 3分に羽生の右クロスを起点にGKがファンブルして流れたボールを崔龍洙が蹴りこんで追加点を上げるが、それ以外は前半以上に見せ場の少ない展開が続く。崔龍洙・巻と言う空中戦に高い選手を置き、両サイドに羽生・楽山と言う攻撃力の高い選手を置いたのだから、恐らくはアーリーでも構わないから前線に当てて行こうとしていたのだろうが、あまり意図を感じられないままに時間だけが過ぎていった。
 サイドまでパスが出ず、またサイドを潰そうとする水戸の裏をとって羽生や楽山の裏を他のポジションの選手が追い抜いてボールを受けよう、クロスを上げようと言う動きも無かった。
 足の速い選手が羽生くらいしかおらず、どうしても攻撃が遅攻になってしまう。結城・中島らの単発のミドル以外はフィニッシュまで至らなくなってしまっていた。
 攻撃にリズムが出来ないと、守備も綻ぶもので後半25分過ぎからは立て続けに水戸の攻撃を喰らってしまい、バーに当てられる危ない場面もあった。

 このまま流し運転で試合終了。
 固まらないメンバーの中、収穫はさほど多くなかったが、変化も見て取れた。
 まず、選手全員から「声」が出始めている。例えば、前半開始直後に、大輔が山岸へのパスをミスった場面があった。途端に武藤から驚くほど強い口調で、「フリーだろ!しっかりやれ!大輔!」と叱責の声が飛んだ。これ以外の場面でも、「声出して行こう!」「ボール見ろ!」など常に声が出ていた。坂本・長谷部・櫛野の声くらいしか印象の無い昨年までと比べると、明らかに違う。「ヨンスさん、こっち!(山岸)」「勇人、前!(永輔)」などボールを呼び込む、人を動かす指示も多かった。これを続けていけば、コンビネーションの熟成も、これまでより遥かに早いと思う。
 そして、もう一つの変化として「ハマった」時のパスワークがある。前半34分、大柴と崔龍洙が絡んだパス交換があったが、1・2・3・4と流れるように続いて崔龍洙のクロスまで繋がった。そんな場面が試合中、数回だがあった。狭いエリアでプレッシャーがかかった中でのパス交換を意識した練習の成果だろうが、2年前の良い時期を連想させるプレーぶりだった。
 昨年は囲まれると打開が出来なかったが、今季はパスで打開する、こんなシーンが多くなるのではないだろうか。

 最後に個人評価を。
崔龍洙・・・右膝のサポーターが痛々しい。試合後は少し足を引きずっていたが、全体的に負傷からの回復を確かめるようなプレーに終始。機を見たサイドチェンジや、囲まれた時のキープは際立っていた。
大柴・・・運動量はだいぶ戻っているが、FWとして決定的な仕事が出来ていない。現状では、敢えて起用する意味は少なく感じる。
武藤・・・村井のゴールを演出するなど、決定機に絡む。ただ、OHよりもボランチの位置まで戻って前を向けるスペースを見つけてプレーする事が多く、ならば最初からボランチで良い気がする。
山岸・・・キープ力があり、右でタメを作って起点となった。ただ、クロスは少ない。
村井・・・前半早々に怪我をしたため、あとは押さえ気味にプレー。
羽生・・・やはりボランチでは厳しいか。攻撃参加のときだけ、イキイキとプレー。後半はボールがあまり供給されずに開店休業状態だった。
勇人・・・地味に潰し役に徹する。羽生と組んだせいか、攻撃への関与少ない。
吉田・・・無難。少ないながらも、攻撃参加。
永輔・・・流し運転。崔龍洙同様、コンディションの確認に重点を置いていた。
大輔・・・らしくないミスパスを連発。深い芝に戸惑ったか、らしくないプレーぶりだった。
立石・・・出番少なく、無難にプレー。
巻・・・目立てず。少々疲れているのか、運動量が少なく、トラップも大きく起点にもなれなかった。
楽山・・・サイドは慣れていないのか、中に入ろうとするプレーが多かった。羽生同様に、ボールが少なくプレーへ関与できていなかった。
長谷部・・・今季試合出場は初か。無難だが、両翼にボールをなかなか供給出来なかった。
中島・・・気合の入ったプレー。潰しで貢献し、攻撃にはミドルシュートでアクセントをつけた。コンビはまだまだで、やや周囲から浮いていた。
結城・・・ずいぶん周囲から声をかけられていた。別に悪くも無いのだが、自分のプレーに自信を無くしていないか心配だ。
茶野・・・無難。イエローカードは愛嬌か。
石川・・・入った途端に、水戸の選手が元気になった。ただし、後半の何分に交代したか、全然気がつかなかった。


見学者は2〜300人と言ったところ。
ずいぶん「椅子」を持参のコアサポが増えた感じがする。開幕まで1週間、だいぶ注目も高まって来た感じだ。

2/2(日)・日中韓国際親善サッカー・水原三星戦 2003年2月2日(日)20時24分15秒 deletemodify

■15時・南海スポーツパーク
市原0(0−0、0−2)2水原三星
得点者:水原三星=後半39分・49番、後半44分・14番(7番)

【スタメン】
GK櫛野、DF(左から)吉田・ジェレ・大輔、ボランチ武藤・中島、
左WB永輔、右WB羽生、OHサンドロ、FW崔龍洙・大柴
※ただし、崔龍洙を1トップ・サンドロ・大柴の2シャドーのようにも見える。

【選手交代】
前半30分過ぎ:羽生→坂本
後半0分:櫛野→立石、武藤→望月、中島→阿部
後半18分:大柴→山岸
後半29分:永輔→茶野

■今季初めて、崔龍洙らをはじめとする主力メンバーを中心に臨んが、試合全般を通じて水原三星の速いプレッシャーに押し込まれてペースを握る事が出来なかった。若手中心だった前の2試合に比べて、明らかに体が重たそうでコンディション調整が上手く行っていない様子が現れていた。

 試合を通じて目立ったのは、水原三星のプレスの速さとそこからのカウンターの鋭さ。ベルデニック政権下の市原を思わせるかのようで、要所要所で人数をかけてボールを奪っては、右の34番の黒人選手と7番の選手を使ってサイドを深々と破ってはクロスを上げていた。
 市原に比べて数段スピーディだ。

 反対に市原は、中盤から前にボールが行かない。新加入のサンドロ・大柴が崔龍洙のフォローに入る戦術のようだったが、ボールが来ないせいもあって崔龍洙が左右に流れて起点とはなれず、またボランチが当たる前にボールをサイドへはたかれてしまい、中盤の厚みの意味が無くなってしまっていた。
 注目の新加入のサンドロは、元僚友の水原三星の選手たちの徹底した警戒網に引っかかって仕事が出来ず。予想通り、「司令塔」と言ったタイプではなく「ストライカー」もしくは「シャドー」と言った選手だ。彼自身の評価は、この試合で云々するつもりは無いが、これでは崔龍洙がサイドに流れてしまった時には中でボールをキープできる選手がおらず、味方の上がりを待てない。この試合でも、上がりを待てずに無理に長いボールを蹴ってオフサイドの網に掛かる場面が再三見られた。
 これからチームを創るにあたっては、この中央の攻守を如何に安定させられるかが戦術的な意味合いからも重要になるだろう。

 また、失点は相手のスピードにやられたもの。特にジェレがつり出されると痛い。スピードに弱いセンターバック陣が多いだけに、ボランチより上のポジションである程度スピードを殺せる守備が出来ないと厳しい。
 2点目も、ジェレの攻撃参加後にスピードで左を破られたものからだ。

 さて、内容的には良くなかったがその中で目立ったのは右WB坂本。後半からは、再三相手DFを間合いを測って引き剥がしてフリーな場面から突破を仕掛けていた。
 特に後半30分の絶妙なクロスは完全に一点もの。崔龍洙がシュートミスしなければ試合を決める先制点になっていただろう。攻撃参加の意志が強く、2年前にデビューした当時の積極性が戻ってきたようだ。
 他の選手にもこれくらいの積極性があれば良かったのだが。
 
 また、選手起用にもオシム色は無く、チームの力量を測る為に去年の戦い方をしているのだろう。いずれにしろ、コンディション・コンビネーションが上がってくるのはこれから。残り1ヵ月半をかけて、じっくりチームを作って欲しい。

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PBS v.1.01