GAME REPORT

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J1st−8・名古屋グランパスエイト戦 2003年5月11日(日)16時4分28秒 deletemodify

完敗だ。素直に認めるしかない。
勝つチャンスが無かった訳じゃないが、四つに組んだ時に名古屋の方がより勝利に近い戦い方をしていた。セカンドボールへの出足、球際での競り合い、サイドでの攻防、全体的な運動量と決定力。これまで、こうした部分で対戦相手を上回っていたからこそ勝てていたのに、逆に負けてしまったのが今日だった。

違和感のある戦いだった。
サポも含めて気合は十分。集まったサポーターも、ミーティングも、ビッグフラッグも、天気も、12,000人オーバーの観客も。いつも通りの戦い振り、いつも通りの運動量が、名古屋に“通じていない”感じがする。
ボールを奪い取ったすぐそばからプレッシングをかけられる。限定されたエリアに、パスの出し所無くす。再び奪い取られるボールの奪取に忙殺され、押し込まれ、守備ラインが低くなる。苦し紛れのクリアだから、味方に繋ぐ事が出来ない。また相手に渡る。再び奪うために体力を奪われる。
局面で勝てないから、総体として「押されている」印象を受けた。特に、村井vs酒井、坂本vs滝澤のサイドの対決で完敗した事で、劣勢が決定的になる。
加えて、予想以上に名古屋の守備陣が強固だ。パナディッチは、まるでシジクレイ@神戸のよう。単純なクロスが通用しない。率いられた、古賀・大森も派手さは無いが忠実に潰しを行なっている。そして、楢崎が居る。さすがに代表を張っているだけの事はある。セーブもフィードも正確。昨年のようなチョンボも無い。

つまり、動くんだが主導権が握れない戦いが続く。
名古屋は確実なキープから、ヴェズレイ・ヴァスティッチ・藤本の前線に両翼を絡めた波状攻撃を仕掛ける。ゴール前まで何度も詰められるが、阿部が一度・二度とゴールライン際で体を張って水際で失点を食い止め、そして展開する。
市原も、羽生・サンドロがいつも通り動いて時折チャンスを作る。坂本・村井が封鎖されたサイドを、追い越して抉り名古屋の喉元まで後一歩に迫る。だけれども、最後のフィニッシュを締める事が出来ない。
前半なかばの坂本のシュートも、ボール一個分外に外れる。小さなミスが積み重なって行く。

そうしているうちに、不幸な先制点が名古屋側に入ってしまう。
ペナルティエリア、すぐ外から撃った名古屋のシュートが、カバーに入ったジェレの足に当たってそのままゴールへ。意気消沈するチームに、臨海と変わらない大きな声援が飛ぶ。選手同様、サポも今日と言う日は勝ちたいのだ。
展開は変わらない。だけれども、少しずつ前に押し込んでいく。そうして迎えた40分過ぎ、ジェレのロングフィードが最前線に攻撃参加した阿部の足元に届く。一旦トラップして浮かしたボールを、そのままダイレクトボレーで叩く!ボールは、GK楢崎の指先を霞めてサイドネットに突き刺さった!遠目に観ても、美しい阿部のゴール。スタンドは総立ちになり、皆が抱き合う。声にならない「阿部」コール。

ムードは最高潮。しかし、これだけのゴールでありながら、全体の大きな流れは変わらなかった。直後にヴァスティッチのシュートが、目の前でバーを叩いて大きく外れて行った。後半も苦しい戦いになる事を予兆しているかのようだった。

後半、予想通りの苦しい展開だ。
前半以上に思い通りに動けない。かといって、名古屋も状況は似たようなもので、前半ほどチャンスは作れていない。
じりじりとした展開。ここで、徐々にウチと名古屋の差が出てくる。前半から「走らされ」続けたツケが来た。既に消された、崔龍洙と両翼に加えて、勇人が羽生がサンドロが「目立たなく」なってくる。運動量が落ちてきている。だんだんラインが下がり、「向こう側」でのプレーが多くなる。
だけれども、この硬直した展開で誰を代えると言うのか。

林を投入する為に早い時間でプレッシングの要になっている羽生や勇人を下げたりするのは名古屋の攻撃を考えた時に、ウェズレイ・ヴァスティッチへの中盤からのボール供給を容易にしてしまって危険が大きい。
ハイボールは完全に押さえ込まれていた。崔龍洙でさえも。その中で、巻を投入したところで効果は少ないだろう。
かといって、単騎突破が可能なサンドロもしくは、代えの効かない両翼をあえて代えるか?と言っても、全体のバランスを考えた時に怖さがある。それに、バックアップに本職の居ない両翼を代えたら、巻を投入したとして前線へのクロスは出せなくなる。

監督の判断は、「変えないこと」だった。
そして先にベルデニックが動く。運動量のある吉村に代えて、スピードのあるFWの原。ウチで言うところの林にあたる選手だ。
この交代にマークの修正が遅れてしまう。その隙を名古屋は逃さなかった。小さなミスの積み重ね・・・3人の寄せを交わしたボールが市原陣内の両翼で大きく展開される。最後は、マーカーの居ない原に、DFのスキ間を突かれた。残り10分での失点。あまりにも痛い。

しかし、スタンドは怯まない。どうしても勝ちたかった。アッコちゃんの大声援が始まる。
コーナーキックの場面、ほんの一瞬のこと、崔龍洙が俺らに向かって親指を立てた「何とかする」声は無くとも、それは観る側にとって最高に心強いサインだった。

動かない足を引きずった最後の攻撃も実らない。少し待って、監督は諦めるように交代のコマを切り始める。林・望月・巻。ただ、そこには「仕方なく」投入したような雰囲気があった。
滝澤に代えて、海本。ベルデニックは、時間も使いながらカードを切る。
そしてホイッスル・・・完敗だった。「矛盾」の戦いは「盾」が勝利したのだった。
うなだれるスタンドは声も無い。しかし、選手が全力を尽くした事を知っているスタンドからは、惜しみない拍手が送られた。

試合後、監督は「チームはまだ熟していない」と語った。
今までの順位が出来すぎであるとも、オシム監督が指揮を取ってまだ5ヶ月。これは発展途上の最中である事を、我々は忘れてはならない。



翌日−−−。
朝10時からの練習は昨日の先発メンバーを集めたミーティングからはじまった。芝生の上で、円になって。監督の「檄」が飛ぶ。

「ビジョンを持ってプレーしないのなら、俺は欧州に帰る!」
「小さなミスが積み重なっている。それを非難しないようではだめだ。」
「君たちを非難しているのではない。」
「勝って負けて勝って負けて。そんな平坦な人生じゃ俺は嫌だ。」
「私は君達のことを信じている。もっと出来るはずだ。」

選手たちは真剣に聞き入る。
ミーティングが終わり、昨日のコメント通りに今日も練習がはじまる。走って。走って。
その後ろでは、サテライトのTGがははじまる。
そう、まだ始まったばかり。目の前の勝敗だけじゃない、監督の言う「ビジョン」を観る側も持たなくては。市原は今まさに「創られている」ところ。同じ事は繰り返さない。

「次は本当に負けられない試合だ。」

この監督の言葉の結末を知る為に、来週は自分は鹿島へ行く。

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【選手評価】
GK櫛野:2点目はクロスを上げられないよう調整できたはず・・・と監督からアドバイスを受けていた。やはり、楢崎と比較して致命的にキックの精度が悪く、こうした積み重ねが最終的なチャンピオンチームとそれ以外の差では無いかと痛感させられた。
DF斎藤:ウェズレイに手を焼く。得点はさせなかったが、決勝点のクロスを防ぐ事は出来なかった。
DFジェレ:中央でハイボールを弾き返し、両ストッパーのこぼれを弾き返す事に腐心する。失点の場面は責められないが、やはり足の速い選手に対しては弱さがある。
DF茶野:ヴァスティッチを抑えたが、相手のキープを許してしまって起点を消すところまでは至らなかった。
MF阿部:ハイレベルの得点シーンを含めて獅子奮迅の活躍。セットプレーの守備では、最低でも2点分を防いでいる。両翼が押さえられたため、得意のフィードを活かしきれなかった。
MF勇人:後半途中でついに息切れを起こしてしまった。前半から名古屋ボールを追いかける事に追われ、攻撃までは関与できなかった。
MF坂本:対面した滝澤に完敗。決定機も狙いすぎて外すなど良い場面が無かった。周囲の援護も途中から少なくなり、攻撃では特に窮屈な状態を強いられていた。
MF村井:よりにもよって、対面した酒井に完敗。2年前は、その酒井をボコボコにしたもんだが・・・坂本同様、援護が少なく力を発揮できず。単騎で行こうとしても、2人・3人に囲まれていた。
MF羽生:よく動いてチャンスを作ったが、消えている時間も。勇人同様、途中から運動量が落ち、厳しい状態だった。
MFサンドロ:後半のダイビングヘッドなど、惜しい場面を演出。守備に忙殺されたが体はキレており、監督の交代策も彼の交代が果たして是か非かと言う部分で遅れたのではないだろうか。
FW崔龍洙:パナディッチに押さえ込まれ、何も出来ず。周囲からボールが入って来なければ、いかなヨンスとて得点には絡めない。

FW林:左WBとして出場。時間短く判断できない。
MF望月:時間短く判断できない。
FW巻:時間短く判断できない。

J1st−7・セレッソ大阪戦 2003年5月7日(水)2時13分1秒 deletemodify

厳しい戦いだった。
前二節を快勝し、意気上がるチームであるが、自らのサッカーへの自信・はやる気持ちが慢心や油断へと繋がらない訳ではない。加えて、今年初めて30度を超えた大阪の真夏のような気候。日陰でこそ涼しさも感じるが、ここまで散々走り続けて来たチームにとって、生命線の運動量を止めてしまうに十分な条件だった。

今までの市原であるならば。
きっとここで歩みを止めてしまっただろう。
それは、市原サポーターの誰もが身をもって知っている。

だけれでも、今日と言う日、今の市原と言うチームは、それを覆すたくましさを持っていた。

U−22から戻ったばかりの阿部を先発。まるで、代表で動かなかった事への罰走と言わんばかりに、前線からプレッシングをかけさせる。もちろん、前節まで中盤の命綱を握ってきた勇人・羽生・サンドロはいつも通りの運動量だ。キックオフから時間を置かずに「いける」と言う空気が漂う。阿部のフィードと言うダイナミズムを加えた中盤が攻撃を牽引する。
左右から揺さぶりをかけ、脆弱なセレッソのDFに揺さぶりをかける。
出足の鈍いセレッソは市原の中盤の守備にハマって、すぐに自陣でボールを失っていく。そこに間髪を入れずに市原の先制弾が襲う。前節、散々外しまくったサンドロだ。こぼれ球に反応して振りぬいた右足のシュートは、地を這うような弾道を描き「ガヅン!」と鈍い音を立ててポストをかすめてゴールに突き刺さった。
これだけでは終わらない、その数分後、2シャドーの片割れ・羽生が今度は中央からミドルシュートを突き刺す。これも、文句をつけようの無い「一撃必殺」の弾丸シュートだった。2−0。俄然有利になる。

だが、ここからが真にこの試合の難しさだった。
前に出るしか無くなったセレッソは、阿部同様にU−22帰りのFW大久保を中心に早めにトップにボールを当てて攻撃に移る。その大久保にはしっかりと茶野が張り付き自由にはさせないが、徐々にセレッソのボールキープの時間が長くなる。単純な攻撃だが、中盤のプレッシングを半ば無効化されるので、前線にこの大久保や西澤と言う足元にためられるプレーヤーがいる場合には非常に厄介だ。

加えて、前半20分ぐらいから左の村井の様子がおかしい。頻繁に水を補給に行き、さらにチームスタッフに頭から水をかけてもらっている。明らかに消耗している。ピッチ上はスタンドよりも相当に蒸し暑いようだった。その、普段ならば武器となる左サイドが死んでいく。抜けない、寄せに行けない。たまにボールを持っても2・3人に詰められて戻すしかない。サンドロや羽生・勇人の援護を受けてかろうじて保っているが、痛々しいほどに無力化されている。
それでも、一瞬の隙を突いてヨンスへのクロス。しかし、決められない。さらにヨンスがフリーの右足を外す。スタンドからのため息が「今日はヨンスの日では無いのか」と言う気持ちを起こさせる。

決められず、相手の単純な攻撃にはめられて走らされる。緩慢と思えるプレーがフィールドの至るところで発生する。自分たちのサッカーが出来ない。
2−0とは言え、消耗させられたチームがこのまま戦い抜けるのか、不安を残して「守りきった」前半が終了した。

後半開始。
セレッソの動きは早い。10分過ぎ、中盤の徳重に代えて、左足に強烈なインパクトを秘めた佐藤悠介(元・山形)を投入する。さらに間髪入れずに広長に代えてバロン。3トップ変更してボールを次々に最前線に当ててくる。単純明快だが、足が止まりつつある市原には極めて有効だ。
その間にも市原は、崔龍洙がサンドロのプレゼントパスを決められずに試合を決められずにいる。
セレッソの波状攻撃に守備が綻ぶ。揺さぶられ、当てられ、撃たれる。オシム監督は、ボランチの阿部をリベロに下げたリベロ+3ストッパーの布陣に変更して難局の打開を図る。大久保に茶野、バロンにジェレ、西澤に斎藤が喰らいつき、阿部がそのフォローアップに入る。だが、攻勢を完全に食い止める事が出来ない。ゴール左でファウルを犯し、そのFKを交代出場の佐藤(悠)にものの見事に突き刺される。
その後もセレッソの攻撃の勢いは止まらず、受け身の状況が続いてしまう。崔龍洙も、ボールが供給されなくては何も出来ない。ひたすらに耐える時間が続いた。正直、同点にされてもなんらおかしくない厳しい時間帯だった。

監督は動かない。まるで何かを待っているようだった。

耐えに耐えたジェフに、カウンターのチャンスがめぐる。
阿部からサンドロへロングフィード、サンドロのパスに、村井が最後の力を振り絞って抜け出す。完全にフリーとなった村井は、そのまま左足でボールをゴールに流し込む。
セレッソの勢いを止める、何よりも欲しかった一点だ。

監督はこれを待っていたのか。即座に動く。痛んだ茶野に代えて結城、疲弊しきった村井に代えて山岸を投入。打つべき手を打ち終わって、反撃の気力をも削がれたセレッソを徐々にカウンターで押し込み返していく。
ここまでくれば、後は「大脱走」だ。ただし、攻め抜いて押し切る。一つも逃げてはいないが。

やがて響く終了のホイッスル。そこに飛び込む「鹿島敗戦濃厚」の一報。長居に集まった市原サポは、狂喜乱舞の中で自分達がこれまで体験したことの無い未体験の世界へと足を踏み入れた事を知る。「首位」「追われる立場」だ。
これからは、慢心も無ければ恐怖も無い。何が起こるかわからない、言わば全てが挑戦だ。何を気後れすることがあるだろうか。

・・・ただ今日と言う日は酔おう。「首位」と言う響きに。
鹿島が、磐田が、その位置にいても決して感じることが無い、市原10年の成果だ。さあ胸を張ってスタジアムへ足を運ぼう。我々は、「首位」JEFUNITED市原だ!

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【選手評価】
GK櫛野:FKを直接叩き込まれるあたりはポジショニングの問題か。それ以外の場面は安定。
DF茶野:U−22ですっかり体力をすり減らしていた大久保を封殺。終盤、負傷か疲労で途中交代。
DFジェレ:リベロとして、途中からはバロンのマンマーカーとして奔走。防空能力の高さでアーリークロス主体になったセレッソの攻撃を防ぎ続けた。
DF斎藤:古巣相手に発奮したか。西澤を完全に消し去る事に成功。起点を作らせなかった。
MF阿部:U−22で良い休養を取ったか、あまり疲れも見せずに攻守に奮闘。ロングフィードでゲームを組み立て、最後はリベロで猛攻をかわしきった。
MF勇人:この日も豊富な運動量で貢献。序盤の先制点は彼のチェックが影の立役者。
MF坂本:苦しい時間に守備で貢献。前半には豪快な中央突破も見せた。
MF村井:コンディションが悪いのか、らしい動きがほとんど無くセレッソに押さえ込まれた。だが、その彼が勝利を決め付ける追加点を奪うのだから、展開と言うのは本当に読めない。
MF羽生:勇人同様にチェックで貢献。豪快なミドルシュートで前半で大阪のゲームプランを粉砕して見せた。
MFサンドロ:前節外しまくった鬱憤晴らしと言わんばかりのロベカルばりの強烈なシュート。村井の得点もアシストし、チームに馴染んできたか。
FW崔龍洙:前半に2つ、後半に1つ決定機があったがいずれも決められず。2試合決めまくって少々疲れたか。

DF結城:茶野交代。時間は少なかったが無難なプレーぶり。
MF山岸:疲労困憊の村井と交代して、サイドの運動量維持。
MF望月:残り時間を考えた戦術的な交代のため、評価はなし。

J1st−6・京都パープルサンガ戦 2003年4月30日(水)20時55分26秒 deletemodify

「虐殺」・・・こう表現するしかないような凄惨な試合内容だった。
ジェフサポからしてみれば、完全なお祭り・フィーバー状態だが、GWに京都からやってきたサポにしてみれば、観るに耐えない試合だっただろう。後半25分くらいまでは。

前節・横浜戦で快勝を遂げた市原は、大方の予想を裏切って阿部が代表で抜けたボランチの位置に開幕戦以来となる坂本を投入。右に智が入る以外は前節と変わらない布陣。永輔や、大柴・武藤と言った主力どころが不在は不在なのだが、永輔以外はどうも「外れた」感じがするので、ここには含めない。
対する京都は、代表でFW松井・DF角田を欠いた上に負傷でFW黒部・DF手島を欠いている。この欠場選手を埋め合わせる選手の違いが、モロに試合展開に現れる結果となった。

試合開始後しばらくは京都が形を作る。
出足の鈍い市原の両翼の裏を突いて、長身のFW田原にクロスボールを合わせて来る。実際に危ない場面もあったが、精度を欠いて得点までは至らない。そうこうしている内に10分が経つと、市原がどっしりと落ち着いてくる。マリノス戦同様、局面局面で京都の選手に勝利し始め、ボールを奪う位置が高くなっていく。ホームのゴール裏で観ているから、何が起こっているかわかりづらいったらありゃしない。
目をこらすと、ウチのプレスに苦しんだ相手がボールの出し所が無くて躊躇している姿が見える。するとそこに、ピラニアが獲物に群がるかのように勇人と羽生・坂本らがたかっていく。京都から強引にもぎ取られるボール。そして始まる致命的な位置からのカウンター。若い松本に率いられたDF陣が余裕無く混乱に陥るのが分かった。
前線にボールを入れれば、崔龍洙・サンドロががっちりキープする。後ろに戻しても勇人や坂本が相手の出足を上回ってそれ以上の進行を許さない。勢い、余った茶野が後方から攻撃参加したのはそんな流れの時だった。FW・MFの波状攻撃を捕まえられない京都が、DFの上がりをケア出来るはずもない。まるで、そこに道があったかのようにパックリと割れたDFの間を悠々と攻めあがった茶野からフリーのクロスが上がると、そこには崔龍洙がしっかりと待ち構えていた。先制。

これで、さらに大混乱となった京都守備陣に対して容赦無い運動量でプレスを仕掛ける。ハーフコートマッチの様相を呈して、すっかり向こうサイドだけで試合が進む。またタテパスが通る、そこに崔龍洙が走り込む。何とかクリアしようとするが、ヨンスがかろうじて右に叩いたボールには羽生が詰めている。追加点。
さらにその得点の直後にも波状攻撃から勇人が詰めるが、これはかろうじてオフサイド。さらなる期待を残しての後半となった。

後半を前に、京都は田原→町田。高宗秀→冨田。
恐らくはスピードのある2人を投入して市原のDFを揺さぶろうとしたのだろうが、そこまでボールが届かない。もはや中盤以降は完全に制圧されて、今度はホームのサポーターに向かって圧倒的な攻撃が始まる。
そして、止めを刺す崔龍洙の2ゴール目。1人でDFの間合いを外す完璧なフェイントから、強烈なエリア外からのコントロールシュート!意気消沈した京都DF陣にさらに崔龍洙のハットトリックとなる3点目が、坂本のミドルが突き刺さる。さらに、決まりはしないがサンドロが山岸が次々と決定的なシュートを放つ。完全に崩れた京都をさらに蹂躙するべく、オシム監督は1TOPにDFは3人いらないとばかりに茶野に代えて望月を投入。さらに村井に代えて林を投入する超攻撃的布陣にシフトする。
まるで「獲れる時に獲る!」と言う言葉が伝わって来るかのようだ。

結局は、5点とって間延びしたチームは集中力を維持できずに追加点はならず、逆に失点する隙を見せてしまった。が、撃ちも撃ったりシュート28本。この後半25分までの時間帯は本当に京都としては何も出来ない無力感漂う時間帯だったろう。

・・・5−1。申し分の無い結果だが、予想通り監督は満足していなかった。
間延びした残り20分。決定機を逸し続けた拙攻。ミスからの失点。これが残留戦の場面であれば致命的なミスと言われかねない20分だった。
曰く、「1点獲られて全てが台無しになった」「技術はあっても身勝手な選手は嫌いだ」と。監督にとっては、90分が試合であっていくら70分が良くても、それ以外の部分で自分が期待する姿が見れなければそれは「良くない」試合なのだろう。妥協が無い、だから選手である斎藤からも「怒っている」と言う自らに対する戒めの言葉が出てくる。
だいたい、翌日の30日にも朝から練習試合が入っている。一体、どれだけ走らせるつもりなんだ。

そう考えた時、戦力差云々の前に勝負は決まっていたのかも知れない。
最下位に沈んだ天皇杯王者の京都は、Jの全チーム中で最も始動が遅かった。対して市原は、最も始動が早かった。監督交代と言う要素はあれ、仕上がりの差が出るのも当然だ。

3−1、5−1。快勝が続いたが、これに慢心しては上は無い。
ウチは、つい1ヶ月の間に後半44分で勝ち点2を逃す詰めの甘さと、0−3で大敗を喫したチームなのだ。それを忘れて目の前の勝利にいつまでも酔っていては、過ちを繰り返すだけだ。
足元を見つめ、そして姉崎に控える多くの主力級の選手達、出番を伺う選手達と切磋琢磨する事を忘れないこと。それが、市原を監督の言う「しっかりとしたチーム」にする。それが現実になった時、きっと臨海も今以上の観客に包まれるだろう。

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【選手評価】
GK櫛野:圧倒的な展開に中だるみしたか。普段にも増してミスパスが多く、緩慢なプレーが目立った。
DF茶野:崔龍洙の一点目をアシストするなど攻撃にも意欲的。守備もきっちりとこなした。
DFジェレ:出番は少なかったが安定感あるプレーでチームを支える。フィードも◎
DF斎藤:同じく出番は少ないが役割はきっちり。
MF勇人:驚異的な運動量で中盤を支える。前線への飛び出しも多く、この日のキーマンとなっていた。
MF坂本:久々のボランチだが、勇人と同様に追い回し役に徹する。さらに1得点・1アシスト。最後は左DFにも回った。
MF山岸:前半序盤の穴だった。徐々に持ち直し、キープでも貢献したが後半の決定機を外したのはいただけない。総体としてマイナス評価。
MF村井:アシストなど数字に残るプレーは無かったが、安定したキープとクロスで京都の右を制圧。交代後はスタッフ全員と握手。
MF羽生:勇人と共に中盤の運動量を支えた。チームの2点目は、彼の運動量が結実したものと言えるだろう。
MFサンドロ:今日は彼の日では無かった。決めていれば10点ゲーム。再三再四の決定機を外しまくり、彼自身の気持ちがマイナス思考に向かわないかが心配だ。ただ、彼ならばこそ出来たチャンス、彼が作ったチャンスも多く全部がダメだったわけではない。ただ、彼にかけた金額を考えれば、数字に残る結果がほしい所だ。
FW崔龍洙:キレまくり。特に自身2得点目はFWとしての能力が結集したゴール。前線での楔役も確実にこなし、手がつけられない。

MF望月:超攻撃的な2バックとすべく茶野の代わって投入される。ミドルレンジパスの正確なところを見せたが、やはりもう少し運動量が欲しいところだ。次は、ボランチで使ってみたい。
FW林:交代直後のFKは見事。だが、間延びしたチームの中でその後は力を発揮できず。終了間際の決定機は決めなくちゃいけない。決まってればクエバス(パラグアイ)のようなファインゴールだったのに。
DF結城:2バックから3バックに戻す為に投入される。CKに合わせる惜しいシュートが一本。後は地道に守備に徹した。



・・・阿部の不在でロングフィードで一気のサイドチェンジと言うダイナミズムは失ったが、それ以上に運動量で勝負した京都戦。阿部の復帰後、この布陣がどう変わるかも注目したい。
次はセレッソ戦。向こうも勝ち点10で差は小さい。得点力をウリにする両チームの対決だが、今季はまだ勝利していないだけに、ここで「違い」と言うものを見せ付けたい。

J1st−5・横浜・F・マリノス戦 2003年4月27日(日)23時36分30秒 deletemodify

気分が宜しいので、少々崩れた文体で。
いや、冗談抜きに初めてじゃないの?こう言う上位対決を臨海で迎えて、尚且つ完膚なきまでに叩きのめすって。少なくとも、自分の記憶の中じゃ思いつかない。強いて挙げるなら、98年のナビスコの鹿島戦くらいか?

強風の中、チームの強さを試される一戦にサポーターの意気も上がる。
本来ならば損傷を懸念して自粛するはずのビッグフラッグも、気合で出してしまう。元団長W氏やトランペット2台も加わり、阿部の100戦出場・U−22代表壮行会も含めて異様な盛り上がりの中で戦いが始まった。
市原は大柴・永輔を負傷で欠き、武藤がリザーブからも落ちた。代わりに、今季初めてジェレが中央に入り、斎藤が久保に、茶野が奥にマンマークにつく。阿部・勇人のドイスボランチに、サンドロ・羽生が崔龍洙の援護に入る布陣だ。
対する横浜は、FWマルキーニョス・清水・安永など前線に怪我人が相次ぎ、久保の1TOPを奥がフォローする変形の4−5−1のような布陣。

試合開始。ゲームはいきなり動く。
坂本が削られて外に出ている間に左から展開。村井がいきなり伝家の宝刀・左足を一閃、羽生がアタマで繋いだところにはDFを外した崔龍洙が。これを左足のダイレクトでコントロール・シュート。いきなり先制点を奪う。
しかし、これで慌てるマリノスでもない。動揺を抑えて反撃に出ようとする。
対するジェフは、阿部を中心に中盤の6人がマリノスに対して激しいプレスを仕掛ける。局面・局面で人数をかけ、常に高い位置でボールを奪っては、素早くサイドへボールを散らしていく。
そして、この日は、奪ってからが素晴らしかった。判断が早く、シンプルにボールを捌いていくワンタッチパスが非常に多い。特に阿部は、ボールを強奪するや、高精度のロングフィードを最前線へ向けて繰り出していく。羽生へ・サンドロへ・そして崔龍洙へ。キープできる3人にフリーな状態でボールが渡るので、2列目以降が攻めあがる時間が稼げる。奪われても、奪い返しても不思議なくらいにボールが市原に集まってくる。そう感じるぐらいに市原の運動量は多く、質が良かった。逆にマリノスからすれば、サイドチェンジを頻繁に喰らって「走らされている」ような感じがあっただろう。
「市原有利」の展開の中、マリノスに一瞬の隙が生じる。28分、坂本のタテパスをGKに戻そうとした日本代表・松田のボールが強すぎ、GKのファンブルを誘う。抜け目無く詰めていた勇人が中央に戻して崔龍洙がしっかり合わせる。
決定機にしっかりと点が取れる、「勝てる」展開。流れは、そのまま市原。ワンサイドとは行かないが、明らかに窮屈そうにマリノスがボールを運んでいるのが分かる。この後、櫛野のミスからPKを与えて1点差になるが、怯まずにサンドロが惜しいチャンスを演出するなど、「押し切って」前半を終了する。

後半になり、マリノスはスピード系のFW坂田を投入。中盤を那須のワンボランチにして、ダイヤモンド型の古典的な陣形で攻撃を仕掛ける。
しかし、本来起点とならなきゃいけないハズのユキヒコの右サイドが村井・サンドロに制圧されてほとんど好機を演出できない。止むに止まれず中に絞れば阿部の餌食。若干前半よりは横浜が攻めているが、全体としての流れは変わらない。頼みの久保も完全に押さえ込まれ、全く「形」が見えない状況。
逆に市原は、後半になってもペースが変わらずにシンプルにボールを前線に送り込んでいく。村井が、2枚・3枚で押さえ込まれれば逆の坂本まで一気にボールが展開する。フィニッシュこそ決まらないが理想的な展開だ。そして、勝っている展開では容易にカードを切らないオシム監督。
焦れたマリノスは、押さえられていた久保に代えて若い阿部祐太朗を投入。前線に新鮮な駒を入れてリズムを取り戻そうとするが、久保を押さえる斎藤が阿部に動ずるわけもない。
逆に、その直後にこの日最高の攻撃が炸裂する。
右サイドで2人に囲まれた羽生から出たボールに、坂本がカンペキなタイミングでボールを受け、なんと迷わず中央へ(笑)!これを崔龍洙が豪快なダイビングヘッドで合わせて黄色に染まるスタンドの観客に応える一発で試合を決めた。

その後、疲れの見える村井に代えて山岸。サンドロに代えて林。
DF栗原のデビュー戦をセンターフォワードとして投入すると言う苦し紛れとしか思えない岡田采配を尻目に、カウンター布陣を引いてマリノスの攻撃を牽制。残留戦仕込みの時間稼ぎまでしっかりこなして、この日は勝ち点3をしっかりと稼いだ。

試合後も、村井&崔龍洙のヒーローインタビューに、そして代表に合流する阿部の壮行会に大盛り上がり。無事に臨海100万人も達成して記念品もGET。素晴らしい一日となった。



何よりも全員が良く動き、自分たちの仕事をこなした事。それがこの日の勝利の要因だ。そして、数年前ならばこんなコトは口にも出せなかったが、ほとんどのポジションで局地戦の敗北が無かった。単純にウチの選手のスペックがマリノスのそれを上回っていたと言うコトだろう。
その意味では、先週戦ったガンバの方が遥かに局面局面で強かった。だから、この結果は力の差が妥当に出たものと言えるのではないだろうか。

選手個々では、何度でも書いてしまう崔龍洙・阿部が図抜けていた。
崔龍洙は、言わずもがな。3得点の全てに彼のストライカーとしての力が凝縮されていた。シュートの難易度では、1点目が出色。下がりながら左足のダイレクト。流れを決める一発だった。DFとの競り合いでも中沢を弾き飛ばすなど、「漢」らしさが戻ってきた。一旦火がついたら、もう止まらない。次も必ずやってくれるだろう。
阿部は、泥臭い守備も読みの良い守備も同時にこなして、さらに十八番のロングフィードでフィールド全体に市原の攻撃を描く起点となっていた。これこそが阿部本来の力と言える。一試合に一回あるか無いかのFKより90分を通じて安定した攻守を出来るトップフォームを取り戻した事が何よりも素晴らしい。

>その他の選手
GK櫛野:PKの場面だけは焦ったか。前半はじめの久保のシュートや、遠藤のミドルを防ぐなど、全体としては安定していた。
DFジェレ:やはり中央に居るだけで安定感が違う。高さと読みのよさで、マリノスに決定機を与えなかった。
DF斎藤:久保を完封。
DF茶野:久々の先発だったが安定したプレー。前半は一本危ないクリアミスがあったが、後半は積極的にゴール前まで攻撃参加する場面も。
MF勇人:アシストの場面以外でも運動量豊富に中盤の守備を忠実にこなした。潰すだけでなく、攻撃に参加できる一段上のプレーができるようになっている。
MF坂本:相変わらず「行けばいいのに!!」と言う場面があるんだが・・・結局アシストしてるし。ほんのちょっとタイミングが速くなったら、ものすごい選手になるかも。
MF村井:ユキヒコ・ポッポの2枚をまとめて料理。阿部から村井にしょっちょうボールが出るものだから、横浜の右が上がれずに死んでいた。
MF羽生:1点目・3点目に絡む。去年以上にしっかりボールが持てているので、後方からの攻めあがりを上手く促している。守備面でも貢献大。
MFサンドロ:力強い突破で前線をかき回した。「これが通れば!」と言う惜しいパスが数本あり、連携面には引き続き課題を残す。

MF山岸:出場時間短し。ただ、ドフリーの場面で時間稼ぎをしたシーンがあり、オシム監督の不興を買わないか心配だ。
FW林:「抑止力」としてマリノスのカウンターを封じる。役割は果たした。


やっぱり勝つと筆は進むもの。次もこうであって欲しいものだ。
監督に言わせれば、「そう上手く行くものではない」のだろうが。今日という日は浮かれてしまおう(笑)

1ST−4・ガンバ大阪戦 2003年4月24日(木)1時45分17秒 deletemodify

勝てた一戦だった。その悔しさばかりがついて出てくる。
戦前の評価の高いG大阪に対しAWAYで勝利すること、これは前節の大敗で揺らぎかけた自らの方向性が正しいと言う事を再確認する重要な意味を持つ戦いだった。それが目前ですり抜けた。雨の中観戦したサポーターだけでなく、選手達にとっても「もう少し」と言う想いばかりが募る悔しい戦いだった事だろう。

試合は攻守の入れ替わりが激しい、拮抗したもの。
ガンバは、ボランチのガレアーノを外して橋本。球離れを良くし、右のチキアルセ・左の新井場にボールを送って効果的なクロスをマグロン目掛けて放り投げてくる。市原も両翼の役どころはよく似ているのだが、FW大柴の欠場で出番の巡ってきたMF羽生がかなりフリーに動き回る事で、サンドロ・崔龍洙とのコンビネーションから中央からもチャンスを演出していた。
試合はまず、市原が仕掛ける。羽生の支援を受けたボランチの阿部&勇人が大阪の二川を自由にさせず、サイドへ追いやると、パスを左右に散らして宮本の守るDFラインを振ってチャンスを演出。だが、決定機で崔龍洙・サンドロがいずれも決められない。逆にガンバの素早い攻撃を受けて危うい場面もいくつかあった。一進一退。
このあたりまでチャンスの数で上回っていた市原は、ついに29分、勇人が粘って押し込んでで先制。しかしリードした直後−−まるでかつての市原を見るかのように−−同点とされ、そればかりか逆転されてしまう。いずれも、両サイドをものの見事に破られたファインゴールだった。
相手のパスの出所を押さえられない、上げられても中で対応しきれない、このあたりの守備の問題点は、一向に改善される気配が無い。DFは流動的にストッパー・リベロの区別無くポジションチェンジを繰り返すと言う、3人が3人ともにリベロの能力を持たないと出来ない高度なものだが、消化出来ずに隙を作っている。中盤も、前がかりになった裏を突かれると後手を踏んで相手に決定機を許してしまう。前節と違い、阿部のワンボランチではなく、勇人とのドイスボランチだったのだが、失点の場面では彼らとWBの選手が協力してクロスを防ぐか・遅らせるかしなくてはならないところを、対応できずにいる。。。
ただ、これで終わらないのが今季の市原。
前半終了間際に、羽生がゴール前の混戦を詰めて同点。ここまで出番の無かった二人が結果を出し、タイスコアに戻して前半を終了する。

何とか同点で迎えた後半だが、相変わらず攻守に苦しむ市原。
特にこの日は、ターゲットとなるべき崔龍洙が「城」を思い出させるような軟弱なプレー(寄せられるとボールをキープできない、簡単に倒れてファウルを狙うように見える)で起点となる事が出来ない。
逆にガンバはマグロンのしっかりしたポストを中心に攻勢を強める。2−2の、じりじりした展開から先に動いたのはガンバ。チキアルセ・吉原に代えて、大黒と中山を投入。3トップに変更して前線に枚数を割いて来た。
対する市原は、10分後に茶野・林を投入。マグロン・大黒・中山に対してマンマークをつけ、リベロが余る布陣に変更。さらに、中盤より後ろが手薄となった大阪DF陣のウラのスペース目掛けて林を送り込む。
この交代が奏効し、ガンバは単純なクロスによる攻撃を無力化され、反対に市原はものの見事にカウンターから右のクロスを崔龍洙が落とし、林が後方からシュートを放つコンビネーションプレーから松代のファンブルを誘って勝ち越しに成功する。

時間も時間、このまま勝ちきれると誰もが思い始めた頃、3枚目のカードとしてMF望月が崔龍洙に代わって投入され、磐石の布陣が整う。
だが、そう考えた時点で心に弛みが出来ていたのだろう、ガンバの力を甘く見ていた。左WB新井場のドリブル突破。この一対一の局面に耐え切れなかった永輔が、微妙な判定ながらPKを与え・・・勝負は引き分けへと持ち込まれてしまった。。。

改めて、「勝てた試合」だった。それは選手・スタッフが一番悔しく感じている事だろう。
しかし、勝つ為には失点の場面のようなフリーでクロスを上げさせるような場面が一試合に何度もあっていいハズが無い。それが得点の直後ならなおさら。「油断」「集中力の欠如」と言われても仕方が無い。
また、PKを与えた場面も同様の問題を問う事が出来る。さらに、同点に追いつかれてから数分間は逆転されてもおかしくない攻撃を受けるなど、最後まで「脆さ」を垣間見せた。

磐田に引き分けたガンバも同様、こうした「勝つべき試合」を勝ちきることが出来ないのが優勝に値しないチーム、その所以だろう。これから、横浜・京都と難敵が続くが、その中で今日と同じ結果にはしない事、それが重要だ。


結果には不満足。
だが、遠く大阪まで来た甲斐があった、そう思わせるのは勇人・羽生・林と言うポジションを掴みきれていない選手達の活躍。大柴や武藤・望月らには相当なプレッシャーだろう。彼らの伸び、ベテランの焦りがチームを切磋琢磨する。

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PBS v.1.01