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2ND−1・ヴィッセル神戸戦 2003年8月18日(月)0時5分49秒 deletemodify

■・・・旧ジェフ?
そう思わせるくらいに、今日の試合はらしくなかった。危うく盆の最終日に神戸まで遠征したサポを見殺しにしかねない出来で、あの激しい練習は何だったのかとTVの前で何度も首を捻ってしまった。
誰が悪かったと言うワケでも無いのだが、全員が悪かった。まるで、1STの神戸戦後の監督のコメントのよう。違ったのは、結果であったわけだが・・・本当にそれだけが救いだった。

システムは3−5−2だったが、こんな感じ。
GK櫛野、DFジェレ・永輔・大輔、ボランチ阿部・茶野、
左WB村井、右WB坂本、OH勇人・羽生、FWサンドロ
ジェレがオゼアス、大輔がカズを、茶野がアリソンや薮田をマークしている。

どんなシステムでも、選手が動かないとウチのサッカーは機能しない。神戸がDFを固めて来るのは分かっていた事で、実際に始まるとボランチのシジクレイやDFの土屋が悉くボールをカットしてしまって繋がらない。特に空中戦では全く勝てない。加えて、足が動かないから、局面局面で後手を踏んでパスコースが狭められてからパスをするもんだから、パスミスが連発。
ロクな攻撃が出来ないまま、たらたらと時間が過ぎ、散発的にカズのボレー弾など反撃を食らう。オゼアスが厄介だったが、ジェレがついていたのでさほど心配は無かったが。とにかく点を獲られる気もしなければ、点を獲れる気もしない展開が続く。選手たちには改善が無いまま。これだけだったのならまだしも、キレたのがカウンターから羽生が抜け出したシーン。DFが並走してるのに、最後の最後でシュートじゃ無くて横に出そうとしていた。だー!もう大柴出せ!!とフラストレーションも最高潮。何で「出来るのにやらない」のか。しまいにはパスの出しどころが無くなってバックパスが始まる・・・ほんと、見慣れた光景だ・・・悪い意味で・・・。

負ける気はしないが、相手さんも出来が良いわけじゃないし、ここで勝ち点を失うわけにはと思いながらの後半戦。
さすがに監督が何か言ったか、出足は良くなる。セカンドボールが集まりだし、波状攻撃が仕掛けられるようになってくる。でも、選手が選手を追い越してどんどん後ろから上がってくる期待した攻撃はいつまで経っても見られない。ジェレが一回、右から上がったくらいか?
原因の一端は分かっている。少なくともシュートを撃てない要因は。撃てない面子だけで試合をしているのだから。

ようやくと言った感じだったが、後半22分に「撃てる選手」林を投入。ボールが回り始める。この林の運動量が目立つくらいなのだから、他の選手の動きの緩慢さは推して知るべし、だ。しかも決定機に、まーた神戸GK掛川が当たってるし。至近距離からのシュートをバンバンかき出す。
市原はさらに故障明けの大柴を村井に代えて投入して運動量をアップ。流れを引き寄せるものの、なかなか点に結びつかない。このへんで65%くらいの運動量か。
神戸がヘタれているため、点を入れられる気はしない。そう思っていたが、後半38分、右から崩されて櫛野が掴もうとしたボールをキャッチできない。流れたボールを播戸が流し込む・・・と思ったところで、阿部がギリギリでクリア。最後の最後で、僅かな勝ち点に泣いた1STを思い出したか、4分後には羽生の右クロスに林がスライディングで合わせて決勝点。
あからさまな時間稼ぎをするなど、最後までらしくない試合だったが、何とか勝利をもぎ取った。

内容を評価しろと言われたら、ダメダメ以外の何物でも無いがそれでも勝つのが、磐田・鹿島がこれまで積上げて来たもの。
今日の試合、何で出来なかったのかをこの一週間でクリアにして、次のガンバ戦には内容のある勝利を期待したい。次も勝ちきれなかった、借りのある相手なのだから。

8/13(水)・練習試合・早稲田大学戦 2003年8月14日(木)8時12分23秒 deletemodify

■18時・姉崎練習場・45分×4本
市原11(1−0、3−0、2−0、5−0)0早稲田


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【1・2本目】
GK立石(2本目0分・石川)、DF吉田(2本目0分・中島)・小林・結城・金位漫、ボランチ野本、
左MF楽山(1本目12分・八角)、右MF山岸、OH大柴、FW崔龍洙・巻(1本目15分・金東秀)

※前半は4−4−2・シングルボランチ。
※八角は右MFに投入。山岸が左MFへ。
※後半は3−5−2・ドイスボランチ。小林・野本・結城の3バックに、中島・八角のボランチ。

得点者:
1本目22分・大柴
2本目25分・金東秀(大柴)
2本目27分・小林(CK山岸)
2本目40分・崔龍洙(PK)

【1本目】
市原:SH12/CK03/FK10/GK03/PK00/OFF03
早大:SH01/CK01/FK05/GK05/PK00/OFF01

【2本目】
市原:SH09/CK04/FK03/GK00/PK01/OFF01
早大:SH01/CK00/FK05/GK10/PK00/OFF00


■2ND開幕の神戸戦を目前に控えた最後の練習試合。サテライトとトップで分けられたゲームは、調整色の濃いものになった。まず、サテライト組に神戸戦出場停止の崔龍洙、復帰の大柴・吉田を加えたグループ。

布陣は2バックとも4バックとも取れるもの。システムの問題では無く、選手の問題で動きが少ない。ただ、崔龍洙・大柴と言う久々の組み合わせが居るので、前線は迫力がある。どちらも調整色が強く、ガツガツ行くと言うよりも一歩引いて自分たちのコンディションを確かめているようだった。・・・相変わらず、大柴の運動量は並外れているが・・・。

様子見のスタートだったが、アクシデントが立て続けに発生する。接触プレーで楽山・巻が相次いで負傷交代。いずれも症状は重くは無さそうだが、彼らが代わったポジションにユースの八角と金東秀が加わってリスタートのような形になった。金東秀は言わずもなが、トップ帯同の2種登録選手だが、八角も最近のサテライトのゲームやトップの練習に混じってプレーしており、将来の明るいユースの選手の一人だ。本職はボランチ。

金東秀が入った後、マークの厳しい崔龍洙・大柴が囮になる形で金東秀が何度かシュートチャンスを迎えるものの、決めきれない。チーム全体としても、それぞれの選手が特定のエリアに限定されてしまってなかなかトップチームのような流動的な動きが出来て来ない。手数こそ多いが、攻撃は単発で「どうやってゴールを奪うのか」イメージが足りないように思えた。
そんな中で、やはり大柴と崔龍洙は格が違う。大柴は、若手選手に対して大きな指示でボールを要求し、しっかりとボールを受けてチャンスメイクをこなす。守備もサボらない。崔龍洙も、「こう言う風にボールを受けて、前を向くんだ」と言う声が聞こえてきそうな反転からのキープ→ドリブルで局面を打開していく。得点こそ、さほど多く決まらないが、前線はこんなもの。

中盤から後ろは、必死に良いプレーを見せようとするものの、空回りの感が強い。
前半の野本は積極的な攻撃参加で前線の枚数を増やしていた・・・一方で戻りの意識が弱くて、もしくは周囲のスペースフォローの意識が低くて、彼が上がって空いた穴を早稲田に使われる場面が何度かあった。
金位漫も、声を出すものの「先走り」の感が強くて周りと噛み合わない。それに、トラップ・クロスその他細かい部分でミスが目立ってしまって「一回やり直し」が多く、チャンスにならない。

アクシデントもあった1本目は攻め立てたものの1得点に終わる。
2本目に入り、システムは通常の3−5−2に。ここで、ボランチの八角がいい動きを見せる。ユースの選手ながら、当たりで早稲田の選手に負けず、運動量もまずまず。パスも低く抑えられたものを器用に使えるので、正直なかなか使えていた。タイプとしては、勇人のスタイルがダブる。堅実な守備・機を見た攻撃。

この八角の奮闘が光るものの、2本目はシュートチャンスが減少。20分過ぎあたりまでは、早稲田の潰しにてこずってシュートも撃てない。崔龍洙がイライラしてイエローを貰う場面もあった。
しかし、25・27分と立て続けに金東秀・小林が得点。その後は、DFでも回しすぎなどが目に付いたものの、大きなピンチも迎えなかった。最後に金位漫が倒されて得たPKを崔龍洙が沈めてフィニッシュ。
調整試合としては上々ではないだろうか。何より、崔龍洙⇔大柴ラインが健在であることが確かめられた。また、八角・野本あたりには期待感を持って見ることが出来た。・・・この後に始まる3・4本目の選手たちの「連動」が彼らにも見られるようになれば、この期待感はもっと高まるのだが・・・。


【特に目立った選手】
FW崔龍洙:当然別格。今日は強引なシュートよりも金東秀を活かすような動きが多かった。コンディションは上々で、来週のガンバ戦に向けて不安は無い。
FW大柴:1.5列目に下がって久々の崔龍洙とのコンビだったが、体が覚えた感覚は忘れない。積極的なコーチングと、尽きない運動量で衛星的にチャンスメイク。
MF野本:1本目で動き回っての攻撃参加が目立つ。ただし、上がった後のカバーを周囲がしてあげなくてはならないし、彼自身ももっと切り替えて戻るべきだろう。
MF八角:当たり負けせず、パスの精度も他の選手に負けていない。運動量も、前への意識も良い。これが波無く行なえればすごいが、素材としては十分。昔の勇人のような感じがする。それにしても、ずいぶん大人びた顔になった。先週も秋津で見ているのに、しばらく誰か解らなかった。
MF金位漫:呼び込み積極的で良いのだが。先走りでアピールしすぎて、敵に気取られてしまっている。また、個々のプレーの精度に難あり。


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【3・4本目】※公式戦前の為、フォーメーション詳細なし。
GK櫛野(4本目0分・岡本)、FP大輔、ジェレ(4本目20分・茶野)、茶野(4本目0分・中島)、永輔(4本目0分・勇人)、阿部、坂本、村井、羽生、サンドロ、林

※FP=フィールドプレーヤー

得点者:
3本目27分・大輔(村井)
3本目31分・茶野(林)
4本目04分・大輔(村井)
4本目13分・サンドロ(林)
4本目24分・サンドロ(中島)
4本目26分・林
4本目37分・中島(林)

【3本目】
市原:SH09/CK04/FK07/GK00/PK00/OFF00
早大:SH00/CK01/FK03/GK05/PK00/OFF02

【4本目】
市原:SH15/CK04/FK06/GK01/PK00/OFF02
早大:SH01/CK01/FK03/GK07/PK00/OFF03


■さて、この3・4本目はいわゆるトップチームが多い面子。早稲田も、この3・4本目に合わせてか、主力と思しき選手を投入して精一杯のプレーで臨んで来てくれた。
ゲームがスタートした途端、羽生が早稲田のボールホルダーに猛然とダッシュ。全編、そんな試合内容だ。とにかく相手を追い掛け回して、ミスを誘ってそこから一気に速攻。最前線にサンドロ・羽生・林と言うスピードに優れた選手たちが入れ代わり立ち代りで動いているので、早稲田はDFがやや混乱。1・2本目と明らかに異なる運動量とあらゆる意味でのスピードに差がある。
これに対して、早稲田も出足で圧倒される事無く、最初のうちはよく持ちこたえる。ただ、やはりマークしている選手を追い越して2枚目・3枚目の選手が動き出してきたり、頻繁なポジションチェンジでかき回されてはついて行けるはずもない。加えて、前線の3人はスピードでアドバンテージがある。10分が過ぎる頃から、徐々にシュートシーンが増えていった。いつもの市原のサッカーだ。

しかし、早稲田の必死の粘りと、GKのファインセーブの連発で得点は27分まで待たねばならなかった。ショートコーナーを受けた村井が左からクロス。これを大輔が豪快なダイレクトボレーで合わせて先制。
さらに、31分には後方から攻撃参加した茶野が林と壁パスと言う激レアな展開から、GKをかわしてシュート。全然この2人、DFッぽくない・・・まるっきりFWのゴール。

その後の時間帯は早稲田の集中が保てなくなって来たのに加えて、市原の運動量が早稲田のそれを圧倒。村井→サンドロ、大輔→羽生・・・と絡んでる面々だけ見ても、よく動いている事が分かる波状攻撃が続いていた。


そして4本目。さらに市原の攻撃が加速。
ただし、中島が投入された事で微妙にギアが噛み合わない事がある。他の選手に比べて、動いた周囲の選手の穴に動くフォローアップと、パスの意図で中島は劣っている。どうしても、プレッシャーをかけられたときの判断が中途半端なのだ。なので、彼にボールが行った時には一拍の間が空いてしまう。
彼と反対の動きなのが、エジプト帰りの勇人。フォローと追い越しの判断が的確で、しかもスピードがある。・・・しかし、一昨日までは彼はエジプトに居たと思うんだが、さすが監督、容赦が無い。

さて試合内容は、3本目の後半の流れが続いている。
いきなり4分に林→村井と繋いで、最後は大輔のヘディング。この日、大輔2点目。そして、丁度このあたりから雨が降り始めて、徐々に強くなっていく。ボールが流れやすくなるが、それでサッカーがおかしくなる事は無かった。
その後も、サンドロ・羽生・林が立て続けにシュート。ただ、簡単なシュートも、ちょくちょく外してしまっている。FWだけに、林のミスがどうしても目立ってしまうのは仕方ない。↑の結果を見てもらっても分かるように、決定的なシーンには非常に多く絡んでいるだけに、精度があれば・・・と、いつも思うのだが。

追加点はサンドロ。16分・24分と上手い位置に走りこんだ、ポジショニングで取ったゴールだ。26分にも混戦から勇人が撃ったシュートがポストに当たったはね返りを、林が詰めて得点。
その後はやや攻めあぐねたものの、37分に中島が4本目の5点目を上げて打ち止め。その後も羽生がGKをかわしてシュートがバーに当たるシーンもあった。

先にサテライトを見ていたせいもあると思うが、らしい動きの3・4本目は見ていて面白い。ポジションチェンジと、長い距離のランニング、そして運動量は1STと比べても磨きがかかっている。
あと4日で開幕だが、大丈夫、この内容ならば神戸ウイングではウチのサッカーが出来るだろう。

終了したのは、21時半過ぎ。最後は大雨となってしまい、観ている側も大変だったが、監督は最後までピッチに厳しい視線を送っていた。神戸に向けて何を考えているのか。1STでやり遂げられなかった事を、今度こそやり遂げる為に精一杯の準備をチームは行なっている。


【特に目立った選手】
FWサンドロ・林・MF羽生:よく動くサンドロ・羽生と、良い意味で中央をあまり離れずに、居て欲しい場所に居る林。決定力はやや難があったものの、3人の特徴が消えてしまう事は無かった。実際、点にも絡んでいたし、ポジション・動きがカブるシーンを修正すれば尚更良いのでは無いだろうか。
DF斎藤:彼が上がった時は、FWです。あのダイレクトボレーに、ヘディングのポジショニング・・・永輔共々、セットプレー時には得点源として2NDも期待。

8/10(土)・サテライト・清水戦 2003年8月11日(月)1時40分21秒 deletemodify

■猛暑の秋津。
ミッシェルのトークショーから1時間半の余裕を取ったのだが、案の定湾岸で大渋滞。どうやら、海に遊びに出ていた観光客とマリンの人出にかち合ってしまったらしい。何とか秋津に辿り着くと、席を確保しているうちに試合開始となってしまった。

市原のメンバーは、始まると4バック。真ん中が小林と結城で、左が野本、右が金位漫。
中盤はダイヤモンドで、注目は何と言っても復帰のFW大柴。練習試合で負った負傷が長引いて1STは棒に振ったものの、昨年までは監督が来る前から一人で「走るサッカー」をしていた彼。いい加減ブっ壊れるから良い休憩になったんじゃないかと言う声もあるが、本人にしてみれば直りかけたところで怪我を再発させたり、不在の間にチームが躍進したり気が気じゃなかっただろう。一番の声援を受けて、ピッチに飛び出した。

清水も、沢登・斎藤・真田・平松と言った主力クラスの選手が居る。
お互いに1週間後の開幕を見据えて調整色の濃い一戦となった。

ところが、のっけから市原の選手の動きが重い。走らないわ、パスミスするわで、自分でチャンスを失って行く。対照的に清水の選手達は、足元がとてもしっかりしていて、無駄な動きが少ない。せっかく鍛えた走力も、無駄走りで消耗していては意味が無い。
不安定な線審のジャッジにも惑わされて、DFラインの裏へ抜け出されるピンチが続出する。何とか、野本や小林が喰らいついて守るが、組織だって守れている訳じゃない。

押され気味の展開の中、CKの場面で工藤が負傷。ユースの首藤に交代する。首藤は、スピードを活かした突破が武器の選手で、主に右サイドやFWをこなす選手だ。
予期しない交代だけに、流れに入ろうとするのが精一杯と言った様子。煮え切らない展開が続いて行く。期待の大柴もボールが届かずに目立っていない。相変わらずの運動量でサイドに流れてはチャンスメイクをするが精度を欠く。42分には左翼を野本が抜けるものの、一番奥まで切れ込んでおきながらバックパス。小林のクロスはみんなお見合して、右へコロコロ。
「エゴイストになろうよ〜!」と応援団から、ハッパがかかる(汗

形にもならない前半に業を煮やしたのか、後半は徐々に「形」が増えてくる。
中心になったのはユースの選手たちだ。ゲームの流れに乗った首藤が、スピードのある突破でチャンスメイク。後半7分には綺麗なドリブル突破で右からペナルティエリアに進入すると、真横にグラウンダーのクロス。柴さんは当てるだけでゴール。先制点を奪う事に成功する。勢いづき、攻め続ける市原。しかし、シュートシーンは増えるもののなかなか決められない。
15分には、林が上手く相手DFからボールを奪ってシュートしようとするが、焦ったのかボールが足に収まらずに再び奪われて得点にならず。このプレーでファウルが無かった事に林がブチ切れ、イエロー。林は、直後の17分に金東秀に交代を告げられる。

流れは市原ペースだったが、凡ミスが発生。今度はDFラインでボールを持っていた小林が平松にボールをかっさらわれて、後ろから倒してPK。ノボリが蹴って同点。あまりのショボいプレーに愕然。
そんな暗い気持ちを払ってくれたのは、またもやユースの選手たち。
24分、まったく目立っていなかった望月に代わって八角。この八角に加えて、首藤・金東秀がチャンスに再三絡む。32分には、山岸のクロスに当たりはしなかったが、八角が体ごと飛び込む。35分にはその八角のタテパスに大柴が抜け出してゴール!するが・・・これも線審のジャッジで取り消されてしまう。
このユースの子らは、ヘンな緊張感が無くて伸び伸びとプレーできていた。
他で目立っていたのは、やはり柴さんくらい。山岸もまぁまぁだったが、決定機を外すなど安定性は?だった。

試合は、最後の最後で、またもやミス。
石川さんが飛び出してクリアしたボールが相手にわたって、平松にループで決められてドボン。2失点とも、信じられないような凡ミスで敗戦を喫してしまった。



・・・試合後、エジさんが選手を集めて円陣を組む。「ちゃんとプレーして無かったヤツはユニフォームを脱げ!」と物凄い剣幕。「これがお客さんからお金を取っているゲームだったら・・・」叱責の言葉が続く、最後は「そんなだったらサッカー辞めちまえ!」と選手達に背を向けて引き上げるエジさん。(嫌な役回りもやらないといけなくなったね)
残された選手達に小倉コーチたちがポリポリと頭を書きながら、声をかけて行く。選手達は、頭を掻き毟ったり、うな垂れたり様々だ。どれだけの選手が、本当にキツイと思っているか。



野本・金位漫・大柴は、最後までピッチに残って入念にストレッチ&ランニング。他の選手達は、観客席の真下でクールダウンしていたようだ。
片付けの最中、負傷交代した工藤も小倉コーチに呼ばれて説教を受けている。「ちょっとした事で痛がってるようじゃ、監督は見てくれない。」とか、先ほどの説教の場面にきちんと参加しなかった事への叱責のようだ。「他のチームなら使ってもらえる」ような甘い考えは捨てろと、こちらもかなり厳しい事を言われていたようだ。

果たして、今日の試合から誰が学んで這い上がってくるか。
少なくとも、何も学び取らない、学び取るつもりが無いのなら、その選手にとって代わるべき選手は、十分なアピールを今日の試合で見せていたのだから。

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■16時・秋津サッカー場
市原1(0−0、1−2)2清水

GK岡本(後半28分・石川)、DF野本・小林・結城・金位漫、ボランチ中島、
左MF望月(後半24分・八角)、右MF山岸、OH工藤(前半28分・首藤)、FW大柴・林(後半17分・金東秀)

得点者:
後半 7分・大柴(首藤)
後半21分・沢登(PK)
後半44分・平松

【前半】
市原:SH04/CK03/FK10/GK03/PK00/OFF01
清水:SH05/CK03/FK05/GK03/PK00/OFF02

【後半】
市原:SH12/CK04/FK12/GK03/PK00/OFF02
清水:SH05/CK00/FK06/GK05/PK01/OFF05

【選手評価】
GK岡本:キックは良いが、DFとの連携を欠いて慌てる場面があった。
DF野本:左SBとしてちょくちょく攻撃参加。だが、せっかく上がってもクロスを上げられずに戻す場面が多々。その裏を清水にも狙い撃ちにされていた。プラマイゼロ。
DF結城:目立たず。地味な潰しに徹す。
DF小林:彼のせいで、同点に追いつかれました。取り替えそうとはしていたけれども、空回りで得点は出来ず。やっぱり、先制直後のこの凡ミスが試合の趨勢を決めた。
DF金位漫:タイミングの良い上がりがポツポツ見られたが、クロスは明後日の方向。ちなみにキャプテンマーク。
MF中島:もう少し判断は早くならないかい?
MF望月:左MFだったけれども・・・まったく目立てず。目に付くのはセットプレーの場面ばかり。
MF山岸:良い攻撃もあったけれども、全体的に低調な出来のチームに埋没した感じ。相変わらず、「俺が」ってプレーは少ない。
MF工藤:負傷交代で見せ場なし。
FW大柴:復活初戦にしては軽快な動きではないだろうか。両サイドに流れてチャンスメイク。幻になった2点目は、タイミングもシュートも素晴らしかった。
FW林:前半からプレーは頑張っていたが、審判に惑わされて、頭に血が上って交代。

【交代出場な人達】
GK石川:決勝点を呼び込んだ凡ミスは痛い・・・。
MF首藤:この日、一番動きが良かったのでは?再三の突破に、体を張った守備。よくボールに絡み、動いていた。
MF八角:出場時間は短いが、ボールに絡む積極性を買いたい。柴さんの2点目は幻のアシストになってしまった。
FW金東秀:午前中の練習をフルにこなしていたのに、若いからか出場させられる。1回良いポストプレーがあった。

7/21(月・祝)・サテライト・名古屋戦 2003年7月24日(木)21時42分26秒 deletemodify

■磐田戦の激闘から一夜明けた姉崎。11時からの練習には、昨日の先発メンバーがピッチに散っている。坂本や阿部がいつものようにふざけてボール遊びをし、その後ろで黙々とメグさんや柴さんがリハビリのランニングを行なっている。
 ちょっと観客は多いが、いつもの風景。悲壮感も無ければ、弛みも無い。心配していた昨日の試合を終えて「終わってしまった」ように感じている選手は誰も居ないようだった。磐田戦は既に過去のこと、そして今週末には清水戦が控える。そこへの戦いは、既にもう始まっている。

 その清水戦にはサンドロ・ジェレが揃って出場できない。代役は誰か?当然気になるところだが、その鍵を得る為にサテライトの名古屋戦に足を運んだ。
 磐田遠征から家には戻らず、SAと姉崎練習場で仮眠を取って大雨の東関道に飛び乗る。大栄ICから降りて、さらに有料道路をしばらく行く。牛小屋だとか、ボロボロに荒れ果てた「ちょんまげ村」なるテーマパーク跡?を通り過ぎ、山が突然拓けたその場所に、干潟町の東総運動場があった。かなり立派な施設だ。メインスタンドだけなら、臨海に比較できるだけの設備がある。

 メンバー表を見てみて・・・を・・・酒井が居る・・・。
 真後ろじゃオシム監督とベルデニック元監督が談笑しているし・・・昨日磐田で見かけたメンバーがたくさん居る。うーん、なんだかすごい雰囲気だ。

 ゲーム自体はあんまし書くような点も無いのだが。スタートから市原ペース。中盤の長谷部を中心にボールを奪い、素早く前線へ。このあたり、長谷部の落ち着いたプレーはさすが。しかし、巻がなかなかシュートを撃たないので点にならない。それでも、地力に勝る市原がチャンスを積上げ、巻に集めてシュートを撃たせる。
 まったくトップとは異なるサッカー。動きに連動性が無く、飛び出しも少なく、ボールを奪われればボサっと立っている場面が散見される。その状況に業を煮やしたのか、突然永輔がドリブル突破を開始、林とのワンツーを交えながら中央を豪快に突破してゴール。さすがは、レベルが違う。
 ・・・まぁ、後ろから選手を引き倒してイエローを貰うあたり、永輔らしいと言えばらしいのだが・・・清水戦のファウルは前借りでこの試合で済ましてしまったと思いたい。

 その他で動きが良さげだったのは、この他山岸と林。
 山岸はワンタッチ目のボールコントロールが正確で、ボールをしっかりおさめてから、スピードに乗ったドリブルで相手を撹乱。前後半共に、特に攻撃面で良い味を出していた。また林も、点を強く意識したプレーぶりで、狭い局面でのドリブル突破にキレがあり、2得点。1アシスト。ミスもあるけれども、相変わらずゴールまでの意欲が強い。

巻や望月などがもたついた事を考えれば、清水戦でのサンドロの代役は恐らくこの二人のどちらかだろう。

 その後、危ない場面もあったが、石川のファインセーブなどでしのぎ、結局3−0で押し切ったが、ここで名前の挙がらなかった選手は凡庸なプレーぶりだったと言うこと。選手評価は↓下の方を参照。

 試合後、またもやオシム監督&ベルデニック元監督が二人でずっと対談。そこに祖母井が加わるシーンもあった。なんだか、いろいろ因縁もありそうだ(汗)二人は残り試合の事でも話していたんだろうか?どんな事が話されたのか興味深い。それにしても、試合翌日に、ここまで来るとは監督・スタッフもご苦労様だ。

P.S.干潟町から?か、お土産に百日草を二鉢もらった。
この千葉東総運動場、2時間貸切で1,560円。共同利用なら、大人一人1時間70円。子供一人1時間40円・・・と激安。本格的な競技場なので、都合さえつけば使ってみてはどうだろうか?(管理事務所:0479−68−1061)

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■15時・千葉東総運動場
市原3(1−0、2−0)0名古屋

GK岡本(後半0分・石川)、DF小林・永輔(後半17分・野本)・結城、ボランチ長谷部・中島、
左WB楽山、右WB山岸、OH望月(後半17分・金位漫)、FW巻(後半36分・金東秀)・林(後半26分・工藤)

得点者:
前半22分・永輔(林)
後半17分・林
後半24分・林(山岸)

【前半】
市原:SH09/CK02/FK07/GK07/PK00/OFF01
鯱八:SH03/CK01/FK07/GK03/PK00/OFF00

【後半】
市原:SH06/CK03/FK05/GK02/PK00/OFF01
鯱八:SH06/CK01/FK07/GK06/PK00/OFF02

【選手評価】
GK岡本:出番は少なかったが、確実にこなす。パンチングで逃れたファインセーブも一発。
DF結城:相変わらずスピードの対応に課題。逆に攻撃参加のタイミングは問題無い。
DF永輔:このレベルでは相手が居ない。・・・とは言え、フリーで抜け出られた相手をアフターチャージで倒してイエロー。
DF小林:堅実な潰し役として機能。機を見た攻め上がりもタイミング良く出来ていた。結城・小林共に永輔交代後の守備の統率に課題を残す。
MF中島:目立てず。判断を早くして、散らしが出来ないと戦力として成立しない。
MF長谷部:中盤の核として機能。潰しと展開と、キャプテンシーを発揮していた。この日は、ミドルシュートを放つなど攻撃面でも目立っていた。まだまだいける。
MF楽山:やはり判断力に課題。足元の技術でもこの日は苦労していた。ただし、対面した酒井には何もさせず。
MF山岸:序盤は動きが悪かったが、徐々にギアが入っていった。3点目の林の得点をアシストするなど、特にボールを貰ってからの動きには進歩が見られ、積極性もあった。
MF望月:判断の遅さと個人技に走ったプレーに終始。パスの質やキープ力は良いし、運動量も上がって来ているのだが・・・融合は難しいのだろうか。あと一歩。
FW林:キレのある動きで2得点1アシスト。正確性があれば、もっと得点は奪えた。
FW巻:序盤は流れてシュートを撃たず、ようやく撃ち始めてからは正確性を欠く。運動量・スタミナ・判断力ともども、まだ鍛錬が必要だろう。少し疲れて迷いが無くなってからの方が無駄な動きが無くなって良い。

【交代出場な人達】
GK石川:鋭い出足で決定機を防ぐ。交代出場ながら、さすがの判断力。
DF野本:積極的な攻撃参加で「リベロ」をこなす。ただ、DFの統率はいまいち。
MF金位漫:スピードを活かした突破で前掛かりになった名古屋を及び腰にさせ、交代出場の役割を果たす。
MF工藤:この日もオフェンシブ。スピード・キープ・パスは十分。羽生のリザーバーになれる方向性が出て来た。
FW金東秀:出場時間が短く、判断なし。

J1st−13・ジュビロ磐田戦 2003年7月22日(火)23時27分39秒 deletemodify

■死力を尽くした一戦だった。走り、当たり、叫び。選手も、スタッフも、サポーターも、胸を張って力を出し尽くしたと言える。市原10年の歴史の中でも、最高の一戦だった。

 「首位攻防戦」と言う、これまで経験した事の無い未知の領域。磐田にかけつけたサポーターは実に1,500人。磐田のAWAY側を完全に黄色く染め、そして声援でも完全に磐田を圧倒した。それはそうだろう、磐田サポが出している段幕は「打倒市原」。声援も「普段通りにやれば市原には負けない」、そんな雰囲気が透かして見える。そんな近視眼的なものしか見えて居なくて、我々の“想い”に勝てるのか。我々には、J2降格・チーム解散まで寸前までチームが追い込まれ、今も観客動員に苦しんで存続に揺れる市原の10年の歴史が、そして未来が懸かっている。一勝、一勝ち点、一得失点差がチームの存亡に関わる修羅場を潜り抜けている。
 その覚悟が磐田のサポにあるのか、我々の叫びはその全てが詰まったそれなのだ。
 試合前からムードは異様。テンションが異常に高い、暑い、息苦しい。程なく始まる応援。16,000人を飲み込んだヤマハスタジアムだが、一騎当千、ジェフサポは力の限りに声を出し、選手たちを鼓舞した。

 選手入場。「勝利へのマーチ」に乗って阿部を先頭に選手たちが入ってくる。表情までは分からないが、これまでに無い頼もしさが感じられる。メンバーはベスト。これで、やれる事をやるしかない。

 キックオフ。ゲームは磐田の猛撃で幕を開ける。「様子伺い」などと言う時間を許さず、王者が猛烈なプレッシャーで押し込んで来た。CKを取られ、名手・名波のシャレにならないキックが弧を描いて通り過ぎて行く。
 市原に勢いがあると見た磐田の取った戦略は「それ以上の勢いで攻め込む」こと。あれほどまでに鍛えた走力が発揮できない。ボールをダイレクトプレーで次々と回され、プレスに行ってもボールが奪えない。こんなにもプレッシャーのかかった細かいエリアで正確にボールが回せるものなのか。伊達に王者じゃない、本気の磐田は想像以上の強さだった。局面に強く、とにかく正確。1・2・3・4とゴール正面で密集を回され、グラウにフリーでシュートを許すが、櫛野が気合でセーブ。だが、防いでもその先には、また名波のCK。全く生きている心地がしない。

 流れが来ない。ずっと押しまくられたままだ。
 このままじゃマズい、そう思い始めた頃にまた名波のCK。ファーでフリーになっていた前田のヘディングを櫛野が弾くが、グラウに詰められて先制を許す。グラウのプロレス用(?)のマスクをかぶったパフォーマンスで、派手に煽られる。目の前で観てるから癪に障ることこの上ない、イエローじゃねぇのか?あれは!?
 今までの市原なら、ここでガックリとうなだれていただろう。しかし、今は違う。劣勢でも、点を決められても前を向く気力は萎えない。もう一度落ち着きを取り戻して磐田に向かい合う。

 先制点で、気持ちに余裕が出来たのか、若干磐田の動きが緩くなる。
 そこを突いて、市原が体制を立て直す。羽生・サンドロ・坂本・村井・阿部・勇人の6人の中盤が、徐々に噛み合って来る。相変わらず劣勢には変わりないが少しずつだが、市原がボールが回せる時間が少しずつ増えてくる。反撃を試みるが、いなされ、リードを許したままに前半を終了してしまう。

 ハーフタイム。あまりの磐田の強さに、愕然とした声があちらこちらで聞こえる。ウチだけじゃない、磐田も相当な訓練をずっと続けて来ているのだろう。前半のパス回し、運動量、そして全員の意思統一、あれは一朝一夕のモノじゃない。ウチはまだまだ、やらなくちゃいけない事がある。

 いつもと変わらない時間があるはずなのに、イヤにハーフタイムが短く感じる。
 今度は互いにサポーターに向かって攻め立てる番。ピッチに入って来た両チームの選手たちは、この上なく気合が入った表情だ。残り45分、互いの意地がブツかるだろう事が容易に想像された。

 後半、今度は出鼻から市原が仕掛ける。
 磐田が攻め立てるのなら、それ以上の力で攻め立てること。それが監督の下した指示だった。まるで加速が終わったところから、さらにパワーが盛り上がるターボ付きのエンジンのように、磐田の選手に対して猛烈なプレッシャーを仕掛け、ボールを奪うや全員が一気に攻撃に展開する。
 これまで、相対したチームを飲み込んできた、走力で圧倒する市原本来のサッカーだ。やれるか?どこまで、通用するのか?市原の波状攻撃に磐田は押し返す事が出来ない。遂には、右サイドから坂本が特攻。かつて、彼のデビュー戦で見せたような突破でペナルティエリアに侵攻。これを藤田が後ろから押さえつけて倒してPK。
 蹴るのはもちろん、崔龍洙。
 大歓声に後押しされて放たれたボールは、武藤のループのような滞空時間でふわりとネットに収まった。ヨンスがガッツポーズで飛び跳ねてたみたいだが、その瞬間、スタンドはお祭り騒ぎでなんだか解らない状態。誰彼構わず抱き合い、声にならない声が上がっている。

 「いける、間違いねぇ!」
 確信に満ちて、走り続ける選手たちに声援を送り続ける。尚も攻撃が続くが、磐田も技術と連携力を駆使して反撃を仕掛ける。中盤の厳しいせめぎ合いが続き、イエローが頻発する。
 途切れそうな集中力の中、それでも市原は流れを離さなかった。
 戻りオフサイドで得たFKを茶野が監督の教え通りに素早く前線に送り込む。そこには崔龍洙。一瞬の隙を突いて、ヘッドでゴール前にボールを流すと、そこにはサンドロがまっしぐらに駆け込んでいた。逆転!!
 もうスタンドはなんだか判らない。悲鳴だか、歓声だか判らない声が響き、サンドロコールをしながら抱き合ってぐちゃぐちゃになっている。誰もが、この試合のその先を夢見てしまった・・・その歓声の中、磐田は集中力を失っていなかった。同様に素早いリスタートから、ジヴコビッチのクロスに前田!一瞬の隙を逃さない、王者にすぐさま同点に持ち込まれる。前田は、中山バリにボールを抱えてセンターサークルへ。

 ここまで来ると意地の張り合いだ。お互い、引き分けで終わろうなんて、さらさら思っていない。市原サポからは「アッコちゃん」の大声援が始まる。もうこの歌も、残留争いの苦しさだけを思い出させる声援じゃ無くなった。今度は、チームを一段押し上げる為の応援なんだ。

 残り15分、右から左へ、後ろから前へ目まぐるしくボールが動き、互いに攻撃も守備も限界のところでのプレーが続く。
 ロスタイムに入るところで、ついにオシムが動く。羽生に代えて山岸。この山岸がワンプレー目で磐田DFを切り裂いてフリーの勇人へ・・・しかし、押し込むだけのボールは無常にも足がもつれたかシュートを撃つ事が出来ない。直後、FKからの村井のミドルも、ヴァンズワムが片手でかき出す。
 逆に前田のシュートは、櫛野がはじき出す・・・。

 そしてギリギリのところで闘った90分が終わる2−2。膝に手をつき、がっくりとうなだれる選手たち。ペットボトルを地面に叩きつけ、悔しさを露にする監督。勝てなかった悔しさが、そこにはあった。
 だが間違いなく、自分が観た中で最高の90分。互いの健闘を称え合う両軍が、印象的だった。磐田戦で得た物、それは王者と正面をきって互角に戦えると言う何物にも代え難い自信だ。戦い終え、こけた頬でインタビューに応える阿部が、何時の間にか「主将」の顔になっていた。

 天王山は、痛み分け。勝てた試合を逃し、突き放す事は出来なかった。それでも、首位は首位。我々が有利である事に変わりはない。
 試合前から解っていた事だが、この試合は15試合の中の一試合。そして、何が決まるわけではない。あの時もそうだった。福岡に5−0で勝った99年2NDステージの第14節。あの日も「次に勝たなくては意味が無い」状況だった。市原は、相手が何処であろうと目の前の試合に集中し、そして日頃の鍛錬の成果を出して、勝利するだけだ。

 次の清水戦は、ジェレとサンドロが出場停止。世間は市原にとって厳しい戦いと予想するだろう。たしかに難しい試合になる。けれども、ジェレに代わって復帰するのは最強のユーティリティプレーヤーにして市原の歴史を背負う中西永輔。サンドロの代役にも、山岸・林と言った遜色無い選手が控えている。誰もが、自分の体に刻み込まれた鍛錬の結果に自信を持っている。

 かつて経験し得ない状況のプレッシャーにも、監督は「あえて言うなら、ピッチで起きることについて、私は嫌というほど知っているから簡単だ。経験なら、全員の分を引き受けてもまだ大丈夫なくらいあるよ。」(MASUJIMA STADIUM(http://www.asahi-net.or.jp/~MU2M-MSJM/stadium/daily/new.html)より)と笑って見せる。

 後は往くのみ。我々も声援と言う力で、出来る限りをするだけだ。

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【選手評価】
GK櫛野:気迫のセーブで再三のピンチを防ぐ。2失点は、彼からすればノーチャンスだった。
DF斎藤:前田をマークしたが、失点の場面ではフリーにしてしまった。予想以上に前田はキレていた。技術も気迫もある良いFWだ。
DFジェレ:コンディションが心配されたが、防空とカバーリングで貢献。普段よりは意識を守備に置いていたようで、攻撃参加は少なかった。
DF茶野:グラウをマーク。危な場面もあったが、概ね押さえ込んだ。2得点目の起点となった素早いリスタートは、かつての「茶野フィード」をもはや感じさせない。
MF坂本:藤田とタイマンで勝負し、PKを奪取するなど活躍。守備でも運動量と粘り越しで奮戦した。一方で、同点弾を決められた場面でジヴコビッチをフリーにしてしまい、監督から叱責を受ける。
MF村井:攻撃の起点として警戒され、2枚・3枚で囲まれた。窮屈なシーンが多かったが、坂本のシュートを生んだクロス、終了間際の強烈なミドルなど要所で活躍していた。
MF阿部:磐田の核、名波と対戦。前半は捕まえきれずに苦労したが、後半は一歩も引かずに名波を押さえて正確なパスでゲームを組み立てた。FKの精度がもう少しあれば・・・。
MF勇人:復帰初戦にも関わらず、いつも通りの運動量で中盤を牽引した。超決定機を含む2本のシュートミスがあり、精度に課題を残す。本人が一番に悔しいだろう。
MFサンドロ:強靭なフィジカルを活かして奮闘。磐田のDFにピッタリと張り付かれても、キープ出来る強さは貴重だった。同点弾の場面は最高のタイミングだった。
MF羽生:運動量は豊富だったが、決定機での絡みが少なかった。やや守備に忙殺された感がある。攻撃への関与に課題を残す。
FW崔龍洙:同点PKは完全に相手をナメたもの。それをあの場面で出せるのがすごい。守備をサボらず、サンドロの得点も頭でアシスト。

MF山岸:出場早々、大仕事を為しかけたが。。。

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PBS v.1.01