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ナビスコ杯予選・ガンバ大阪戦 2003年7月18日(金)22時22分14秒 deletemodify

■敗退の決まっているナビスコ杯、それでも平日夜で3,500人と言うのは頑張ったと言うべきか。内容云々とか言うよりも、後半30分頃に阿部が足を引きずり出した時には観客席から一斉に悲鳴。この時点で選手交代を3枚使い切っており、阿部はプレーを続けてしまう。試合終了と共に、がっくりと膝に手をつく阿部。もう磐田戦は阿部抜きかー・・・でんぐり返しは、怪我に響くからやんないでいいからドクターに診てもらえよ・・・って、この時点で気付くべきだったんだが(^^;
 ホントに大怪我だったら、でんぐり返しやるか?普通に考えて。試合後のコメントでは、「足が吊っただけ」とのこと。やれやれ。

 さて、試合内容は「動けないとこうなるんだね」と言うもの。同じ練習こなしてるんだけどなぁ・・・分かっていたけど、こんなもんなのね。
 とりあえず、選手評価のみで。

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【選手評価】
GK岡本:公式戦初出場おめでとう(^^)ここのところ、安定感の増したセービングと、キックの正確さで第二GKに定着していた。正直、立石を押し退けたのはすごい。U-20と合わせ、レギュラーポジションに近づいて貰いたい。試合後のファンサービスは性格か(汗)
DF茶野:調整出場。無難にプレー。結城が投入された後は右WBとしてプレー。
DFジェレ:無難。とは言え、中盤がスカスカなので吉原が入って来てからは、慌てさせられる場面もあった。
DF斎藤:無難。中山悟ぐらいでは、さすがにビクともしない。
MF阿部:一人だけレベルが違う感じ。一人で動きまくって、周囲に疲労蓄積と怪我を心配させていた。足を引きずった時にはマジで血の気が引いた。
MF中島:市原移籍後初得点。だが、プレーはいっぱいいっぱい。持ち過ぎては出し所を無くし、ある意味ファンタジックなプレーぶり。試合後「熱いぞ中島!」コールをされていたが、なんか言ったのか?とりあえず勇人の動きビデオで見て動いてくれ。新婚なんだし、頑張らないと・・・。
MF山岸&村井:ベストメンバー問題の回避のため、24分だけ出場して交代。自分の臨海到着がそれくらいだったので、評価なし。交代時には監督から「明日の練習試合、出すからな」とか言われたんじゃなかろうか(汗)
MF望月:持ち過ぎ。プレースタイルだから仕方ないのかも知れないが、もう少しシンプルでも良いのでは?凡ミスが多いのも気にかかる。
FW林:動きは悪くない。だけれども、最近とみにシュートの正確性が落ちた感じがする。枠に撃って欲しい。
FW巻:真ん中に居てくれ。サイドに流れまくって居て欲しい時に居なくてどうする。それとシュート。このままじゃ、「電柱」すら拝命出来ないぞ。もっと自分を前面に出してボールに喰らいついてくれ。

【交代出場な人たち】
MF楽山:仙台戦ではそこそこ良かったのに、この日は6月に散々見たダメダメな姿に。ボサっと立ってる場面が多過ぎる。判断を早くして、上がるタイミング・パスを受けるタイミングを考えないと使えない。あんまし疲れて無い感じのプレーぶり。
MF結城:攻撃参加は相変わらずタイミングが良く、迫力がある。守備は・・・まだまだスピードに対応できない感じ。肉体派のWBとして使ってみるのも、非常な賭けだが面白い感じもする。
MF工藤:公式戦初出場。トップで言うところの羽生役で出場して運動量もなかなか。交代出場としては十分な力を発揮した。今のチームならば、フィジカル以外では望月よりいい感じもするのだが、そのフィジカルが課題なんだよなとも。

J1st−12・ベガルタ仙台戦 2003年7月14日(月)22時6分53秒 deletemodify

■生半可な覚悟で今の市原に挑めば結果はどうなるか、それは火を見るよりも明らかだ。鍛えられた心身に裏打ちされた、肉食獣の狩りのような「市原のサッカー」が立ち塞がる仙台を殲滅した。

 この日、市原は万全では無かった。
 主将の阿部を出場停止で欠き、またコンビを組む勇人も負傷で出る事が出来ない。チームの「心臓」と「肺」を同時に抉られて、果たしてクオリティを維持することは出来るのか?その不安に監督は、自らの信念をそのまま現した用兵で応えた。
 代役に抜擢されたのは、右WBの坂本とストッパーの茶野。坂本は今季から、何度か同ポジションで起用され、絶える事の無い運動量と激しい守備で結果を残していたが、茶野に至ってはボランチ初経験。もちろん、二人のコンビも(夫婦漫才以外では)初だ。
 この他にも、負傷明けの崔龍洙。お前は、先週のサテライトで怪我したんじゃなかったのかと突っ込みたくなる山岸と、コンディションも不安な布陣となった。
 けれども、監督の方針は単純明快だ。「走れる選手から順に起用する」今日の日が正にそれだった。キックオフ直後から、それがフィールドの中では誰にでも分かる形で表現された。

 心配された天気もかろうじてもった臨海には、前節再び首位に立った事で多くの観客が期待に胸を膨らませ、訪れた。磐田戦のバスツアーの残席が一瞬で埋まり、用意した2,000枚の歌詞カードも、余る事無く捌ける。羽生のマッチデーカードも、「臨海魂」のうちわも、そしてスタメン表すら瞬く間に無くなり、スタメン表を貰えなかった観客が人だかりを作る騒ぎとなった。
 長く臨海で試合を観ているが、こんなポジティブな混乱は初めてだ。

 ビッグフラッグが展開され、明日へのマーチに無数のタオルマフラーが掲げられ、キックオフの増えとともに、紙テープが投げ込まれる。さぁ、ここからが未体験の世界だ。

 鎧袖一触、市原の選手達が仙台に襲い掛かる。
 前節、柏を粉砕した激しいプレスは健在。茶野と坂本のボランチも、まずは守備から積極果敢にプレスを掛けていく。仙台は、3ボランチ気味にシルビーニョ・森保・阿部敏を配置するが、運動量と局面のフィジカルに勝る市原は仙台陣内で次々にボールを奪い、チャンスに繋げていく。
 3分、サンドロが左サイドから目の覚めるようなレーザー砲のようなシュートで仙台GK高桑を強襲。これは得点に至らないものの、これを号砲にさらなる攻勢を強める市原。

 息つくヒマも無い連続プレスに仙台の集中力が緩む。
 16分、小村→阿部敏と戻したパスに羽生が猛然とプレス。焦った阿部敏は、小村に戻そうとするが、焦って出したボールは小村を越えて崔龍洙の足元へ。抜け出た崔龍洙が冷静にGKの位置を見定めてゴール。あっさりと先制点を奪う。
 さらに、22分。ゴール前、30m強の位置からのフリーキック。これくらいの位置からの場合、大体は早いリスタートで相手を撹乱するのが今のチームの定石だが・・・ボールの前には崔龍洙。その早いリスタートがやり直しになったためかドンとボールを置いて、相手の壁をどかしている。狙うつもりか?振り抜いたボールは、低い弾道のカノン砲となってGK高桑に。まるで、キャプつばか何かを見ているかのように、高桑は強シュートの勢いに押されて抑える事が出来ない。こぼれ球に羽生が突っ込んで、追加点。オシム監督も、崔龍洙のアイデアとそれを実現する馬鹿馬鹿しいほどのパワーに、ただ笑うしか無かったほどだ。
 その2分後にも、羽生の折り返しに残っていたジェレが当たって3点目。だが、足は止まる事は無い。「その次」を求めて走り続ける。

 仙台は、前半に関しては完全に中盤を試合支配されて何も出来ない。
 茶野・坂本も、特に守備で持ち味を発揮して良く持ちこたえている。2回だけ、財前がボールを持ったときに誰もプレッシングに行かない場面があったが、それもしっかりと潰している。
 このまま3点差で後半かと思った矢先、最前線のプレスから崔龍洙→山岸と繋がってさらに加点。前半だけで4点差をつけて仙台の息の根を止める。

 後半、仙台もようやく落ち着きを取り戻して攻撃。
 市原もこれだけの点差が付いた事で少し気持ちが緩んだか、仙台の動きを許してしまう。仙台の攻撃を引っ張ったのは、言わずもがな「臨海の牛若丸」寿人。棲み慣れたホームで、徐々にギアをトップに入れる。10分過ぎ、センターサークル付近でボールを受けると、そのまま単騎ドリブルで突破して得意の左足でシュート。これは僅かに外れるが、鍛え上げた守備網を切り裂く日本刀の如き鋭さは、健在。自分から仕掛ける強さも身につけたようだ。来年の復帰が楽しみ。
 この後、シルビーニョが倒されたPKを寿人が沈めて失点。

 だが、市原も守りに回る事は無い。15分、20分、25分と過ぎても相対的な運動量は仙台を上回りつづける。
 駄目押しは30分過ぎ、左に開いた坂本のクロスを崔龍洙が頭で沈めて5点目。仙台の心を完全に挫いた。その後すぐに、リーグ戦初出場の楽山と林を投入。また、立て続けに望月も投入してプレッシャーと緊張感を与える。いずれの選手も「勝負」の姿勢を忘れる事無く、果敢に勝負を仕掛けていく。
 残り15分は、このフレッシュな力にも支えられて崔龍洙が5本のシュートを放って2本を枠に当てる猛爆ぶり。危なげなく時間をつぶして、勝利を収めた。

 こう言う試合でいつも負けていたチームとは明らかに違う、芯の太さを強く感じた。8,971人と言う入場者数ではあったが、この日臨海に足を運んだサポーターは、チームが変わったことを改めて強く感じただろう。
 声援に応える選手達に、フラッグが打ち振られ大きなコールが起こる。正に、それは理想とする情景そのものだ。

 「かつて」チームを野次る時に決まって言う言葉があった。「相手より走らないで勝てるか!」と、でも当たり前のように思ってそれが一番難しい事ではなかったかと今更ながらに思う。愚直に、やるべき事をこなし、その中で初めて自分たちの技と想像力を如何なく発揮する今のチームの姿に、これまでに無い大きな流れを感じる。
 Jが始まる前Jが始まった頃、もっと技術は低くても、こう言う愚直なプレーに自分は魅せられていたのではなかっただろうか?泥臭くボールを追いかける全力のプレー。技術はその上にあった。
 Jが出来たのは代表をW杯に送り込むため。それが叶い、自国W杯が開催され、協会会長の専横を許し、代表が何もしなくてももてはやされる時代になった。海外移籍組ばかりが取り上げられ、それを支えている自国リーグに向けられる目が少なくなった。
 その中で、今の市原が見せる「当たり前の事」は日本サッカー全体にとって、大きな意味を持つのではないだろうか?

 賽は投げられた。
 次は、王者磐田だ。百戦錬磨の磐田が強い事など分かりきっている。出場停止選手や怪我人が居ようが居まいが、この王者はそんな苦境を何度も乗り越えてきている。老練で、執念深く、勝利への渇望に溢れた素晴らしいチームだ。
 そんなチームに対して、市原は何も失う物など無い。普段着のサッカーを、磐田でもやるだけだ。やるだけの事はやった。あと一体、何をやれと言うのか。一つだけ磐田を市原が上回っているとすれば、それは一つの勝利、一つの勝ち点、一つの得失点差の持つ意味だ。磐田には分かるまい、その一点が持つ重みを。その一点が無ければ、チームが消えていたかも知れないという想像を絶するプレッシャーを。優勝できなかったからと言って、チームが無くなるか?そんな想いを感じた事は無いだろう。

 茶野・阿部・立石・永輔と、その戦いをくぐり抜けてきた選手達が居る。
 その戦いの間に、無念にもチームを離れた選手達がたくさん居る。その積み重ねがあって、今の市原がある。どうして今、それを忘れて闘えるだろうか。
 1999年の残留戦でチームを救った武藤が去った。せめて永輔に、11年半の歳月を市原に捧げた永輔にタイトルをやらないでどうするんだ。選手は口には出さないだろうが、「勝ちたい」気持ちは何処よりも強い。
 磐田に勝って、その先を拓く。タイトルも、再び地元に愛される市原・千葉も。本当の意味での、「天王山」だ。

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【選手評価】
GK櫛野:1失点は止む無し。仙台の難しいシュートをかき出して、リズムを与えなかった。相変わらずキックの精度は不安定。
DF斎藤:山下をマーク、完全に消した。機を見た攻撃参加も。
DFジェレ:寿人をマーク。ミスマッチではあったが、周囲との連携で無難に抑え、さらにセットプレー崩れから1得点。寿人の4人抜きは、寿人を誉めるべき。
DF永輔:リベロに入って、読みを活かしてピンチを未然に防いだ。イエローカードは非常に惜しいプレー。闘志が空回りしたのだろう。
MF茶野:ボランチ初先発。財前について、中盤からの球出しを封殺した。「守備8割」のはずが、攻撃にもしばしば顔を出した。
MF坂本:勇人の代役以上の働き。運動量と守備が素晴らしいだけでなく、攻撃にも積極的に絡んだ。崔龍洙の2点目をアシストしたクロスも精度が高かった。
MF村井:再三クロスを放り込み、攻撃で仙台の右サイドを機能停止に追い込んだ。
MF山岸:相手に岩本が居なかったのでやり易さもあっただろうが、阿部敏・根本に対しても引けを取る事が無かった。前半終了間際の得点も、さすがに元FWの落ち着きを感じさせる。
MFサンドロ:前半3分、強烈なキャノン砲で観客のド肝を抜く。その後も普段通りの運動量と強靭なフィジカルで貢献。ただ、ミスパスやトラップミスが目に付き、正確性にはやや難が残る。
MF羽生:仙台には化け物のように映っただろう。桁外れの運動量と戦術眼で攻撃を牽引。崔龍洙のFKに詰めたプレーも、かなりの距離を走ってきている。
FW崔龍洙:攻撃面のMVP。4得点に絡み、シュート12本で、ポストに当てたものも2発。仙台を粉砕した。羽生の得点をお膳立てした30m強の弾丸FK、コントロールされた繊細なシュート、山岸の得点を導いた絶妙のトラップと、パス・・・FWとしての才能を如何なく発揮して完全復活を宣言した。

MF楽山:村井と交代。リーグ戦は初出場だが、練習の時よりも積極的に勝負を仕掛けていた。仙台が散々走らされて疲れたせいもあるだろうが、技術の高さを端々に見せて合格点の動き。
FW林:サンドロと交代。スピードは相変わらず脅威で、林投入後にマークの外れた崔龍洙のシュートラッシュがはじまった。
MF望月:本当は羽生と交代する予定だったが、山岸が若干痛んだので山岸に代わって出場。監督のコメントを読む限り、「守備の選手では無い」との事で今後もトップ下での起用となりそう。キープ力を活かして前線の起点となり、安定したプレーだった。

J1st−11・柏レイソル戦 2003年7月8日(火)0時56分50秒 deletemodify

水曜日のガンバ戦は2−4の惨敗。敗戦を肯定する事は出来ないが、この試合があったからこそ、今日の試合への集中力が高まったのではないだろうか。市原は、崔龍洙と言う絶対的なエースを負傷で欠き、尚且つリーグ戦では初めて挑戦する変則4バックと言う難しい状況の中で、自らのサッカーに自信を持ってプレーし、そして勝利した。
市原が崔龍洙と言う存在に頼りきったチームではなく、その強さがチームとしての強さである事を示した意味でも、価値のある一戦だった。


リーグ再開緒戦と言う事もあり、中断前の好調さに期待を大きくしていたサポーターは正に一日千秋の思いで今日の日の戦いを迎えた。日立柏に集まった市原サポの多さが、その期待感の多さ、自らのサッカーへの信頼と支持を表現していた。その期待に応えるべく、中断の期間の市原は、川淵日本がフランスで貴重な時間を浪費する中、幸いにして代表に戦力を奪われる事無く、自らのサッカーを高める事に集中していた。
柏には悪いが、これ以上無いほどの鍛錬の連続によって身につけた基本能力、チームとしての一貫したコンセプト、そして心の強さがピッチで鮮やかなコントラストを描いた一戦だったと言えるだろう。

点差こそ、明神・薩川・南の頑張りと、サンドロのシュートが精度を欠いた事で開かなかったが、試合内容は京都戦に等しい柏にとって凄惨極まりないものだった。

布陣から振り返ろう。
市原は、MF登録の永輔が試合開始と共にバックラインへ。彼が一枚余る形でリベロに入る。その前では、柏のマルシオ・ジュシエ・玉田の3トップに対して斎藤・茶野・ジェレがマークにつく守備体系を敷く。しかしながら、展開によっては最低限必要な人員を残して、極めて流動的にDFが攻撃に絡んで行く、システムに縛られない柔軟な布陣。
中盤より上では、阿部がリカルジーニョをケア、羽生がシャドーに入り、サンドロが動き回りながらワントップを務めている。このため、中央に明確なターゲットは無く、クロスボールが流れたり、ボールが収まらないシーンが目に付いたが、選手が違うのだから仕方が無い。サンドロは崔龍洙の代役としての動きもそうだが、より積極的にDFの裏を突くことを意識した動きを行なって別の形で貢献していた。

対する柏は怪我人が続出。埋め合わせは、若手ばかりでダイジェストの選手名鑑片手で無いと、顔と名前が一致しないような野戦病院状態。数年前の市原を髣髴とさせるような、売り出し中の若手と、やや年齢の若い外国籍選手の組み合わせ。
前述のFW以外では、DFは昔々山口智(@ガンバ大阪)に率いられたバックラインのような感じで、まだ息苦しいような圧迫感は無い。

開始時から、市原の優勢が明らかになる。
まず、寄せの早さが全く違う。前線から、サンドロ・羽生・勇人らが2枚3枚と柏のボールホルダーに対してプレッシャーをかけて行く市原に対して、柏は完全に後手を踏む。考える時間すら与えない。常に数的な優位を作って囲い込みをかけるから、柏はパスの出し所を失って、奪われるか、可能性のないパスを前線に出すばかり。
さらに、局面での1対1に完全勝利。
寄せられると簡単に倒れる柏に対して、粘る粘る。倒れても、ボールを弾いて味方に繋ぐ。明確なフィジカルの差の前に、柏は無様な見苦しいアフターチャージを繰り返すばかり。もう少し審判が積極的にイエローを出していたなら、もっと多くの退場者が出ていただろう。
そして、鍛えに鍛えたスタミナ。時間が過ぎるにつれて、柏との差が開いていく。涼しい気候にも味方され、60分、75分、90分・・・時間が経っても相対的な運動量で常に優位に立っている。

かくして、日立台は完全に市原が制圧。
前半21分に勇人が阿部のFKから先制。さらに後半8分、阿部がフィジカルの強さを存分に活かして、明神・永田をブチ抜いてドリブルシュートで追加点。生え抜きの二人の活躍で、柏の息の根を止めた。

この後、柏の矢澤が退場。当然オシム監督は、より完全な勝利を求めて攻撃的シフトを強める。疲労の濃い柏を追い込んで、サンドロが再三ゴールを強襲するも、ことごとくGK南とDF薩川、そして枠に阻まれて加点できない。
さらにFW巻を投入してターゲットを作り、あくまで3点目を狙うが、結局追加点は奪えず終い。「獲れる時に獲る」事を実践できずに、タイムアップを迎えてしまった。快勝は快勝だが、ツメは甘かった。

・・・とは言え、勇人・阿部がゴールし、サポーターにハイタッチで応える勇人にスタンドは大盛り上がりだ。力強く戦うチームの成長が、何より嬉しい。

磐田が鹿島に破れ、再び首位に立った。
監督はとぼけて見せたが、サポーターもある意味同じ気持ちかも知れない。上位は混戦。1試合の結果で順位は簡単にひっくり返る。今は、自信を持って一試合・一試合を戦うだけ。
次は臨海。阿部は累積警告で出られないが、例え崔龍洙・阿部を欠いたとしても、それに代わる選手も同じだけの練習を積んできている。それだけの鍛錬をした選手が他のドコに居ると言うのか?相手が寿人でも、それは変わらない。次の仙台戦も、集中した戦いを見せてくれるだろう。

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【選手評価】
GK櫛野:出番は少なく無難に完封。激しいトレーニングにも、キックの精度は相変わらず(汗)
DF茶野:玉田をマーク。振り切られる場面も無く無難。
DF斎藤:マルシオをマーク。相手が汚かったが、問題無く完封。
DF永輔:攻撃参加はさほど多くなく、2列目から飛び出してくるジュシエを防いだり、カウンター対策要員としてDFを締めていた。
DFジェレ:守備だけでなく、機を見た攻撃参加も多々。ジェレが攻撃に絡むと、マーカーがずれるので必ずと言って良いほどにチャンスになる。
MF阿部:ドリブルでの1得点、勇人の先制点を導いたFKは言わずもがな。それよりも、体を張った守備とサイドへの正確な展開が目に付いた。
MF勇人:相変わらずの運動量で前線からのプレッシングの中心となる。1得点は幸運も味方した。
MF坂本:再三攻撃に絡んだが、クロス・シュートに精度を欠く。
MF村井:相手が近藤と言う若手選手。久々に存分に抉り、撃った。崔龍洙が居れば2アシストは出たかも知れない。
MF羽生:ボールの受け方が上手くなった。今日はプレスと、繋ぎ役に徹する。
FWサンドロ:動きは良い。後は決めるだけ。今日や京都戦の出来は、磐田戦での爆発の為に溜めているのだと思いたい。

FW巻:流れないで良いからまん中にいて、シュートを撃て。
MF山岸:消極さが見え隠れ。残り時間を考えての投入ではあったが、もう少し攻撃に関与できたのでは?

6/28(土)・練習試合・ルミノッソ狭山戦 2003年6月29日(日)2時4分8秒 deletemodify

■17時・姉崎
市原8(3−0、3−0、2−0)0ルミノッソ狭山

【1本目】・3−0
GK岡本、DF野本・永輔・結城、ボランチ長谷部・中島、
左WB楽山、右WB金位漫、OH工藤、FW金東秀・拓土

得点者:
市原:4分・拓土(PK)、7分・永輔、35分・金東秀(金位漫)

市原:SH06/CK05/FK03/GK00/PK01/OFF00
狭山:SH02/CK01/FK04/GK02/PK00/OFF00

【2本目】・3−0
GK櫛野、DF結城・ジェレ・斎藤・永輔、ボランチ中島
左MF楽山、OH望月、右MF山岸、FW巻・林(16分:金位漫)

※4バック、中盤はダイヤモンドの試験布陣
※林負傷退場後に、金位漫が右に入り山岸がFWへ

得点者:
市原:24分・ジェレ(金位漫)、30分・巻(PK)、35分・OG

市原:SH11/CK05/FK06/GK06/PK02/OFF01
狭山:SH06/CK02/FK05/GK05/PK00/OFF00

【3本目】・2−0
GK高木、DF小林・斎藤・坂本、ボランチ阿部・勇人、
左WB村井、右WB山岸(37分・野本)、OHサンドロ・羽生、FW崔龍洙

※野本投入後、野本が右ストッパー。坂本が右WBに。

得点者:
市原:1分・羽生、7分・永輔、31分・小林(坂本)

市原:SH13/CK06/FK06/GK00/PK00/OFF01
狭山:SH02/CK00/FK05/GK08/PK00/OFF04


■再開前の最終調整試合。3本に分けて行なわれたTGは、それぞれに試行を採り入れながら仕上がりをじっくり試す展開となった。

1本目は、ほぼ完全なサテライト。
中盤の運動量が少なく、また1対1で勝負出来る選手が少ないために、前が詰まったような煮え切らない展開になる。時折、拓土や金位漫の突破からチャンスになるが、連動した動きが無いためにフィニッシュに至らない。
得点は3−0で勝っているが、1点目は取らなくても良さそうなPK。2点目も、永輔のクリアボールのような球を相手GKがトラップし損なって流れて入ったお粗末なもの。だから、流れから奪ったのは金東秀の1点だけだ。これは、右を突破した金位漫のクロスにダイレクトで合わせた綺麗なシュートだったが。

目立った選手は居なかったが、金東秀がポストやボールの受け方に崔龍洙で見たような動きを見せてくれた。比べるべくもないが、近くで見ているだけにプレーが似てくるのが面白い。

2本目は、4バック1ボランチ。オプションだろう。
ただでさえ動かない中島の1ボランチでは中盤が安定する訳も無く、むしろポイントは両SBの攻撃参加や、トップに入った巻のプレーぶりだったが、どちらも期待通りには行かなかった。SBに関しては、ボランチからのボール供給をはじめ、攻め上がりを促すような動きが無いために全く攻め上がれない。巻は運動量と敏捷性が足りないので、起点になりきれない。中盤は前がかりで渋滞状態。
14分に、林が抜け出したところを倒されて山岸がFWに入ってからは裏も狙えなくなって攻撃は厳しい状態に陥っていた。ちなみに、この林のプレーでPKを得て巻が蹴っているが、大きなモーションでフワリと蹴って外している。決めたのは2本目の、市原側のファウルにも見えるPK。

この2本目でも、結局形は作れず終い。
流れの中の得点が、攻撃参加したジェレのヘディングシュートと言うあたりで、展開が読めるというもの。これでボランチが阿部、オフェンシブに村井(左)・羽生(中)・坂本(右)あたりが並ぶ布陣ならば全く違う展開になっただろうが。ともかく、この2本目のメンバーでは機能しているには程遠かった。

3本目。GK・DF以外はレギュラー陣が登場。やっぱり全く動きが違う。
一人がボールを持ってからの動き出しが早い。スペースを作って、そこに別の選手が飛び出す。その繰り返しが有機的に出来ている。キックオフの瞬間から、羽生が自動追尾ミサイルのように相手のボール保持者に向かって行くあたりからして全く違う。
1分に、羽生の(たぶん狙っていない)ドライブ回転のシュートで先制すると、後はパス回しの練習のような感じ。ゴール前を固めるしかない狭山の選手で前が渋滞しているので、シュートは打つものの中々点にならないが、シュートを打つまでのアプローチが実にスムーズだ。
サンドロ・羽生・阿部・勇人で作る中盤のスクエアの中にボールが入ると、すぐに市原ボールでパスが回りだす。2本目で動きの悪かった山岸も、つられて活き活きと動き出すから不思議だ。
崔龍洙は徹底してポスト。サンドロや羽生が、2列目から切れ込んでシュートを狙う。追加点の小林のヘディングも、ペナルティエリアの中でキープしていた羽生が後ろに戻した所にストッパーの坂本がフォローしてクロス。さらにそれを、ストッパーの小林がヘディングと言うシュートだった。この時、誰がDFカバーしていたのかと突っ込みを入れたくなるが、攻撃の自在さを象徴していると言えるだろう。

最後は、CK・FKで本来のキッカーである、阿部・村井を試して調整終了。
点はあまり入らなかったが、中身のある3本目だった。


・・・それにしても、姉崎に足を運ぶサポーターの多くが感じている事だろう、サテライトとトップで大きな差がついた。チーム全体としては、多くの練習を通じて体力的なもの、戦術理解は進んでいるので、春よりも大幅にグレードアップしているが、その中にあってもレギュラーメンバーの動きは目を見張るものがある。そして、日を追うごとにその差はサテライトの選手たちとますます広がって来てしまっているようだ。

特に中盤でその差は大きい。
前述のサンドロ・羽生・阿部・勇人に、WBの村井・坂本を加えた6人に続く選手が、望月・山岸と言ったあたりで、その後ろは横一線と言うか・・・現状で使うと、明らかにスペックが落ちる状態。ここにユーティリティとして永輔、怪我で離脱している大柴あたりが絡んでこない戦力的に正直厳しい。阿部・サンドロは累積でイエローが2枚。磐田戦で欠ける可能性も十分に考えられる。

だからこそ、準レギュラーの選手には今以上のアピールを求めたい。
武藤が居ない今、頼れる選手は限られているのだから。

6/15(日)・練習試合・東洋大学戦 2003年6月16日(月)2時25分45秒 deletemodify

■17時45分・臨海
市原8(3−0、5−0)0東洋大学

【前半】・3−0
GK立石、DFジェレ・茶野、ボランチ阿部・勇人・中島、
左WB村井、右WB坂本、OH望月・羽生、FWサンドロ

※2バック。時間帯によっては、4バック気味の時も。中盤は流動的。

得点者:
市原・32分・サンドロ(PK)、44分・中島(サンドロ)、44分・阿部

市原:SH09/CK02/FK08/GK02/PK01/OFF02
東洋:SH01/CK01/FK07/GK08/PK00/OFF02

【後半】・5−0
GK高木、DFジェレ・茶野、ボランチ阿部(C)(20分・野本)・勇人・中島、
左WB村井、右WB坂本、OH望月・羽生(20分・工藤)、FWサンドロ(20分・金東秀)

得点者:5分・サンドロ(望月)、6分・勇人(望月・サンドロ)、7分・サンドロ(阿部)、21分・金東秀(村井)、42分・野本(坂本)

市原:SH12/CK07/FK11/GK01/PK00/OFF03
東洋:SH01/CK00/FK05/GK06/PK00/OFF01


■休む間もなく、東洋大学との練習試合。
サンドロ・ジェレも加わり、どちらかと言うとこちらがトップメンバーか。動ける面子が揃っているから、良い試合を期待したのだが・・・。ん?2バック?時間帯によっては、村井&坂本が下がって来て4バックにも見えるのだが、相手が大学生じゃ下がって守る場面も少ない。結局2バック状態での戦いになった。

中盤は阿部が中央で指揮っているが、例によってポジションチェンジが激しくて誰がドコと杓子定規な感じは無い。中島と望月が、レギュラー陣の中に埋もれてなんとなく違和感がある。動けるメンバーの中に動けないのが混じってる感じだ。

試合が始まると、さすがレギュラー陣主体なだけあって、動きの量と質が違う。
動いて、周りの動き出しを促し、次々とキープした選手を追い越して選手が前線に駆け上がっていく。疲れか、もしくは望月・中島が混じっているせいか、微妙に噛み合わない場面があり、決定機はほとんど作れないが実力差があり過ぎる。いつものジェフだ。
どうしても前の試合と比較になるが、とにかくサンドロ・羽生・勇人・坂本・阿部ら、動ける選手の存在は大きい。サッカーが根本から違う。
しかも、彼らにつられて、これまでの練習試合やサテの試合であれだけ動かなかった望月の動きがかなり良くなって来ている。まだ、独り善がりなところや、動いてほしい時に一歩足りない場面はあるものの、確実に顔を出す場面が増えていた。噛み合い始めた後半には2得点に絡み、他にも惜しい場面を演出するなど、昨日より確実にいい動きだった。

また、動きが良かった選手と言えば村井だ。
前半はそうでも無かったが、後半になると周りの選手とのコンビネーションを駆使して左翼でフリーの場面を何度も作って深々とサイドを侵攻。切れ味鋭いクロスを何本も送り込んでいた。綺麗な村井のクロスって久々な感じがする。昨日・今日と攻撃が右に偏っていたので、新鮮な感じがした。

さて、試合展開は単調な前半序盤戦から徐々にリズムを上げていく流れ。30分くらいまでは最前線で4人の選手が横一文字になって待っているような工夫に乏しい展開。これじゃ不味いと思い始めたのか、サンドロのオマケっぽいPKから徐々に攻勢を強める。前半終了間際にようやく2点を加点。
さらに後半に入ると、両翼の攻撃を主体に、サンドロ・羽生らの強引な突破も絡めてゴール前のシーンを量産する。
4・6・7分と立て続けに3点を奪って畳み掛ける。前半44分の2ゴールと合わせると10分間で5得点を奪ってる計算だ。
前述の望月が絡んでる場面が多くなり、完全なワンサイドゲームになる。加えて、人数をかけるべき局面では、暇を持て余していたジェレや茶野も攻撃に絡んでくるから東洋大的には厄介だ。

ダレそうになる展開だが、ピッチでは絶えず坂本が大きな声でチームを鼓舞する。キャプテンマークは阿部だが、司令官は完全に坂本。声の大きさと、真剣さが周りとまったく違う。昔、ボランチをやった一三を思い出す、チープな表現だが「闘将」ぶりだ。

6−0となった、後半20分に予定通りの選手交代。
サンドロ・阿部・羽生に代わって、金東秀・野本・工藤を投入。キーマンを外して、どこまで出来るかテストに入る。すると、代わりッぱなの21分、村井のクロスに金東秀が電光石火で合わせて追加点。
その後も、阿部が抜けたことでサイドチェンジと言うダイナミズムが無くなったものの、勇人・坂本・金東秀などが次々にシュートを放つ。無難な展開だ。野本も、この試合では昨日ほどではないが村井を追い越して左からクロスを上げる場面も見せ、ソツ無くこなしている。工藤も、羽生ほどでは無いが、まぁまぁの運動量で前線をかき回している。
気になったのは、高木の危なっかしいボール扱いくらい。ちなみに、高木は展開的にやることが無くて、コーチングにも覇気が無い。

得点の締めは42分。
左から攻撃参加した野本の強烈なシュートがバーに当たって跳ね返った流れから、坂本がクロスを上げ、最後は野本がふわりとしたヘディングシュート。これが決まって8−0とした。

なんだかんだで、良く走った90分。そして、ザスパ戦を戦った組との大きな差を感じる戦い振りだった。動ける選手が居るのは、ウチのサッカーではそれだけで武器だ。これからは、この「動ける選手」をどう増やしていくかが課題になってきている。
ようやく頭を切り替えてきた(?)望月、フィジカルの欲しい工藤、クォンと比べると全部がロースペックだが、判断の良くなってきた野本など、この2日間で可能性を見せた選手には特に今後も期待したい。

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【選手評価】(目立った選手のみ)
GK高木:危なっかし過ぎる。暇すぎて一人相撲。
MF阿部・勇人・坂本・羽生・サンドロ:いつも通り、よく動いた。やはり彼らが居る・居ないでは全くサッカーが違ってしまう。
MF望月:だいぶ動けるようになった。投げやりなパスなど、独り善がりなプレーもあるが、動いてボールを貰う意識が浸透してきた。この組に入ったのは、そう言う意識付けの為だろうか?
MF村井:スロースタートだったが、後半かなり左を抉る。金東秀のアシストや、ミドルを放つなど、フッ切れて来た。
MF坂本:コーチングが相変わらず目立つ。彼の居る・居ないでピッチ上の緊張感が違う。また、時間が過ぎれば過ぎるほど反則のようなスタミナで動きが速くなるように感じる。


・・・週末の連戦お疲れ様・・・と思っていたら。
明日16日はOFFなものの、17日から3日間また練習試合の嵐。すげぇ、オシム監督。
ええ、もちろん午前練習もアリで。

※※6/15・ザスパ草津戦、6/14慶応大学戦は「過去記事」の方に格納されてしまったので、そっちを見てみてください。

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