GAME REPORT

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J2ND−10・ベガルタ仙台戦 2003年10月20日(月)23時19分13秒 deletemodify

■前節で首位攻防戦に敗れた市原。この一戦は、優勝争いに喰らいつけるか、重要な意味を持つ一戦だった。久々の仙台は異様な、それでいてよく知っている雰囲気。いつもながらに仙台サポは多いが、何か不安・期待・焦燥の入り混じったような空気が流れている。J1残留争いと言う、かつては市原がその常連だった戦いの渦中に今の仙台はあった。聞こえてくる声も、楽観するもの、厳しいもの、様々。
遠征仲間と離れて、仙スタの周りを巡る間、その様子を第三者として眺めていた。

仙スタは、蘇我スタの参考にもなったスタジアム。もう何度も来ているがサッカーを観るには最高の環境だ。スタジアムと、多くのサポーター。1年半後には出来上がる新しいスタジムの事を考え、その姿と残留戦線のコントラストが、なんだか市原の過去と理想に重なって見えた。

その雰囲気をもっと味わいたかったのだが、スタジアムに入ってそれは不可能となってしまう。今年かららしいが、まるで「檻」のようにスタンドが区切られている。市原サポーターの席は、3ブロックほどしかない。仙台側に土産を探しに行こうにも、コンコースも完全に区切られ、その一部しか行き来する事が出来ない。駒場や、万博でさえもう少し行き来が出来たりスタジアムならではのものが味わえる。遠くから来たのに、なんだか騙されたような気分だ。
トラブルを避けたい気持ちは解るが、相手サポーターの気持ちを考えた運営は出来ないのだろうか。極力相手サポーターを排除する自チームのサポート策だと言うのなら解らないでもないが、それにしてもひどい。市原応援席は鮨詰め状態。
・・・そのおかげで、団長の声が行き届くのは副産物ではあったが。

スタジアムの95%は仙台サポ。



紅葉のように染まったスタンドを相手に、10節が始まる。
怪我が心配された阿部ちゃんも先発。兄弟対決に燃える勇人も注目されていた。DFは、真ん中に永輔を置いてジェレと茶野が脇を固める。永輔が真ん中に入るのは、大きな外国人FWが居る時だけかと思ったが、監督の意図はそうでも無いらしい。また、FWには負傷のサンドロに代わって、今日も林が入った。

対するベルデニック仙台。中盤のオフェンシブには左に寿人、右に望月。
清水前監督時代以来の4バックだ。試合序盤から、強烈なプレッシングを仕掛け、市原の動揺を狙ってきた。なるほど、ベルデニックが監督だけあって、その動きは以前の仙台と比べて整然としている。
ボールを持った市原の選手には、2枚・3枚とプレスが来る。1STのように柔らかい腹はなかなか見せてくれそうに無い。勢いに押され、決定的では無いもののシュートに至るのは仙台。市原は、崔龍洙が予想通り封じられてチャンスを作り出せない。

ただ、引っ掛かりがあったのはこの序盤まで。
最初の仙台の攻勢を受け止めると、猛然と反撃が始まった。相手のFWを押さえ込み、中盤を制し、次々と仙台陣内に攻め込む。市原のプレスの前に仙台のパスが緩く、不正確になると、たちどころにマイボールへと取り返す。完全なハーフコートマッチになった。
この攻勢を支えたのが、阿部・ジェレ・永輔のDF陣。読みとフィジカルを存分に活かして、仙台からボールを奪いまくった。

しかし、一方的な攻勢にも得点の気配はほとんどない。
侵攻しても、最後の最後でフィニッシュに至らないか(何度クロスが誰にも触れずに通り過ぎたか)、ゴール前でごちゃごちゃした仙台DF陣に引っ掛かってしまう。もやもやとした雰囲気の中、崔龍洙が判定にキレる。主審は柏原。いきりたつ崔龍洙を仙台サポーターが煽り、林が必死で止めに入る。
市原としたら、仕留め損なったフラストレーション。
仙台にしたら、KO寸前でフラフラとコーナーに戻った、そんな感じのハーフタイムだろう。

こんな流れながら、先制点が仙台に転がり込むのだから面白い。
後半10分。後半アタマから投入された岩本がゴール正面35mの位置から強烈なフリーキック。空気を切り裂くような一撃に櫛野は触る事すら出来ずに(・・・ってか、あんな直球ちゃんと弾けよ(涙))ゴールに突き刺さった。仙スタ、ほぼ全員総立ち。紅葉の落ち葉が風で舞い上がるかのように、大歓声とベガルタゴールドの大乱舞となった。これほど、アウェイを感じた瞬間もそうそうない。

ただ、あまり先制点に焦りも無かった。
ベガルタが市原と同じ弱さを持っているなら、この後起こるだろうことも予想できたからだ。すなわち、1STの磐田戦のウチと同じ、得点直後のスキだ。
試合展開は圧倒的な市原ペース、それは失点後も変わらない。さらに攻勢になった市原は、仙台をゴール前に張り付かせる。ジェレや永輔までもが攻撃参加し、8〜9人で攻撃を仕掛ける。そして、5分後、案の定勇人の同点ゴールが決まった。

これで、ベガルタは勝ち点1の奪取にアタマが切り替わったのだろう、ますます守備的になった。なかなか打ち壊す事は出来ないが、かといって失点の気配は微塵も無い。
次々と波状攻撃を仕掛け、阿部のFKが左右から襲い、シュートがバーやポストを叩くあと少し・・・と言うチャンスが続く。
ところが、決まらない。崔龍洙があと一歩のチャンスを外してしまう。FKも思慮無く蹴っては壁に当たり、リズムを欠く崔龍洙。悩むエースに少ないジェフサポが必死に声を枯らすが、それも仙台サポの声援にかき消され、どれだけ届いたことか。なんとか、崔龍洙に点を取らせて勝ちたかったが・・・結局、ギリギリまで待って監督は2トップを巻・山岸に代えると言う決断に出る。

これが、吉と出る。シュートに焦っていた崔龍洙の代わりに入った巻は、弱った仙台相手にポストを確実にこなし、さらに山岸は懐の深いキープ&ドリブルでボールを運び、チャンスを演出した。
そして、後半42分。セットプレーの流れ球を巻が頭で流し、それを再び勇人が頭で合わせて逆転。静まり返る仙スタ、響くジェフサポの歓声が、この一点の大きさを示していた。残りの時間、仙台も攻めようとするが守りに使わされた体力が戻るわけも無く、時間を使い切って勝利。辛勝だったが、今後に繋がる大きな一勝だった。

試合後、ヒーローインタビューを終えた勇人がサポーター席に戻って挨拶。投げ込まれた「勇人&寿人」のTシャツを着て笑顔で引き上げていった。



次は、1STで勝ちきれなかった磐田戦。勇人は、きっと悔しさをぶつけて活躍してくれるだろう。
試合後、監督は「しっかり勝てたと評価」。
攻めあぐねたが、やりたい事は出来てきた。後は、それをどのレベルの相手とやっても発揮出来る事。1STに激戦を演じた磐田は格好の試金石になる。良い試合だけでなく、結果を次節は期待したい。

すっかり静かになった仙台スタジアム。
夕闇に寒くなったスタジアムの周りに、疲れてうな垂れているサポの姿を何人も見かけた。残留戦の厳しさだが、それを乗り越える事が出来れば、もう一段仙台は強くなれるはず。相変わらず仙台には、若者だけでなく家族連れやおじさん・おばさんまでベガルタを好きな人が溢れている。その灯を消さないでベルデニック監督を信じて頑張って欲しいと思った。ベルデニックによって組織された仙台は、たしかに難敵だったのだから、そうそう負けはしないだろう。

他のチームと市原が唯一違うとすれば、ベルデニックによって作られたチームは決して油断出来ないと、試合前から解っていた事だろう。

10/5(日)・サテライト・アルビレックス新潟戦 2003年10月5日(日)21時5分29秒 deletemodify

■昨日の横浜戦で、なんだかスッキリしない試合を見ただけに。
せめてサテは「市原らしさ」を見せてくれよと臨んだ試合だったが、結果は期待を裏切るものだった。0−1の敗戦。ホームであるにも関わらず、気迫で新潟に負けてしまったのが悔しい。監督の言う、中間のメンタリティと言うか目標設定を失ったような選手達が悲しい。今日勝てば、サテライトの首位固めを出来たと言うのに。

試合は、序盤から新潟が気持ちで勝っていた。
決して、技術的なもので上回ってるわけじゃないんだが、それでもジェフの選手よりも一歩先に動こうと言う気力が見える。37歳の神田や、京都で活躍した熱田なども居て、決してJ2のサテライトと侮れるような面子ではなかった。

新潟はとにかくボールを前へ!と言う気持ちが強く出ている。
前半はシュート2本だが、攻撃的に見えるのは新潟だ。ジェフは、中盤でボールを支配できず、たびたび新潟のFW陣にボールが通ってしまう。先週よりも野本の出来は安定していたが、中島の動きが前目過ぎる。ボランチとして、まず相手を潰す事が出来ない。新潟も、潰される前に放り込んでくるからジェフとしてはやり辛い。いらいらした大柴が、ボランチの位置までたびたび戻ってさらにバランスが崩れる。

加えてマイボールにしてからが、また遅い。
まさかまさか、このレベルならじっくり攻めれば崩せるから、と考えている訳じゃ無いだろうが、15分過ぎまでシュートは無し。
その後も前半は、6本のシュートの中に茶野の2本が入っている。巻がセットプレー崩れからバーに当てたシュートはあったが、ほとんど実効性の無いシュートばかりだ。
中途半端な展開のまま、前半は過ぎ去ってしまった。

後半、新潟はさらに遠目からでも積極的にシュートを撃ってくる。
ジェフは相変わらずシュートも撃てなければ、抉る事も出来ない。抉っても、全てが不正確。なんだか、チームとしての体を成していない。楽山のFKもバー。
流れを変えようと前線で頑張っていた工藤を下げて拓土。しかし、ますますなんだか押されている。そして、29分、とうとうオフサイド臭いヘディングシュートを浴びて失点。

2バックにしてトンスを入れ、スクランブルをかけるが結局勝利への執念は新潟が上回り続けていた。焦りが焦りを呼び、カウンターから決定的なピンチも多々。
最後はからりボロボロな内容で、そのまま試合を終えてしまった。しかも臨海で。練習見学が出来ないぶん、かなりお客さんも出ていたと言うのに・・・。



上の写真は、試合後に話す監督と江尻コーチ。
かなり大きな身振りで監督は話していた。間違いなく、不甲斐ない内容に怒っているのだろう。チームが一段上に行こうとしている時に、この内容はいただけない。

走力と組織は、個人を活かすベース。組織でも個人でも力を発揮できなくては、この一年はなんだったのか。サテライトであっても、今季最も練習をしているのは自分たちだと自信をもって試合をして欲しいもの。
そうでなくては、このチームに居る意味が無くなってしまう。「ホーム」での敗戦の意味を考えて欲しい一戦だった。


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■14時・市原臨海競技場
市原0(0−0、0−1)1新潟

GK立石、DF吉田(後半31分・金東秀)・茶野・結城、ボランチ野本・中島、
左WB楽山、右WB金位漫、OH工藤(後半24分・拓土)、FW大柴・巻(主将)

※1.拓土は左WB。楽山がOHへ移動。
※2.金東秀投入後、2バック気味の布陣に。

得点者:なし

【前半】
市原:SH06/CK01/FK07/GK03/PK00/OFF00
新潟:SH02/CK01/FK12/GK05/PK00/OFF01

【後半】
市原:SH08/CK06/FK06/GK04/PK00/OFF01
新潟:SH09/CK03/FK06/GK04/PK00/OFF02

【選手評価】
GK立石:後半にビッグセーブが一発。一失点はGKからするとノーチャンス。無難な出来だった。
DF吉田:DF陣だけの問題では無いが、新潟のカウンターにスピードで振り切られる場面があった。
DF茶野:もちろん1対1で負けるような事は無く、前線にも攻撃参加して健在ぶりを見せていたが、不甲斐ない展開に気持ちが焦ってバランスを少し崩していたかもしれない。
DF結城:高さと当たりは問題ないが、スピードと奪ったボールの後処理に問題あり。2バック化してからは、カウンターに対応できなくなった。
MF野本:先週より出来は良い。ミスも減ったし、攻撃参加もしていた。ただ、無難だったと言うだけでプラスアルファが無い。持ち味だったはずのミドルパスを見たい。
MF中島:攻撃に参加しようとする意図は買いたいが、その前に守備の本分をこなすべきでは。新潟が比較的自由に出来たのはボランチが防波堤になっていなかったからだ。
MF金位漫:相変わらず決定的なクロスを上げられない。守備もいまいち。
MF楽山:ボールを持ちすぎの傾向は変わらず。攻撃で決定的な仕事が出来ないときつい。FKを一発バーに当てたのが見せ場。それ以外は、WBでもOHでも決定機を演出できず。
MF工藤:よく動いて攻撃のシーンに顔を出していた。ただ、周囲とのコンビがいまいちで、援護を受ける前に戻さざるを得なくなっていた。
FW大柴:幅広く動きすぎて、なんだかよく分からない。ボランチから、最前線まで至るところに居た。おかげで、巻が最前線で孤立気味。もう少し、「FW」を意識したプレーが必要だったのでは?
FW巻:ほとんど何も出来ず。彼一枚で起点になるには無理があるだろう。

【交代出場な人達】
MF拓土:シュートに行こうとしてブロックされる場面多々。積極性は見せた。
FW金東秀:今日は主だった仕事は出来ず。シュートも無かった。

J2ND−9・横浜Fマリノス戦 2003年10月5日(日)21時4分32秒 deletemodify

■完敗は完敗なんだが、何と無く納得の行かない完敗だった。確かに、局面ごとに横浜は強く、市原は終始押されっぱなしでペースを握れなかった。最後の2バックの猛攻も、何度もやれば常套手段。相手にしてみれば、分かっているものを防ぐのはさほど難しくは無いはずだ。

それでも、この歯切れの悪さは失点のシーンと、試合全体の雰囲気だろう。
失点シーンは、佐藤由紀彦のフリーキックを久保に合わせられたもの。誰もが気をつけなくちゃいけない横浜の武器にあっさりと決められたこと、そして試合を通じてのシュートシーン、攻撃の単調さだ。
横浜にしてみればゲームプラン通りだろうが、負けた身にしてしてみればイライラが募るばかりだ。

凡戦の中で見えたのは、横浜の力強さだ。
1STでは、さんざウチらが見せ付けた1対1、局面での強さを逆に見せ付けられた。ユ・サンチョルしかり、中澤しかり。横浜の一人一人は、踏ん張りを効かせてしっかりとボールをキープする事が出来る。
さらに、そこからがさらに決定的に異なる。パスの正確性だ。横浜は、キープしたボールをしっかりと味方に繋ぐ事が出来る。対して市原は、焦りからか単純なミスパスや連携を欠くプレーが目立ち、繋ぐ事が出来ない。鍛えた総力は、「奪われたボールを取り返す」尻拭いにばかり使われていた。

こうなると前線も活きない。
復帰の崔龍洙、先発の林は前線で孤立するばかり。結果、先ほどのイライラに話が繋がる事になる。横浜も、攻撃が機能していたわけじゃない。でも、試合を支配していたのは誰の眼にも横浜だった。それだけに、分かりやすい、つまらない失点で勝ち点を落としてしまった事が残念でならない。

この試合が市原に突きつけているのは、毎度の精神面の事もあるだろうが、決定的な差となったフィジカル・技術の部分だ。磐田・鹿島・清水・横浜・・・ちょっとでも自分たちよりも正確にボールを繋ぐ相手を前にすると、たちまちペースを見失ってしまう。
ぶっちゃけ、選手の上手い・下手の問題なのかも知れないが、それでも強く・上手くなって貰わなくては先が無い。走力に加えて、個人の能力を上げて行かなくては。

痛い一敗だが、この負けから再浮上の足がかりを掴まなくてはならない。
次節は、仙台戦。確実に勝って、喰らいついて欲しい。そうする事で、チームにも地力がついてくるはずだ。

9/28(日)・サテライト・湘南ベルマーレ戦 2003年9月29日(月)22時12分34秒 deletemodify

■厚木の山の中。神奈川とは言え、半分遠征に近いものがある。
しかも、1,000円料金取られるし・・・スタンドに入ってから、競技場外の土手から見られる事も分かり、なんとなくやられた感に苛まれながら観戦する。今日のポイントは、この1,000円が回収できるか、だったが。。。。

選手入場。をや?先頭で入って来る28番の左腕に見慣れない赤いものが・・・。ってか、野本がキャプテンマーク(汗)これを見るだけでも価値があったかも。
その野本のプレー振りに注目したが、少々緊張してしまったようだ。試合を通じて安定感が無く、だいぶコーチ陣からハッパがかかっていた。ま、1回は仕方ない。気持ちを切り替えて次に同じ事をしないで頑張って欲しい。失敗しても、下向かないで声出せよ、キャプテン。

さて、その他のメンバーだが・・・あまりトップと遜色が無い。永輔・メグさん・柴さんに山岸・林。豪華なメンバーだ。昨日、試合に出ているメンバーも多く、疲れからか序盤は湘南の勢いにだいぶ押し込まれた。
シュートは結構撃たれていたし、中盤の底がルーズなので後半も可能性の低いミドルはバンバン撃たれていた。・・・とは言え、最後まで抉られても永輔・メグさんが居る事で失点は水際で防げてしまう。不甲斐ない展開にベンチのエジさんが、だんだんナナメに崩れて行っていたが・・・。

試合はその後、徐々に疲弊していく湘南をジワジワと押し込み着実に加点していく展開となった。
中島の幅広い動き、工藤の運動量は目立っている。
だけれども、ジェフらしい動き=ポジションチェンジの連続で相手を翻弄するようなプレーじゃない。単純に個人のスペックで勝っているから、それで相手を押し込んでいるようなものだ。たまに永輔が、守りばかりじゃつまらないとばかりに、信じられないようなオーバーラップをかましているあたりからも、それが感じられる。テスト、もしくはサービスのようなプレーだ。

後半。見どころは途中出場の金東秀の得点シーン。
左翼を抉った大柴からのクロスをダイレクトで合わせたゴールは、シュートのタイミングだけでなく短い時間でのゲームの入り方と言う部分でも成長を大きく感じた。のほほんとしているトンスだが、ゲームに入ると意外とズ太い感じがするように思えてきた。

これで、サテライトも来週の新潟戦を残すのみ。
各人が残りのトップ出場を目指して、より一層頑張って欲しいもの。若い力の成長や、主力の反骨も見れたし、厚木まで来た甲斐はありました。


■15時・厚木市荻野運動公園競技場
市原5(2−0、3−1)1湘南

GK岡本(後半0分・立石)、DF結城・永輔(後半36分・金東秀)・吉田、ボランチ野本(主将)・中島、
左WB楽山、右WB山岸(後半16分・拓土)、OH工藤、FW大柴・林(後半0分・金位漫)

※1.金位漫は右WB。山岸がFWへポジションチェンジ。
※2.金東秀投入後、2バック気味の布陣に。

得点者:
前半12分・中島(楽山のシュートをGKが弾き、中島が再びシュート)
前半44分・林(湘南CKからカウンター。左からオーバーラップした永輔が中央の林へクロス)
後半33分・結城(CK大柴→ヘディングシュート)
前半40分・金東秀(大柴の左クロスをダイレクトボレー)
前半44分・金位漫(工藤のタテパスから抜け出し、右足シュート)

【前半】
市原:SH08/CK04/FK02/GK06/PK00/OFF01
湘南:SH07/CK03/FK03/GK03/PK00/OFF01

【後半】
市原:SH14/CK04/FK06/GK04/PK00/OFF02
湘南:SH09/CK03/FK04/GK03/PK00/OFF01

【選手評価】
GK岡本:湘南がリスキーな攻めをして来たため、一本決定的なピンチを迎えるものの、味方の助けで事無きを得る。無難だが、出足はもう少し早い方が良いのでは。
DF結城:堅実なプレー。当たり負けは殆ど無し。大柴のCKを頭で合わせて1得点。同じようなヘッドの場面がもう一回あった。
DF永輔:レベルが違う。相手をあしらうようなプレー。一人で何点と無く防いだ。守備だけで物足りなくなったのか、強烈なオーバーラップも。前半終了間際の林と二人で取ったゴールは、俊足の二人のたまもの。
DF吉田:無難。左翼の効果的なオーバーラップあり。
MF野本:キャプテンマークが重石になってしまったか、終始固さが見られた。気持ちを切り替えて練習で迷いを振り切って欲しい。
MF中島:久々に長い時間観たが、だいぶ動けるようになっていた。こぼれ球への反応が良く、ゴールの場面以外にもチャンスに絡んでいた。ただ、守備はもう少し出来たのでは。
MF山岸:目立たなかったが、堅実なプレー。後半ヘッドがバーを直撃するシーンも。
MF楽山:だいぶ落ち着き、攻撃にも絡んでいるが、最後の場面でキレが無い。後半、独走シュートの場面があったが、ポストに当ててしまうあたり、彼の「波」がまだまだのような雰囲気。
MF工藤:よく動き回ってチャンスに絡む。ボールキープも安定していて、前線の起点となれていた。5点目のアシストもスタミナを切らさずに90分戦えた結果。
FW大柴:CKと流れの中からアシスト2本。けれども、まだ動きが固く・重い感じがする。ボールを失う場面も何度か見受けられた。
FW林:前日あれだけやっているだけに、さすがにキレはイマイチ。遠征でもあり、動きの重さは仕方ないか。それでも1得点。だいぶスタミナもついてきた感じがするのだが。

【交代出場な人達】
GK立石:1失点は彼のミスではなく、DFの集中と相手の思い切りが勝ったもの。
MF金位漫:最後の最後に得点。よく右を抉っていたが、決定的と言えるクロスはなし。
MF拓土:投入後スグは良く動いていたが、徐々に消えてしまった。
FW金東秀:短い時間の中で今回も結果を出す。相手DFにポジション取りに勝って、しっかりとミートするあたりは高校生にとても見えない。

J2ND−8・清水エスパルス戦 2003年9月28日(日)23時44分1秒 deletemodify

■喜んだり、冷や冷やさせられたり。終わった瞬間にドッと疲れる試合だった、ホントに。
何より、格好悪くても勝てたのが良かった。それで疲れも吹き飛んだ。

試合前、AWAY側に広がるオレンジのユニフォーム。これからは見る度に、ズブ濡れになった日本平を思い出すんだろうな・・・2ヶ月前の試合では、えらい酷い目にあったが・・・。今回はホーム臨海、それにジェレも居ればプレッシャーも無い。借りを返してやれとばかりに臨んだ試合だ。
いつものようにスタメン表が配られる。をや?先発に巻。前節、浦和戦での好プレーが反映されたか、ここのところ「ただの電柱」に終わらない裏への飛び出しや体を活かしたヘッドにポストが見られていただけにさらにチャンスを与えられたのだろう。

さて、浦和戦で見せてくれたような攻守の切り替え、そして渦巻きのような選手が選手を追い越していく連動性のあるプレーを見せてくれるか。さらにシュートは撃てるのか。そんな事を気にしながら試合に臨んだ。

まずチャンスを作ったのは市原。開始早々、左を抉った村井からのクロスを中央の巻がヘッド。枠に入れなくちゃいけないボールだったが、抑えられずにボールは外へ。その後も、まあまあの展開で繋いでいく。おおまかに、ペースを握るがシュートチャンスに結びつかない市原と、機会は少ないがシュートを放つ清水と言う展開が続く。
警戒していても清水の両翼は脅威で、再三一気にボールを運ばれる場面があった。ただ、アレックスが何度かポカミスをしてくれたおかげでだいぶん助かっていたが。この「ミス」試合全体を通じて両チームに多く、試合を落ち着かないものにさせていた。

しばらくこう着状態の続く前半、決定機を作ったのは市原だった。
絶妙のトラップ&ドリブルでまた左翼を抉った村井が中央の巻へグラウンダー。合わせるだけで一点ものだったが、ここは清水DFに割って入られた。村井の動きも、本人コメント通りにだいぶキレが戻ってきている。
とは言え、攻撃は停滞気味。エース・崔龍洙が復帰していたが、どうもファウルを貰いに行くプレーばかりでドンピシャのシュートが放てない。流れが崔龍洙で止まってしまう場面も何度も見られた。「今日のヨンスはダメだなー」とか思っていると、ペナルティエリアの中で若い池田を手玉にとってPKを奪取するあたり、老練と言うか抜かりが無い。
これを沈めて、市原が1−0で折り返す。

悪くない前半を経て、後半も同じような流れで試合は進む。
ただ、巻が前半の25分くらいで息切れを起こしているので(プレー中に口を開けて、下を向いてしまうからスグわかる)、その点が心配だったが。
50・50くらいの展開の中、今度は清水が反撃に出る。市原の右翼をコンビプレーから平岡が切り裂き、最後は安。ワンプレーで同点にされ、さらに清水が勢いに乗ろうとする。ところが、今日はここからが違った。中盤のプレッシャーを高めて、逆に清水をぐいぐいと押し込んでいく。1STの市原がそうだったように、こぼれ球への寄せが早く、シュートこそ多くないが清水ゴール前のシーンが多くなる。

さらに、止まっていた巻に代わって林を投入。潤滑油が注がれたように、さらに動きがスムーズになる。
そして、76分。羽生が上げた左からのグラウンダーを、清水がクリアし損なったところに詰めていたのは攻撃参加していたジェレ。これを受けた羽生が、左から中央へクロスを上げると、中央で待ち構えていた林が平岡に競り勝ってアタマでゴールを決めた。

よし!と思った瞬間だったが・・・。
このままさらに押し切れば良いところを今の市原は引いてしまう。引き分け続けた過去がそうするのか、同点を恐れて前に出れない。捨て身になった清水に波状攻撃を浴びる羽目になった。
鶴見の決定的なシュートは、坂本がすんでの所でクリア。
さらに、安のFK、沢登のシュートは枠が弾いて事なきを得る。どれも一点もののプレーで、監督の言うように運で守れた部分は大きい。ともかく、この「運」を手放さず、残りの時間を耐え切って、ようやく、久々の勝ち点3をもぎ取った。



問題は、この勝ち越し点を奪った後。
守りきれる器用さの無いチームが守りに入ってしまった事。気持ちが後ろ向きになってしまい、清水に反撃の隙を与えてしまった。気持ちを平行に保って、攻め抜くか、相手の攻撃をカウンターで受け止める冷静さを身につけて行かなくては、今日は枠に当たってくれたシュートは中に入ってしまうだろう。

そして、相変わらずのミスの多さ。難しくない場面で、ミスをしてしまう場面が相変わらず多い。それが減らせれば、より走力=攻撃の連動性が活きて来るはず。
基本から応用に市原のサッカーは差しかかりつつある。磐田・鹿島のボール回し、足元の技術に少しでも追いつくために、より次の試合ではミスを少なくして欲しい。

何はともあれ、勝利が何よりの起爆剤になるだろう。
次は横浜国際での首位攻防戦。攻める側に立つ市原は、そうそう固くならない。きっといいサッカーを見せてくれるだろう・・・もちろん、追われる立場でも成長して貰わねば困るけれども。



さて、最後に観客動員。この晴天で6,700人。営業は赤点だなと、今日も危機感・・・。

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PBS v.1.01