サポーター不在で話が進んで行く (追記11/19)

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終盤戦のリーグに集中したいところにも関わらず、日本協会・犬飼会長の発言が不必要に場を荒らし続けている。マスコミも、犬飼会長に口を開かせればネタを提供してくれると思っているのか、それとも協会の御用新聞なのかは判らないが、連日のように新しいネタが報道されている。

最近の話題だけでも列挙すると、これだけある(カッコ内は議論のレベル)。
・天皇杯に「ベストメンバー規定」を来年から導入
 (日本サッカー協会の天皇杯実施委員会)
・ナビスコ杯のU-23大会化
 (犬飼会長私案・スポンサー等各方面に打診中?)
・秋春制への移行
 (Jリーグ内に実行委員のプロジェクトチーム)

他にも、バックパス禁止という話もあった。
そして、いくつかはそれが“既定路線”のように報じられてもいる。
これらの話は、どこからどこまでが「犬飼会長の私案」で、どこからどこまでが「日本協会やJリーグの指針」なのだろうか。細かく読めば、議論のレベルも書いてはあるのだが、十把一絡げにされてしまっていて読んでいる方は混乱してしまう。


こうした制度改正は、誰の意向で進んで行くのだろうか。
少し考えても、色々な立場があると思う。
「サポーター」「スポンサー」「行政」「ホームタウン」「選手」「指導者」「クラブ」「Jリーグ」「JFA」「AFC」「FIFA」・・・それぞれの思惑・考え方はあると思うが、それがどのように集約されているのかが、今の日本協会やJリーグからは見えて来ない。

自分の立場は「サポーター」だが、結局、突き詰めれば集客が増える事が、クラブの収益や、地域や更には日本サッカーの盛り上がりにも繋がるはず。だから、「サポーター」の意見がもっと前面に出てきてしかるべきと思う。
しかし、最近の犬飼会長の発言は、「サポーター不在」であるように思えてならない、彼の発言は誰の為を考えてのものなのか。誰が為の改革なのか、忘れてはいないだろうか。
そもそも、「改革」は必要なのだろうか。

そして、このタイミングで発言が相次いでいる事にも疑問を覚える。
折りしも、リーグは終盤戦。優勝争いや残留争いに注目が注がれるべき時に。
ワールドカップのアジア最終予選が行われると言う、その直前に。
トップとして、空気が読めない、軽率、そう受け取らざるを得ない。

犬飼会長には、まず私案と協会の指針の混同をやめ、発言を正して欲しい。
そして、「協会の指針」「Jリーグの指針」はサポーターの声をもっと取り入れ、筋道の立ったものであって欲しい。

ルールを変えられれば、サポーターも大きな影響を受ける。
何をどう言う理由で変えなくてはいけなくて、それにはこういうメリットとデメリットがあると、協会は説明責任をきちんと果たし、共に議論する場を作って、サポーターからの信頼を取り戻して欲しい。
意見の取り纏めをするのは大変だろうが、トップダウンで物事が決まるようなオーナー企業と日本サッカーは違う。それをきちんと理解して仕事をして欲しい。

そうあってくれなければ、観る側は無力感やストレスを感じるばかり。
議論の中に、サポーターもしっかり組み入れて欲しい。


<追記・11/19>

こうやって書いてたら、また続報が。
鬼武チェアマンも頭ごなしに発言されて腹が立ったのだろうけれども、上層部で揉めてますなんてのが、世間に出て来るのはホントに勘弁して欲しい。
まぁ、実害が拡がる前に歯止めがかかったのは良いこと。

さて、マスコミはこの事態をどう報道するかな。
鬼武チェアマンの視点?犬飼会長の視点?これからちょっと楽しみ。
・ナビスコ杯U23案にJチェアマンが反発(日刊)
・Jリーグ秋春制10年から移行は「無理」(日刊)

▽そして、今朝(19日朝)の報道
・Jリーグ鬼武チェアマン、犬飼案にNO!! (サンスポ)
・犬飼会長改革案にJ鬼武チェアマン反発(日刊)
・「Jリーグは協会傘下!」日本協会の犬飼会長が鬼武発言に不快感(産経)

突っ込みどころが満載過ぎ。
>「本当にそう言ったのなら常軌を逸している。(犬飼会長)」
一連の検討事項を、独断専行の発言でややこしい「問題」にしてしまっているのは、犬飼会長自身でしょうに。筋道を立てずに、私案をマスコミにペラペラしゃべって、それを筋道立てて身内から否定されたら、「常軌を逸している。」「Jリーグは協会傘下の1組織。」だなんて。

しかし、発言するほうも発言するほうですが、こういう人を協会会長に選任してしまう日本サッカー協会の構造も自分の想像以上に問題アリです。それとも、協会会長に就任された途端に、権力の魔力に取り付かれてしまったんでしょうか。

とにかく、サポーターの意見を抜きで話を進めないで下さい。
日本サッカー協会のお偉い方々。