雑感 ブーイングの源は 第28節・町田戦

NO IMAGE
ホームで3戦連続無得点での敗戦。
あってはならない事が起こってしまった。

試合終了を待たずして、スタンドからサーッと人が居なくなり、終了と共にブーイングがフクアリを包む。無策のまま、下位に取りこぼした。ここ数年の夏場の低迷を、選手・監督が変わっても繰り返してしまった事に対する、やり場の無い怒りと失望。

「またか」

意地でも勝たなくてはならなかった。
背信とも言える敗戦は、チームを空中分解させかねない、危うさを孕んだものだった。

敗戦の原因は、「得点力の欠如」に集約される。
自分には、監督の、チームの焦りが、それを招いたように思えてならない。
 
監督は、よく言えば現状に満足せず、常にチームに変化を加える事で改善を図ってきた。
逆に言えば、明確な軸を作れず、あるべき攻めの形を示せていないとも言える。

数多くの選手を獲得しはしたものの、ピッチに立てるのは11人。
1+1=2になれど、1+1+1+・・・と11人より多く出して、100にする事は出来ない。

一時期は「軸」が決まっていた。
藤田のワントップに、トップ下の兵働。ボランチのサトケン。
今期獲得した選手がそれぞれ軸になり、その周囲を固める選手の競争を煽った。
日替わりでヒーローが生まれる、良い循環があった。

結果も出た。
しかし、周囲を圧倒する力とまではならなかった。
そこで、「補強」によって足りないものを補う。
ここまでは、健全な考え方だったと思う。

ただ、

「得点力を補いたい、だから攻撃の選手を獲得する」
と言う、すごくぼんやりとしたものは見えるが、
どう言う選手を最も求めていたのかが分からない。

レジナルドは、「個」で打開する選手じゃなかった。
そのレジが見切られたと言うことは「求めていた」選手じゃなかったと言うことだろう。

佑昌ではなく、大塚が使われている。
と言うことは、右に求めているのは縦への突破ではなく、ゲームを作る、変化をつける、そう言う力なのだろうか?ならば大塚は、レジよりも優れているのだろうか?

ロボを獲得した。
藤田に代わって使われたと言う事は、藤田のチェイスや収める力ではなく、単純にシュートを決めきる力が求められていると言うことか?

そして谷澤を戻した。
結局、どうにもならないから「個」の力で何とかしてくれる選手が欲しくなったのか?
監督は、どんな攻撃の形を思い描いているのだろう。
そして、強化部はそれを共有できて、必要な選手が分かっているのだろうか。
 
自分は、ちばぎんや、開幕戦のような、ボール奪取からの速攻を主体にした、シュートを打ち切るサッカー(それがクロスからにせよ、カウンターからにせよ)が、初期段階での監督の理想なのではないかと、今でも思っている。

ただそれが、
「守りを固める相手」であったり、
「夏場の暑さ」であったりで、
春先と同じように戦うことが難しい試合もある。

実際、首位決戦に敗れたヴェルディ戦あたりから、めっきり得点が出来なくなった。
座している事は出来ない。
変化が必要な事もわかる。

しかし、こう言う時だからこそ、軸足をつける事が必要だろう。
監督は、あまりに多くの戦力を委ねられ、にも拘らず結果が停滞した事で、迷いが生じているように思う。
現状の打開を選手の獲得に頼って、小さなリセットを繰り返していては、いつまで経っても積み重ねが無い。
 
監督は、今一度、選手を信じ、軸を定め、攻撃の基本を明確にする必要がある。
選手は、迷い無く、自らが仕掛ける、ゴールを決めると言う意思を持たなくてはならない。
逃げるようにパスを回すのではなく。 

監督も、選手も、自分達の力が信じきれていない。
サポは、「もっと出来る」と信じている 。
そのギャップが、昨日のブーイングを呼んだ源なんだ。 

上手く行かない時もある。
それでも、愚直にやりきる事だ。
一度死んだつもりで、気持ちを切り替えて、ここから這い上がってほしい。