試合前から、勝負はついていた。 第13節 vs長崎 ○5-0

試合前から、勝負はついていた。 第13節 vs長崎 ○5-0

試合前から、勝負はついていた。
そう、コイントスに近藤が勝ったときから。
「コートチェンジ」は高木琢也監督、最大にして唯一の戦術。
この時に、既に長崎のゲームプランは崩れ去っていたのである。

image

・・・か、どうかはさておき。

終わってみれば、5-0の完勝。
今季初めての3得点以上どころか、清武のハットトリックのおまけつき。
酷い雨の中、フクアリで声を枯らしたジェフサポに報いる勝利となりました。

image

スタメンは、4-1-2-3。
若狭と熊谷が出場停止。怪我明けの也真人はベンチスタート。

注目すべきは、今季初スタメンの岡野、そしてようやくスタメンに復帰したアランダが1列前で起用。
熊谷の位置には、勇人が入り、右のサイドバックには何と、山本真。
エスナイデル監督は、「クロスの質」を最優先にしたようにも見える起用方法。

激しい雨の中でのキックオフ。
最初は長崎が激しいプレッシャーをかけ、ジェフが押し込まれる展開。
その一連の攻撃を凌いだところで、ジェフがコーナーキックのチャンスを得る。

キッカーは清武。ファーに蹴ったボールを、ボムヨンがヘディングシュート。
これをゴール前で張っていた船山がコースを変えてゴール。
幸先良く先制点を奪い、流れを掴みます。

この日のジェフは、前からのプレッシャーが良い。
アランダがプレッシャーをかけ、その後ろに勇人が控えて、嫌なスペースを埋めている。
長崎の裏狙いのシンプルなボールは厄介だったけれど、局面局面で、山本真や、岡野、それ以外の選手たちも身体を張って、長崎にチャンスを許さない。逆にジェフは、指宿の連携がスムーズになってきていて、ポストプレーに、そして自ら突破してシュートとチャンスをつくる。

膠着した展開の中、雨はますます酷くなり、サポーターもずぶぬれ。
フクアリのピッチをもってしても、すべる選手がそこかしこで出始め、思わぬミスも出てしまう。
そのまま、前半は、1-0。

横浜FC戦から使い始めた4バックは悪くない。
ハイラインが目立つ事はあまりなく、まずまず。
けれど、どちらに転んでもおかしくない、そんな試合内容だった。
 
それが、後半、こんな展開になるとは。

image

後半キックオフ。
選手交代、イッセイから也真人。
確かに、前半あまりイッセイは目立っていなかった。
監督的には、物足りなさを感じたのだろう。
さて、怪我明けの也真人が、どれだけやってくれるか。。。

とか、考えているうちに。
目の覚めるようなプレーで追加点が決まる。

右の山本真からのアーリークロスを、清武がヒールで浮かせると、指宿が頭で落とし、そこに突っ込んできた清武が、ダイレクトでアウトサイドに引っ掛けてシュート。
何年かに一度もお目にかかれないような美しい連携。
これが見事に決まって、長崎の出鼻を挫く。

清武は、さらに10分後には、ゴール正面からのFKを突き刺して2点目。
さらにその10分後にも、指宿のパスからゴールを決めて、20分間ほどでハットトリックを完成。
試合を決めてしまった。

船山も、ゴールを決め、5-0。
それ以外にも、ボムヨンの突破から、アランダのシュートがポストを叩いたシーンや、
裏に抜けた大久保から、フリーの指宿にボールが渡ったシーンなど、さらに数点を加えられそうな展開が続き、ゴール裏は、久しぶりのゴールラッシュにお祭り騒ぎになっていた。

清武の1点目が、長崎にとってはとにかく痛かったろう。
これで、長崎は前に出ざるを得なくなった。
実際、2-0となった直後には、右からのクロスに飯尾がDFラインの裏に走りこんで、ダイレクトであわせ、佐藤優も反応できずに、シュートがポストを叩くと言うシーンもあった。

これが決まっていれば分からなかったし、
長崎は点差が開いても、得点を奪い返す事をあきらめず、失点してもおかしくないようなシュートシーンが、他に3つはあった。その全てを、佐藤優が寸でのところで守っている。実は、この試合、影のMVPは佐藤優であり、完封したとは言え、守備が完全に機能していたとは言い難い。

そこは、大量得点であっても、しっかり直視して省みなければならない。

一方、攻撃は見事にハマった。
支配率は高いし、シュートの本数も、セットプレーも多い、けれど得点は少ない。
それが、これまでのジェフだったが、この試合ではセットプレーから2点が奪えた。

加えて、ボールを奪う位置が、これまでよりも高く、ショートカウンターから、シュートに行くまでの時間が短くなっていた。これは、アランダを一列前に上げた事と、後半は特に也真人が、この位置でボールを追いかけまくり、シンプルにボールを捌いて、ペースを作っていたことが大きかった。

あとは、仕上げは個人技だ。
清武の1点目は、もはや別格にしても、ゴールになったシーンでは、相手のミスを逃さずに、この力で決めきった。

その中で、指宿のポストプレーは、素晴らしいものがあった。あの巨躯をして、高さにはもちろん強いし、周りを活かす足元も、自分で突破できる技術もある。得点こそ今日はなかったが、彼が作った「タメ」が大量点に繋がったことは疑いようが無い。
彼を、チームの中で活かせるようになってきたのは、大きなプレス要素だ。

初スタメンの岡野も、まずまずの出来を見せたし、その岡野と交代出場で乾も今季初出場。
(岡野が足をつらなければ、清武と交代予定だった菅嶋は残念。)

いろいろ、今後に向けてプラス要素の多いゲームだったのでは。

逆に気になったのは、失点こそしなかったものの、被決定機の多さと、
2-0、3-0となった後の、守備的な気の緩み。
なんとなく、「もう、こんなものでいいかな」と、プレーが緩くなり、
ミスパスや、消極的なバックパスが増え
時間帯があったこと。

このあたりは、次節以降の改善点として欲しい。

何はともあれ、この試合がきっかけとなって、チームが良い流れを掴んでくれれば 。
本当にチーム状態が悪ければ、5-0なんてスコア、そうそう出ないもの。
今やっているサッカーに、きっと監督が言うように明るいものがあるってことです。

image

そうそう、船山さんが得点出来て良かった(笑)
雨の中、みんな、お疲れ様でした。