雨はいつか上がる 第12節・草津戦

雨はいつか上がる 第12節・草津戦

20120503
それにしてもよく降る雨だ。
週末毎、試合毎に、サポを悩ましてくれる。
今日も、朝から酷い雨模様だったけれども、試合が始まると段々と止んでいった。

その雨の中、群馬まで駆けつけたサポに、前節、北九州戦に続き、アウェイでの勝利。
久しく無かった「連勝」で選手達は応えてくれた。

--藤田--荒田--
深井------兵働 
--ミルジ-大介--
武田------大岩
---智--竹内--
----岡本----

スタメンはこんな感じ。
GW中はターンオーバーを組む木山監督のチョイスは、藤田と荒田の2トップ。
深井が先発に戻り、ボランチのミルジはアンカーではなく、ベーシックなドイスボランチと言った感。 
兵働は、状況に応じて、深井とポジションチェンジをする。

ゲームは序盤から動く。
まだ両チームが様子伺いと言った空気の中、大きな展開から藤田がペナルティエリア左でボールを受け、中央にボールを戻すと、荒田がこれを難なく決めて先制。早々にリードを奪う。

先制点をきっかけに、流れを掴むかと思ったが、
逆にゲームを落ち着かせようと言う気が働いたか、やや膠着した展開になる。
それほど圧力が強い訳でもない草津のプレスに、安易にバックパスでの逃げが出て、ずるずるとラインが下がる。大介のボールを受ける位置が低くなり、深井が最終ラインまで戻って守備をするような機会が増える。攻められているのではなく、自分達で勝手にペースダウンして、相手に隙を見せてしまっている。

ミスパス、判断の遅さは、ここ数試合の悪い流れの時と一緒。
一例を挙げれば、武田がスローインで入れたボールは、相手が詰めている深井へ。
簡単にボールを取られて、相手ボールになってしまう。
出す相手、タイミングを考えていれば、無駄な守備の時間は無かったのに、とかそう言う細かいミスの積み重ねだ。

ただ、大局としてはジェフのペース。
草津はロングボールが主体で、あまり怖さが無い。
ジェフは、右の大岩と兵働の絡みを中心に、ゴール前にクロスを供給して追加点を狙う。

しかし、今度はアクシデント。
先制点を決めた荒田が、ゴール前での競り合いで足を痛め、負傷退場してしまう。
代役は大塚がそのままトップに入る。
スクランブルだった事もあって、試合の流れを掴みきれない大塚。

結局、前半はそのまま1-0のまま終了。
やや消化不良感のある展開だった。

迎えた後半、前半よりもジェフの出足が良くなる。
ボランチのミルジのフィジカルコンタクトを生かした守備が効き始め、そのミルジから、大きくサイドを変えるパスが右の大岩に入るようになる。ピッチを広く使えるようになり、前半のようなバックパスの本数がぐっと減る。

さらに、大塚が深井や兵働、大介と絡んで、ダイレクトやワンタッチのパスで絡めるようになった。
前半よりも、ラインが高くなり、選手の距離感が均一になり、崩せるシーンが多くなった。

ただ、追加点はなかなか奪えなかった。
大塚が一旦ゴールを揺らしたものの、オフサイドでノーゴールの判定。
ようやくの追加点は60分。兵働のFKを智が頭で合わせて、ゴール。
これで、草津は前に出ざるを得なくなった。

草津からすれば、速攻でシュートまで持ち込みたいところ。
64分にはヘベルチを投入して勝負に出る。

ジェフは、66分に藤田に代えて久々に登場のオーロイ。
藤田は、先制点のアシストと、ポストプレーでは頑張っていたものの、フィニッシュでは精度を欠いて、残念ながらこの日も無得点。オーロイがチャンスを得る形になった。

そのオーロイだが、休養十分、気温もまだ高くない事もあってか、なかなかのキレ。
元々足元は悪くないだけに、大塚や兵働とも、細かいタッチで絡み、クロスを上げれば長身を利して競り勝つと、元味を出せていたプレーぶりだった。

残りの時間帯は、草津の時間帯になる事もなく、ほとんどジェフのターン。
ただ、14本もあったCKのチャンスでオーロイも居ながら無得点と、相変わらずの決定力不足。
右の大岩、左の武田のクロス、さらに遠目からの深井のミドルと、かなり攻めまくったものの、スコアはそれ以上動かなかった。

最後は、「大脱走」で締め、危なげなく逃げ切り。
久々の連勝に、そして相性の良くなかった正田醤油スタジアムでの勝利に、サポも安堵の笑顔だった。 

今日のゲーム、守備面ではほとんど言うことは無い。
ミルジが効き始め、もう一段階堅牢になった感がある。
サトケンが交代出場した終盤は、さらにだ。

問題は、やっぱり決めきれない攻撃だろう。
12試合で7完封もしながら、得点の少なさからこの順位に甘んじている。
出場時間の長い藤田は、ポストで頑張っているものの、フィニッシュにまだ難がある。
深井は相手の警戒が厳しく、なかなか良い形でボールが持てず、他の選手はまだ五十歩百歩。

両サイドバックのクロスや、CK、FKの精度。
さらに、相変わらず、攻め込みながら、いらない譲り合いの精神。 
ここらは、言ったからと言って、すぐにはどうにもなるものでもないだろう。 
チームを作りながら、良くして行くしかない。 

何よりの収穫は、連勝と言う結果がもたらす自信。
少しばかり揺らいでいた、自分達への信頼が、取り戻せた事だろう。
首位との差は「5」に縮まった。
この連勝を無駄にしない為、次へ、その次へ繋げていこう。