もったいない試合 第6節 vs京都 △2-2

もったいない試合 第6節 vs京都 △2-2

タイトルの通り。
もったいない試合。
落ち着いてプレー出来ていれば勝てた試合。
何故それが出来なかったと考えても答えが出てこない。
モヤモヤが残る試合だった。

4月になったと言うのに、真冬の寒さのフクアリ。
小雨も降っており、今日の観衆は7716人。
連敗を喫し、3試合ぶりにホームに戻って来たチームを励ますには、少々寂しいスタンドだった。

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メンバーは上記の通り。
大きく前節から変わった。

オフェンスでは、清武、山本真が先発。
この二人は、水曜日の練習でもキレのある動きを見せていた。

問題は守備陣。
アランダがベンチスタート。戦術の問題?コンディションの問題か分からないが、熊谷が先発。
にも関わらず、ディフェンスラインには、加入したばかりのボムヨン。
西野はベンチにもおらず、難しいことをやっている割には、なかなかメンバーを安定させられない。
とにかく、公式戦では初めてとなるボランチとディフェンスの組み合わせでゲームがスタートした。

ゲームが始まると、これまでの2試合とは打って変わって、躍動感のある攻撃で京都を攻め立てる。
中核になったのは、清武・高橋・山本真。
清武は、フィニッシャーとして、高橋はスルーパス、ドリブル、シュートを織り交ぜたハイレベルなプレーで、山本真は広い範囲をカバーしながら、時にはサイドに流れてクロスを上げたり、自らもフィニッシュに関わるなど、ヤマトを欠いてダイナミズムを失っていた攻撃陣が、この日は3人の連動した動きをもって、キレのある攻撃を見せていた。

そして、早くも8分に、その高橋、ラリベイ、清武が絡み、ワンタッチプレーの連続でゴールを陥れる。アシストは高橋、フィニッシュは清武。完全にGK菅野と1対1になって、確実に決めた。美しく連動した、素晴らしい攻撃だった。

先制し、尚も流れはジェフ。
京都はアウェイで失点し、リスクを負ってでも攻めなくてはならない状況に。
が、ここまで調子の上がらない京都は、さらに怪我人も続出し、攻撃にさしてプレッシャーはない。
このままなら、2点目、3点目とジェフが奪っていけるだろう。そう思っていた。

が、どうしたことだろう。
大したプレッシャーも受けていないにも関わらず、ディフェンスの落ち着きが無い。
怪しいプレーのきっかけは、初めて先発からディフェンスに入るボムヨン。守り方に慣れていないのがありありで、不用意にバックラインでボールを持ちすぎてしまい、あわてて、近場にパスをして相手に狙われる・・・と言ったシーンから始まった。

少し慌てた様子のジェフに、京都がプレッシャーをかける。
ディフェンスラインの裏を狙う。
けれど、名古屋、湘南、松本に比べたら、どうという事のない無い程度のプレッシャー、そしてランだった。が、ディフェンスラインがそれを受け止めきれない。オフサイドがかかりきらない。パスが短くて相手にかっさらわれる、GKの飛び出しが中途半端で、相手に狙われる。慌てた状態で、近場の味方につなごうとして、相手に高い位置でプレッシャーをかけられる。キーパーからのフィードがラインを割る。。。全ての対応が後手になる。。。

全部、ミス。
しかも、焦る必要も無ければ、体力的に余裕もある状態。 
特にGKの佐藤優は、経験のある選手。
一旦プレーを切る事も出来たろうし、杓子定規にボールを焦って早く出さずに、しばらく自分で持つことも、ラリベイめがけてロングキックをするとか、自分の心に余裕を取り戻す、周りを落ち着かせるプレーの選択肢もあったはずなんだが。

焦っちゃったんだろうか。
それとも、なかなか落ち着けないタイプなんだろうか。
エスナイデル監督の指笛に、手を上げて応えるも、プレーは一向に落ち着かない。
しまいには、ディフェンスと被って、相手FWへフリーの状態でボールが出て、ミスから失点。
もったいないとしか、言いようが無い。

せっかくの良い流れもフイになってしまい、もはやオカルトのレベルになったディフェンスに、心臓をバクバクさせられながら、ようやく前半を終えることが出来た。
もはや、気温や風よりも、背筋が寒くて仕方が無い。

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後半、メンバー交代無し。
お願いだから、落ち着いてくれよ、と祈りながらキックオフを迎える。 

相変わらず、攻撃陣のコンビネーションは好調。
後半も清武、高橋、山本の3人が際どいシュートを放ち続けていく。
特に、高橋はこの日は、これまでの出場試合の中でも際立った出来。
ボールの受け、相手の剥がし方、自分でドリブルに、シュートに行く判断、それぞれ素晴らしかった。
ドリブルからのミドルシュートの場面、ポストに弾かれたが、フクアリなんだから内側に弾かれてくれよと思わずにはいられなかった。初ゴールも、もう間近だろう。

流れを取り戻したかに見えたが、相手のチャンスは即、決定機という状況が続く。
ジェフは、佐藤優に限らず、とにかく焦ってしまっていた。
60分、カウンターから、京都がぺナルティエリア右カドあたりから、ふんわりとしたミドルシュート。
佐藤優の頭の上を超え、あっさりと逆転されてしまった。

京都は、ここまで4連敗。何が何でも、勝って自信を取り戻したい。
そう言う気持ちがプレーにも現れてくる。残り30分もあるのに、時間を使うようなプレーが増え、あからさまに自陣に戻っている人数が増えている。そりゃそうだろう。大したプレーをしていないにも関わらず、ジェフ側の自滅のような形で転がり込んだ2点で、アウェイでリード。こんなオイシイ展開は無い。

逆転され、エスナイデル監督が動く。
まず、若狭に代えて船山。
これでシステムが、4-3-3に変わる。
ディフェンスが左から、比嘉、ボムヨン、近藤、北爪、ボランチに熊谷、その前に高橋と山本真、ラリベイを頂点に左に船山、右に清武。京都が引いたこともあって、明らかにジェフの攻撃が良くなった。が、得点は動かない。京都は、菅野がさすがのプレーを見せて、際どいシュートを弾き返し、人数をかけ
た守りで、ジェフのスペースを奪い、ボール運びが渋滞したところへプレッシャーをかけて、カウンターの機会を伺う。

カウンターが発動すれば、もれなくピンチ。
でも、攻めるしかない。

ジェフは、71分、疲れの見えた山本真に代えて、サリーナスを投入。
サリーナスは、そのまま山本真の居た位置へ。
さらに、その後77分には足をつった比嘉に変えて、羽生を投入。
サリーナスは左サイドバックの位置へポジションを変える。

惜しいプレーが続き、もう一歩でゴールというシーンが何度もある。
が、あと一歩の精度が足りない。
クロスは上がっても、中の、ラリベイに全く合わない。
京都も必死に守り、そしてカウンターを仕掛けながら時間を使う。
時間は刻々と過ぎていく。 

エスナイデル監督は最後の指示。
近藤に上がるように伝え、もはや布陣がよく分からなくなる。
ディフェンスラインは、サリーナス、ボムヨン、北爪?
とにかく、相手が攻めてきたら、誰かが当たって遅らせろ、と言ったスクランブル布陣だ。

そして、それでもゴールが割れずにいた90分過ぎ。
不思議なもので、あれだけクロスを上げても、ラリベイのアタマには合わなかったのに。
サリーナスのクロスが、近藤の頭に合って、滞空時間の長い、ループを描いたシュートが対角線上のゴールネットへ。土壇場で同点へ追いつく。バタバタとうなだれる、京都の選手達。

気落ちしたところで、再逆転を狙いたかったが。
時間が少なかった。

4分間のロスタイムを終えて、両者痛み分けのドローとなった。

京都からすれば、棚ボタの勝利が、するりと消えてしまったようなもの。
ジェフからすれば、ミスで勝てる試合を潰してしまったようなもの。
どちらも、歯切れの悪い結果だった。

勝てた試合だったと思う。
攻撃陣が、ここ2試合と打って変わってイキイキしていただけに。
特に、ワンタッチプレー、スルーパス、局面でのドリブル突破。
前述した、清武、高橋、山本真のコンビネーションは、ヤマト不在でも出来る事を示してくれていた。

それだけに、守備の乱調はもったいない。
佐藤優や近藤には、ゲームを落ち着かせて欲しかったし、アランダが出場できなかったり、移籍加入したばかりのボムヨンが、戸惑いを見せたりと色々エクスキューズはあったけれども、試合中に修正して、ゲームを落ち着かせる事は出来なかっただろうか。

守り方の問題よりも、メンタルコントロールの問題にも思うのだが。。。

先制点のままに勝てていれば、また自信を復活させるきっかけになっただけに。
それが何よりも勿体無い。

攻撃陣のプレーを見れば、練習の成果は出ている。
あと少しの精度があれば、得点の量産も出来るだろう。

守りも、ハイラインを破られたというよりは、ミスによる自滅。
ただ、反省しなければならないのは、失点に繋がったアバウトな裏へのボールを、京都に蹴らせてしまっていたということ。それは、ハイプレスと謳いながら、そんなに強度のあるプレスをかけ続ける事が出来ていない、という事でもある。

もっと一人ひとりが、前線から、相手を「狩り込む」プレスを仕掛けなければならない。
まして、今日のような気温なら、それはやり易かったはず。
ミスを生んだ原因は? 焦ってしまった原因は?チームとしてなんだったのか。
来週のフクアリまでに、修正してもらいたい。

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そして、来週は、より多くのサポーターでフクアリを埋めてサポートを。
産みの苦しみからずっと応援していれば、それがモノになったときの思い入れ、何倍にもなりますよ。