ハイプレス無きハイライン 第7節 vs群馬 △1-1

ハイプレス無きハイライン 第7節 vs群馬 △1-1

先週に続いてのホームゲーム。
残念ながら、天候はまたも雨で観客も7,000人台止まり。
桜は咲いたけれども、なかなかジェフの開花宣言は出ないようです。

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さて、メンバーは下記の通り。
前節に続いて、ボランチには熊谷が入り、ディフェンスには多々良が復帰。
左サイドには、サリーナスが入りました。
特にディフェンスライン、なかなかメンバーが固定できないのは気になります。

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前節の京都戦後には、近藤から「自滅」という言葉もあり、巻き返しが期待されましたが、正直、この試合により強い思いを持って臨んだのは、群馬の方だったようです。
キックオフから、とにかく、がむしゃらに走る走る。

開幕から数試合は、キックオフと共にジェフがラッシュを仕掛けて、相手が面食らうという展開でしたが、この試合では完全に逆。群馬のラッシュに後手を踏み、ジェフは全くといって良いほどプレスをかけられず。

そして、ハイプレスの前提が無い状態でのハイラインがどれだけ危険かを露呈してしまいました。
試合展開を論ずる前の前半5分に、相手を褒めるべきかも知れませんが、相手の狙い通りに中盤で熊谷からボールを奪うと、高井は佐藤優の位置が高いのを見越して、センターサークル付近から迷わずシュート。これが見事に決まって、あっさりと先制を許してしまいます。

前節同様、相変わらずバタつく守備陣。
佐藤優は、この日もセーフティファーストとは程遠いプレーぶりで、なかなかチームを落ち着かせることが出来ません。キックはことごとくラインを割るか、相手に渡してしまうので、ボールを取り返すところから始めなくてはならない。ここは、見ていて大きなストレスでした。

そして、悪いことに攻撃陣も、前半はピリッとせず。
ミスパス、もしくは濡れたピッチに足を取られてしまったりと、思い通りにボールを操れず。
カウンターにも、スピードも精度も無く、正直、今季ワーストの前半の戦いぶりでしたね。

ラインを上げることだけに気が行っていて、プレスがかかっていないから、ボールの出しどころとタイミングを相手に支配されている事に気が付いていない。いや、分かっていても修正する術が無いのか。
もし、群馬がカウンターから掴んだシュートがバーを叩いた、あのプレーが決まっていたら、そのまま敗れていたでしょう。

兎にも角にも、最悪の前半を経て後半。

ジェフは、山本真に代えて、負傷の癒えた也真人を投入。
これが、攻撃のスイッチを入れます。
群馬がリードを守ろうと、少しラインを下げてカウンター重視に気持ちが行った事もあるのでしょう、後半はとにかく也真人を使って、そして彼も周囲を使って、動く動く。やっぱり、今のチームでは完全に王様は也真人。状況が一変しました。

特に、右サイドで北爪に出すパスが素晴らしい。
長年のコンビプレーもあるのでしょうが、北爪の上がりを引き出す間の図り方、パスの強弱。
そして、この日唯一となったゴールもここから。
也真人のパスから、北爪が抜け出て中へクロス、そして詰めたのは高橋!
ルーキーのゴールで、フクアリ全体が、沈滞した空気を吹き飛ばされ、一気に燃え上がる・・・と思ったんですが。。。何だか今日は、その燃え上がりが長続きしなったような。

前半から比べたらよいものの、フィニッシュの回数が少ない。
群馬がジェフ以上に必死だったのもありますが、崩しているけど、最後のアイデアが無い。
もしくは、プレーがワンテンポ遅れている。

交代で入った船山が放ったシュートも枠外。
ほか、幾つかのシュートシーンも、精度が足りず。
まだまだあると思っていた時間はいつの間にか過ぎて、タイムアップとなってしまいました。
うーん。

この戦術、先に書いたように、ハイラインはハイプレスとセット。
ハイラインは、プレスの一部であり、コンパクトなフィールドの中で、相手のボールを奪ってカウンターへ持ち込むための手段となっています。

それが、相手の強烈なプレスにこちらが負けた状態でハイラインだけを維持し続けたら。
それは、相手が狙い放題の「広大なディフェンスラインの裏のスペース」と言う、美味そうな餌を晒しているようなもので、最初の失点の場面に通じるように餌食にされてしまいます。チームは、ハイプレスが劣勢になった場合、どうやって状況を立て直し、本来やりたい形に持ち込むか、そのプランが必要だったように思います。

正直、この試合、ジェフの選手が限界まで走ってプレスをかけていたか?と言われたら、選手によってずいぶん温度差があったように思います。もっと出来ただろうし、やらない選手はスタメンとして選ばれるべきではないでしょう。そこには、このスタメンを選んだエスナイデル監督ら指導陣の責任もあります。

が、選ばれた選手達には、必死になって欲しい。
まさに情熱の部分で負けていたように思います。
走れていたか、最後まで追えていたか、当たれていたか、、、自分には、ユニフォームを掴もうが、ピッチの外にオーバーランしようが、スタミナ関係無しにやっていた群馬の選手の方が、戦っていると感じました。

そういえば、ジェフの選手が足をつる事がここのところは少ないような。
体力がついたんじゃなく、サボりどころを覚えたんじゃ困ります。

次節は、昨年しっかり走っていた山口が相手。
ジェフが、走れているかどうかを測るには良い相手では。

苦しい状況ですが、勝つためには、相手より多く走って、より多くシュートを放つ。
その為に、日々の練習を積み重ねて、相手を研究し、対策を思案する。
その繰り返ししかありません。

少し勝てないだけで、モヤモヤが溜まって来たなら、立ち止まって過去を振り返ってみるといいと思います。
特効薬は無いし、隣の芝生は青く見える。
今年は、このサッカーでやると決めたら、それを信じて熟成させる。
それしかないし、それで良いと思います。

次こそしっかり勝てるよう、一週間、いい準備をして欲しいと思いま
す。