チャンスを決めきった見木&サウダーニャ 2021 J2第16節 vs大宮 〇2-0

チャンスを決めきった見木&サウダーニャ 2021 J2第16節 vs大宮 〇2-0

2021/05/29(土)14:00
NACK5スタジアム
J2第16節
大宮 0(0-1,0-1)2 千葉

<得点>
40分 千葉 39見木(15チャンからのフィードを10船山が収め、大外を上がった3岡野がグラウンダーのクロス。ファーで詰めた39見木が合わせてゴール。)
52分 千葉 49サウダーニャ(49サウダーニャ→39見木→49サウダーニャ。2人のパス交換から、つま先でゴール。)

千葉公式
大宮公式
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久しぶりの更新。
前回の更新から1か月以上空いてしまいましたが、仕事が慌ただしかっただけなのでご容赦を。

アウェイ席が設置されるか、直前まで分からなかった大宮戦。
まずは、試合開催に尽力された関係各位に感謝。

大宮は、この試合前の時点で21位。
監督交代に踏み切り、元なでしこジャパン監督の佐々木さんが暫定監督に就任。
心機一転、巻き返しを図るという難しいタイミング。


この試合のジェフのスタメンは、前節とほぼ同じメンバー。
ただ、怪我の米倉に代わって、安田がスタメン。
サブには、溝渕、福満がメンバー入りした。

ホーム大宮は、オーソドックスな4-4-2。


初夏を思わせる日差しと暑さの中、14時キックオフ。
ゲームは、ホーム大宮のペースで進んでいった。

是が非でも勝ちが欲しい大宮が前からプレッシャーをかけて来たのは分かる。
が、そのプレッシャーをいなせず、前に運ばせてしまったのは、ジェフの攻撃の組み立ての雑さの方に要因があるように思えた。前を向いた時の選手同士の距離感が悪く、あまり「次」が考えられていない。大宮のプレスが速いのではなく、迷って考えているので、詰める時間を与えてしまっている感じだった。
ミスも多く、自ら大宮ボールにしてしまっている感じ。

それゆえ、前半はセットプレーが多く、特に序盤には相手にフリーで打たせてしまうシーンも。まず、ここで一つ大宮に助けられた。

時間が経つのが遅い。
ファウルが多く、試合がブツ切り。怪我の心配でヒヤヒヤする。

有効打は食らっていないものの、このままガードの上から殴られたまま終わるのかと思った40分。唐突に先制点が入った。ミンギュのフィードを船山が収め、右の大外からオーバーラップした岡野へ。グラウンダーで上げたクロスがファーへ流れたところに詰めていたのは見木。確実にインサイドで沈め、4戦連発。

大宮からすれば、流れは悪くないと感じていただろうから、ショッキングな一撃だったはずだ。

このシーン。
キーになっているのは岡野のオーバーラップ。
これまでの試合でも、攻め上がった時には決定的な仕事をしている。
右WBの選手ではなく、右CBの彼が上がって来ることで、分かっていても相手は防げない。
「意外性」をチームにもたらしている。
今日もそれが先制点に繋がった。

前半はこのまま1-0で終了。
逆の立場で、こういう試合はままある。
調子が上がらないとき、攻め立てているのに、なぜかスコアはビハインドと言う事が。

後半も、その大宮の不調からくる焦りが、試合の流れを決めてしまったようだった。
エンドが変わって50分。岡野が、前へのフィードを翁長に引っ掛け、それが黒木の前に。
新井章太と完全に1対1と言う絶体絶命のピンチだったが、シュートは枠をとらえない。
前半に続き、ここもシュートミスに助けられた形。

そして、流れは再びジェフへ。
52分。右で安田、サウダーニャ、見木と繋ぎ、DFに囲まれた見木が切り替えしながら、中央に進出したサウダーニャに繋ぐと、間髪入れずに、つま先でシュートを振り抜く。
意表を衝かれたキーパーの腕を弾いて、ボールはそのままゴール。

見木、サウダーニャ、2人の力でこじ開けてしまった。

2点リード。こうなると、もうジェフは無理をしなくなってくる。

暑さの中、コンディションも考えつつ、まず69分に田口から壱晟に交代。
さらに79分には運動量を給油するように、新井一耀、福満、岩崎を投入。
この交代で、新井一耀が3バックの真ん中に入り、ミンギュがボランチへと上がる。
昨年、一度ミンギュのボランチはあったはずだが、珍しい采配。
こういう選択肢もあるのか。

大宮は、途中からロングスローをこれでもかと繰り出して来て、なりふり構わぬ空爆作戦。
ただ、そのやり方だと、こちらも上背のある選手が大勢いる。
焦らなければ、ミスもそうそう起こらない。
確実にセットプレーを、一つ一つ処理。
ピンチもあったが、新井章太が足一本でゴールを許さない。

89分には、サウダーニャ→大槻で枠を使い切り、AT4分も無難に乗り切った。
2-0。アウェイで最大限の結果を手に入れる事が出来た。

最近の試合では、ただ籠って守るだけの終盤戦になっていない事も大きい。
サウダーニャが常にゴールを意識している事が、チーム全体の意識を守備一辺倒から、隙あらば追加点を奪う前向きなものに変化させている。

サウダーニャは、プレーももちろん素晴らしいが、キャラが明るい。
屈託の無い笑顔や、憎めないキャラが、停滞感があったチームを中から変えてくれているように思う。今日もイエローを貰ったし、頼り過ぎてしまうと、とも思わなくはない。が、そんな心配よりも、型にはまらず、試合に出ている限り、存分に自分の想い描くプレーをして欲しいと思う。

そして、もう一人。見木が4試合連続ゴール。
本人も、サウダーニャ、船山と組む前線のコンビに自信を深めているようだ。
プレーに落ち着きが出て来た。

これで5試合連続負けなし。
良くはなっている。
が、全体を通して見ると、まだ手放しで良い試合だったとは言えない。

一番の課題は、攻守の切り替え。
前半は特に組み立ての判断が遅く、それほど厳しくないプレッシャーであっても、ボールを失うシーンが多かった。

個々の選手の攻撃の閃きも、単発で繋がりが無い事が多い。

もう少しずつ、判断を早める事が出来たら。
塊感をもって攻める事が出来るシーンを増やせるのではないだろうか。
その意味で、田口への期待は大きい。シンプルにプレーする彼にボールが入るとペースアップする。願わくば、田口と小林のコンビが見てみたい。攻守に役割分担のはっきりした二人のコンビが実現すれば、課題の解決に繋がって来るのでは無いだろうか。

そこは、伸びしろとして楽しみにしている。