気持ちを巻き直して 第18節・甲府戦 

気持ちを巻き直して 第18節・甲府戦 

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前節、岐阜に敗れて一歩後退。
敗戦の原因は数あれど、一様に監督や選手達が挙げていたのは、岐阜の方が一つ一つのプレーに厳しさと覚悟があったと言うこと。この甲府戦では、その原点に立ち返って、ジェフのほうが相手よりも厳しさを持って戦えるかが鍵となった。

固まりつつあったスタメンには、少し変化が加えられた。
大介に代わって勇人がスタメンに復帰。
さらに、FWには怪我から戻った米倉が、ちばぎんカップ依頼となる先発となった。
木山体制では、米倉はFWとして起用される事が多くなっている。

-米倉--藤田-
兵働----田中
-健太郎-勇人-
武田----大岩
--智--竹内-
---岡本---

 
純国産の布陣。
ベンチでは、レジナルドが今日はメンバーに入らなかった。

対する甲府は、ここまで13得点のダヴィを筆頭に、ピンバ、ドウグラスの3人のブラジル人を先発に起用。
2トップは、そのダヴィと長身の高崎。馬力のある、J2では強烈といえる前線。
中盤では、オミがボランチとして起用され、また、厄介な事にサブには、「小瀬キラー」の孝太が、ウズウズしながら出番を待っている。

そして、審判は家本。
さて、どう言うゲームになるか。


ゲームの序盤は、やや甲府よりのゲームだった。
2トップに力があるだけに、「任せた」と言わんばかりに、アバウトでもボールが出てくる。
いいボールでなくても、それなりにシュートにまで行けてしまう。

さらに、城福さんが作り始めたチームだけあって、繋ぐ意識が高い。
おそらく、オミがボランチと言うのも、「繋ぐ」意識をピッチで体現するためだろう。
蹴り方が何となく阿部に似ているインサイドキックで、
時折、 こちらのディフェンスを縦に破ろうと仕掛ける。

加えて甲府の、逆サイドへの大きな展開が良く通る。
こちらの両サイドの位置取りが高く、裏にスペースがある事を見越して、そこをしっかり突いて来る。
武田のサイドが特に狙われていて、相手も、こちらの守備がそう1対1で強くない事を見越して積極的に仕掛けてくる。無理矢理でも、クロスを上げれば、その先にはダヴィと高崎だ。容易にピンチになる。

そう言うシーンが何度かあり、竹内や、智が引っ張り出される危ない状況を作られる。
しかし、そこは智、竹内、そして最後は岡本が潰して、簡単には失点を許さない。

そうこうしている内に、先制点は唐突に入った。
前に出ようとする甲府の裏を、逆にこちらも狙っていた。
甲府の繋ぎのパスは、ミスになれば、それは一気にピンチを招く性質のものだ。

先制点の場面は、そう言うパスをカットして、それを右から駆け上がる田中に兵働が通し、最後は米倉が合わせたショートカウンター。一瞬、米倉がゴールが認められていないようなアクションだったので、見ている方も、決まったの?と、一瞬間が空いてしまったけれども、リプレイを見れば綺麗なゴール。
ヨネは、怪我からの復帰で、ようやく今季初得点。復活を告げるゴールになった。

この先制点が重く響いたのは甲府だったようで、その5分後には、今度は裏に抜けた米倉を倒してPK。
これを智が冷静に決めて、2-0にリードを広げる。

さらに、前半終了間際には、ドウグラスが藤田をバックチャージで倒して、一発レッド。
ガッチリ組む前に、何だか相手の方が自滅を起こしてしまった。

後半、スクランブルで投入された孝太や、前線で暴れるダヴィらがゴールに迫るものの、正直単発で怖いと言う程ではない。 孝太は必死だったけれども・・・人数が少ない中では、持ち過ぎれば潰されてしまう。
孝太が裏に抜けられるようなボールは、ほとんど出てこなかった。

反対にジェフは、ヨネに交代して、地元出身の深井を投入。
深井正樹後援会が、大いにアピールしていて普段以上に発奮したか、田中と2人で切れ味鋭いカウンターを仕掛ける。最初は、田中が深井に譲り、その後は深井が田中に譲りと、惜しいチャンをを作るものの、最後の詰めが荒くなってノーゴール。

それ以外にも、田中の1対1や、サトケンのミドルと言ったチャンスもあったものの、スコアは動かず。
後半は、無理をせずにアウェイの勝ち点3を確保と言ったペース配分で、「大脱走」で締め、勝利をもぎ取った。 

前節から、上手く気持ちを切り替えていたと思う。
甲府が自滅した感もあるものの、ゲーム運びに危なげは無かった。
先制点を獲るまで、ゼロに抑えたのも、守備陣の局面での集中だけでなく、藤田をはじめとする前線や中盤の守備がサボらずにやっていたかたこそだろう。

その中で生まれた、米倉の復活弾も大きな意味を持つ事になった。
前線でのフィニッシュと言う意味では、レジナルドに大きな期待がかけられていたと思うが、残念ながらここまで、そう言う活躍にはなっていない。米倉の復活は、フィニッシュへの解決をもたらす可能性がある。
これから先の上位対決には、頼もしい復活になった。

最後に、甲府は一月後にはホームで対戦がある。
今日の前半の入りを見る限り、やっぱり力のあるチームであることがわかる。
あのサッカーは、時間はかかるけれども、ダヴィと言う決定力もある。
その時までに、さらにこちらの完成度を上げなければ、ホームで返り討ちに合うのは、我々になってしまうだろう。
木山監督の修正に期待したい。