“最後まで諦めない子”巻誠一郎、ドイツへ。

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オシム監督語録より。


■2003年2月14日 新加入選手会見後の懇親会で新加入選手のご両親に


あなたは、息子さんを「最後まであきらめずに走る子供」に育てましたか?もしそうでなければ期待をしない方がいいでしょう。もしそうなら、私が責任を持って育てます。


これに、「それだけは自信があります」と答えたのが巻のご両親。
それから、3年半。巻誠一郎がドイツ・ワールドカップに出場する。



努力は必ず報われるという事を、その身を持って示した巻。発表があったとき、涙が自然に出て来た。
1年目は、背が高い・ちょっとヘディングが強いだけのFW。ヨンスさんの陰に隠れ、息も絶え絶えに必死にボールを追いかけていた。
2年目は、少しずつ体力がついてきて、一試合通して走れるようになってきた。でも、シュートは撃てない。決まらない。マルキの陰、サンドロの陰。
3年目、ようやく先発の座を得た。ハースと言う相棒を得て、点が取れるようになって来た。それが認められ、代表に選ばれ、新しい目標に向かって走り始めた。けれども、マークが激しくなる中、後半戦はロクに点も獲れなかった。批判もされた。自惚れ始めてるのでは?とも言われた。それでも、チームのために戦った。
そして4年目、はっきりと代表を目指すようになった。代表でもチームとしての勝利にこだわって、前線で身体を張って戦い続けた。1トップ。ハースを見習ったポストプレイも、格段に上手くなった。巻を代表に行かせたいチームメイトの力を借りて、ジェフで結果を出し続けた。諦めなかった。どんなに不利といわれても。何と言われようと。世論が彼の背中を推し始めた。周囲が諦めようと、悲劇のヒーローを作り出そうとしても彼だけは諦めなかった。


おめでとう。巻。本当におめでとう。
努力は報われる。ついに、ワールドカップだ。


そして、これからはいろいろな人たちの想いを背負う。
阿部の、寿人の、村井の、選ばれなかった全ての選手たちの、彼を支えた両親・家族の、彼を育てたオシム監督の想いを、全てのサポの日本国民の期待を背負って戦う。そして、それに応える義務がある。


行って来い!巻誠一郎。ドイツへ!
ドイツで全ての力をかけて戦って来い!


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