祖母井部長退任?サポーターは何が出来る?

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「東欧路線」「下部組織の強化」、オシム監督の指揮による「考えて走るサッカー」のチームカラー化。この10年間、低迷期の批判も、躍進の賞賛も、この人と共にあった。チームの「方針」の根幹、祖母井チーム統括部長が退任し、仏2部グルノーブルのGMに就任すると言う。報知には、アマル監督の代表スタッフ入り、岡田前横浜監督への来期監督就任打診と言う記事まである。
俄かには信じがたいニュースだ。


前々からおかしな空気は流れていた。
オシム監督の協会による引き抜き以来、チームの中に生まれた亀裂。7月の説明会で、淀川社長と祖母井部長は同じ方向を見ようとはせず、会場を後にする時も別々だった。今にして思えば、既にあの時から、この流れは出来ていたのだろう。


オシム前監督と、祖母井部長、アマル現監督、間瀬通訳らスタッフ陣、そして叩き上げの選手達はジェフにとってかけがえのない財産だ。それらをまとめて失いかねない状況になっていて、それを傍観したかのようでいる淀川社長ら上層部。自らが祖母井部長の代わりが出来る訳でもあるまい。前監督の退任時の説明も不十分なまま、この責任をどのようにとるつもりなのだろうか。


失っても、失くしてはならないものがある。
古河ではなく、ジェフがジェフとして積み上げてきたこの十数年の歴史。資金が豊富で無くても、知恵と工夫でジェフは「ジェフらしさ」を積み重ねてきた。低迷期に「辞めろ」と自分も声高に祖母井部長を非難した。けれども、自分のようなサポーターの声にも信念を曲げる事無くチームを変え続け、そして多くのサポーターに支持される現在のジェフのサッカーを作り上げた祖母井部長。彼が目指した路線をジェフは決して曲げてはならない。


たとえ結果が変わらなくても、クラブに伝えなくてはならない事がある。
祖母井部長は必要であると、アマル監督の下に選手の人心は結集していると、そして祖母井部長が目指した理想に、サポーターもクラブの将来を希望を重ねていると。それを伝えられなくては、クラブを動かさなくては、この10年の積み重ねは跡形も無く消えてしまうだろう。祖母井部長がかつて話したように、彼が例え去る事になっても、ジェフのチームカラーは受け継がれなくてはならない。


この時期にこんな話題が出るのはおかしな話だ。
けれども、この時期だからこそのメッセージを感じる。例え結果は変わらなくても、まだジェフがジェフであるために何かが出来るんじゃないかと。その時間を与えてくれたのではないかと思う。


祖母井部長・アマル=オシム監督の留任を支持し、祖母井部長が積み上げてきた方針を支持すること。祖母井部長を、あっさりと手放すようなフロントには「No」と言うこと。やれる事を、やるしかない。何が出来る?


<ニッカン> <報知> <スポニチ>