先制しても、さらに前へ。 第20節・徳島ヴォルティス戦

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三年連続で荒れた天気だったのに、今年は好天とは(苦笑)
徳島遠征された皆さん、お疲れ様でした。

さて。

ゲームの入りは、上手く行ったものの、先制点と共にペースダウン。
逆転負けした長崎戦のリプレイを観ているかのよう。
染み付いた悪癖は抜けず、とにかく勝てて良かったという試合だった。

今日はスタメンにまず驚かされた。
大塚が先発。ようやく巡ってきたチャンスを彼がどう生かすか、のっけから楽しみがあった。
その反動でか、ジャイールがベンチにもおらず、田中はベンチ。

さらに、前節15分で交代した勇人が、ベンチスタートとなり、代わりに大介が入った。
サテライトで出番を待っていた二人、峻希も含めれば三人が入れ替わったわけだ。
(大岩頑張れ)

キックオフと共に、攻勢に出たのはジェフ。
と言うか、徳島の動きが鈍い。
チェックがゆるゆるで、ジェフの選手が苦も無くボールを回せてしまう。
これ幸いとばかりに、ジェフはケンペスに楔を入れて中央で起点を作りつつ、一旦一列戻して、右の米倉や左の谷澤のクロスから守備を切り崩そうと試みる。

徳島も警戒はしていたのだろうが、あっさりと形を作らせてしまう。
兵働→米倉とボールが繋がり、クロスに飛び込んだ大塚がシュート。
決定的だったものの、当たり損ねて先制点のチャンスを失ってしまう。
勿体無い。
チームとしても、大塚自身にとっても。

さらに攻め続けるジェフは、 ケンペスがヘディングシュートで狙うも枠外。
攻めながら、点が奪えない嫌な展開。

これ以上逸機が続くと、流れが変わってしまうと心配し始めた矢先、
思いがけない形で先制点が決まる。

兵働からの浮き球を、ケンペスがトラップからオーバーヘッドしようとするもののクリア。
そのクリアボールを、兵働が左足一閃、キーパーが一歩も動けない弾道でシュートを突き刺す。
「えっ?入ったの?」
あんまりにもキーパーが反応しないものだから、外かとも思ったけれどしっかりゴール。

さらに、このゴールの直後にも、智が強烈なミドルを放って、徳島ゴールを脅かす。
ここまでは良かった。

ここまでは。

続ければ良いのに、ここからみるみるペースが落っこちる。
一点とってセーフティって気持ちがどんだけ強いんだか。

智のミドルシュートから後の攻撃のシーンのイメージが全然思い出せない。 
だんだんバックパスのシーンが増えて、前に出せば良いのにって場面で、一歩も二歩も判断が遅れるシーンばかりが続くようになる。大塚も、大介も、全体の流れが良い時は、印象に残るプレーがあったのに、「あれ?どこに居る?」って探さないと見つからないような、無難なプレーに縮こまってしまった。

そんな流れのまんまに後半が始まり。
そして、これはまずいと言う流れのままに、試合は進んで。
案の定と言いたくなる、同点弾を叩き込まれてしまう。

まずい、全くをもって長崎戦と一緒だ。
長崎ほど徳島は走ってないから、まだ怖さは無いけれど、同点に追いついたことで勢いを戻されたら、押し切られてしまう。どうやって、もう一度スイッチを入れる?そんな思いを巡らし始めた時だった。

クリアボールを拾った大介が、戻りオフサイドを掻い潜ったナムにボールを預けると、中盤の深い位置から一気に駆け上がった大介がもう一度ボールを受け直して、勢いのままにシュートを突き刺してしまった。
これは、大介らしさが出たナイスプレー。
やればできるじゃない。いつもこうでなきゃ。

反転攻勢に出ようとする徳島の出鼻を挫く、大きな追加点。
ゲームの流れは、再び混沌。

かといってジェフも、ペースは上がらないままだった。
ケンペスを後半早々に下げた事で起点を失い、0トップ状態が、あまり機能していなかった。
交代で入ったナムは、良いシーンもある反面、追っかけてプレッシャーをかけて欲しいシーンであまりボールを追わなかったりするので、徳島が余裕を持って攻撃を組み立て直せてしまう。

大塚も、中盤深くに戻ってしまうシーンが多くて、いまいち攻撃に絡みきれない。

リードを奪った後は五分の展開だったが、徳島には二度決定機があった。
オフサイド崩れで、ドフリーで撃たれたシュート、 そして交代で葉入った高崎に撃たれたヘッドだ。
どちらも、精度を欠いたおかけで助かったものの、失点していてもおかしくなかった。

何とか勝てて、勝ち点3を奪えた事は良かったものの、手放しでは喜べない。

本当に勿体無いのは、ゲームの入りが上手く行っても、それを自ら手放してしまう事だ。
守りに入って、無難にゲームコントロールできた試しなんてこれまでほとんど無い。
先制点を取った途端に、「もう無理して攻めない!」と、殻に閉じこもってしまうゲームを繰り返している。

弱気な気持ちを振り払って、もっと自分達の時間を長くして欲しい。

出場機会の少なかった選手達が試合に出れて良かった反面、悪い癖まで一緒になって身につける必要は無い。
大塚、大介、峻希、試合に出れなかったヤマトも。
自分が結果を出すんだって強い気持ちを持って、チームを引っ張って欲しい。
遠慮はいらない。やれるはず。