ジェフで戦う意味。背中で伝える勇人 第16節 vs愛媛 ○4-2

ジェフで戦う意味。背中で伝える勇人 第16節 vs愛媛 ○4-2

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乾の初ゴールも、真希のゴラッソもあった。
けれど、今日の試合のMVPは勇人だと思う。

何より、気持ちがこもっていた。
泥臭く、粘り強く、戦っていた。
乾、岡野、高橋、若い選手がスタメンを張る中、ジェフで戦う事の意味を、プレーで語っていた。
ユース時代から、彼のプレーを観てずいぶん年月が経つ。
あとどれだけ自分は勇人のプレーを観られるのだろう。
勇人のプレーには、ただの一試合以上の重みがある。

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この日のスタメン、3バックでのスタートだった。
勇人は、重用されていた熊谷に代わってアンカーの位置に入る。
乾が左WBで初スタメン。也真人もスタメンに復帰した。

相手は、間瀬監督率いる愛媛。
秋田時代に見せた手腕は確かで、戦力的に厳しい見方もされていた愛媛を躍進に導いている。
選手として、通訳として、そして指導者として。
日本に二人といない経歴の持ち主。
これからの日本を背負う、若き指導者の一人になるべき人だろう。

その間瀬さんの愛媛。
非常にコンパクトでプレッシングが速く、ジェフはラインが高く維持できず、苦戦を強いられた。
ここのところ機能していた4バックから形を変えた事もあると思う。
失点も、3バックの外側のスペース、WBの裏を見事に崩されたもの。
スカウティング通りに、先制点を許してしまった。

ここで怖かったのは、失点に慌てて、バランスを崩してしまうこと。
実際、直後のプレーで、佐藤優也がボールの処理を誤るなど、バタつきそうになる瞬間はあった。
けれど、ここで崩れ切らなかったことが、この後の反転攻勢に繋がる。

目立ちはしないが、勇人をはじめ、他の選手たちも中盤で愛媛の選手と戦うことを厭わなかったこと。
それが大きかった。

徐々に失点の動揺から立ち直り、前線の指宿を基点に、いくつかのチャンスをつくると、31分。
ジェフの攻勢。ペナルティエリア内でボールをキープした清武が振り返ってクロスを送ると、指宿の後ろに詰めていた乾が渾身のヘディングシュート。これが決まって同点に追いつく。

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乾は、J初ゴール。
かつての、トーレの後ろに竹内のような、相手の意表を突く二枚刃の攻撃で、早い時間にゲームを振り出しに戻した。

すると、ジェフの勢いが増し、さらに素晴らしいゴールで逆転する。
大きなサイドチェンジを右で受けた山本真希。
これを、前に居た也真人に預けると、それを也真人がヒールで浮かせる。
阿吽の呼吸で、そのまま走りこんでいた真希が左足を振りぬくと、弾丸のようなシュートがニアを衝いてネットに突き刺さっていた。あんなコース、あんな勢いのシュート、世界の名手でも弾けるまい。
それほど、鮮烈な一撃だった。

長崎戦の清武→指宿→清武も素晴らしかったが、このゴールも素晴らしい連携だ。
今季途中からは、右のSBやWBと、慣れない、難しいポジションを任されているが、黙々とプレーし、結果を出している。

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さらに、44分には、清武が2人のマークを受けながら豪快なミドルシュート。
キーパーがかろうじて弾いた先には也真人。
流し込むだけで、3-1と、一気にリードを広げて前半を終えることが出来た。

初めての逆転。
「やられたらやり返す」が、16節にしてようやく出来た前半だった。
当たり前の話だが、不用意なミスをなくして、チーム全体が闘えていた事が、前半の好プレーに繋がったと思う。

そして後半も、大きくペースを崩さずにゲームを作ることが出来ていた。
前線では、この試合も指宿が目立っている。
とにかく、しっかりキープして、タメを作ってくれるのが大きい。
彼が居るだけで、プレーの選択肢がいくつも増えるし、シュートまで持って行ってくれるし、高さがあるから攻撃でも守備でも単純に高さを生かせる。こんな重宝な選手、なんで新潟が出してくれたのか理解できないが、やっぱり合う、合わないと言うのがあるのだろう。
どうやら、指宿は、今のジェフに合う選手のようだ。

4点目はセットプレーからだった。
清武のコーナーを、指宿が前でつぶれて、その後ろの近藤がバックヘッドで合わせて追加点。
4-1として、更に点差を広げる。

この状況に、間瀬監督の動きは早く、4点目が入る前、59分までには3枚のカードを切ってしまう。
それは、決して諦めない、勝って変えるという強い意志。凄みのようなものを感じるものだった。

対するジェフは、時間を考えながら交代に入る。
乾に変えて大久保を投入し、ボムヨンを左WBへ上げる。
この交代は、守備のバランス、スタミナを意図したものだろう。

その次に、也真人に代えて熊谷。
アンカーと違って、一列前で高橋と並ぶ形になる。
より攻撃的な位置で、冴えを見せてくれる事を期待したが、残念ながらあまりゲームに入れていなかった。スタメンを外れたことに、危機感を持ってもらいたいものなのだが。

ただ、次の交代はアクシデントだった。
近藤が接触プレーで落下した際、肩が外れたか、そのまま担架で担ぎ出されてしまう。
ジェフは、船山を投入。

大久保 近藤 岡野 の3バックから、ボムヨン 大久保 岡野 山本真 の4バックにチェンジして、アクシデントを最小限に止めようと修正を施す。が、その変更が落ち着く前に、愛媛はスローインからダイレクトに繋いで、小島がシュート。ディフェンス、キーパーが当たりながらも、勢いのあるシュートが決まって、2点差に迫られてしまう。

それでも、この日のジェフは崩れきりはしなかった。
この時間でも
、勇人はつぶしをしながらも、前線に攻め上がる機会を伺い続け、
右サイドでは山本真希が限界を超えるようなスプリントを見せている。

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攻め続ける姿勢を失わず、指宿が山本真希のクロスに大きな身体を投げ出して飛び込み、
コーナーキックからの変化で、勇人がミドルを放つ。

愛媛も、最後まで攻め続け、互いに「攻め合い」でゲームがクローズしていった。
4-2、逆転で勝利を収めることが出来た。

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試合後、選手達が回ってきて、その先頭で勇人がスタンドを見上げながら手を叩いていた。
その後ろで、若手選手たちが勝利に喜び、はしゃいでいた。

実戦の中でしか伝えられないものが、あると思う。
そして、勇人でないと伝えられないものもまた、あると思う。
羽生が何かを伝えるために今季戻ってきたように、彼らには若手に伝えられるものがある。

願わくば、一試合でも多く、こう言う試合をみたい。
今日のゲームの勇人のプレーに、若手は何か感じるものがあったはず。
それを自分の中で大きくしていって欲しい。

チームは次節、今季初の連勝に挑む。
その中心に勇人が居れば、きっと良い結果を持ち帰って来てくれるだろう。

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