いきなりの正念場 第3節 vs岐阜 ●2-3

いきなりの正念場 第3節 vs岐阜 ●2-3

ちょっとずつ、何かが噛み合わない。
おかしい、こんなはずじゃない。
フィールドの中もそうだったし、スタンドもまたそうだった。

昨年の悔しさを晴らすべく、誰もが今季に全力を注いでいる。
フロントは補強をこれでもかと行い、
現場はシーズンを最速で始動させ、厳しい練習で選手達を鍛え上げた。
昨年をベースにより強力になったチームは、
油断無く初戦から目の前の一勝だけを目指して泥臭く戦う。。。はずだった。

ちょっとずつ、何かがおかしい。
開幕戦、いきなり増嶋が退場となり、ゲームプランが狂った。
一人少ない中、追いついたのに、突き放された。

ホームで仕切り直しだと意気込んだところで、
試合に入る前に、審判のユニフォーム交換があった。
何か、気勢が削がれてしまった。

エルナイデル監督が退席処分を受け、
いつもの声がベンチからかからない。

近藤主将が負傷してしまい、センターバックが三試合連続で、
同じメンバーを組むことが出来なかった。。。

小さなモヤモヤが、重なっている。
その間に時間は過ぎ、3節が経過し、勝ち点はわずかに1。
3連勝したチームとの差は、既に大きい。
結果が出なければ、焦る。試合運びにもそれは出る。自信が失われてしまう。
サッカーは、メンタルなスポーツだ。
小さなひび割れから疑いが噴出し始めると、途端に、力を出せなくなってしまう。

が、ジェフに力は無いのだろうか。
そんな事はない。

去年の積み重ねは、確実にチームの中にあるし、
こなしてきた練習も裏切らない。
必要な補強もやった方が良いに決まっている。
負けているのは、自分達自身を信じきれていないからだ。

開き直ろう。
まず目の前の一勝の為に。相手を分析して、弱点を突き、
その上で自分達の出来るサッカーをぶつける。
その原点に戻ろう。

厳しいシーズンスタートになったけれども、これを誰かのせいにしていては何にもならない。
みんな悔しい。みんな困惑してる。みんなでこの苦しさを背負って、戦わないといけない。
瑞穂の悔しさは、まだみんなの中に赤々と宿っているだろう。
「Stand and Fight」 3節なんかで、ぶっ倒れる訳にはいかない。

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前置きばかりが長くなった。
ゲームを簡単に振り返りたい。

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スタメンは上記の通り。
前節からは、鳥海に代わって、増嶋がエベルトと組む形になった。

序盤から、試合はイーブンな展開。

ジェフは、手数をかけ過ぎる。
昨シーズン終盤、シンプルにフィニッシュまでいけるようになった攻撃が影を潜め、とにかく手数が多い。何度か、矢田から大きな展開で左の為田にボールが出て仕掛けるも、途中で引っかかってしまう。
試合を通じてそうだった。
ジェフは、繋ぎ過ぎる過程で、相手の身体を張ったディフェンスに阻まれてしまい、流れある攻撃がなかなか出来ない。そのうち何本かは、コーナーキックになるのだが、相手がコーナーキックを嫌がっていないようにも思えた。ジェフのコーナーは精度がない。やらせておけと。

対する岐阜は、シンプル。
ボールを奪うと、ジェフのディフェンスラインの裏に蹴ってくる。
ヴェルディ、水戸、そして岐阜、やられていることは一緒だ。
やはり、相手の球の出所を潰さないといけない。

が、ハイプレスになっていない。
むしろ、相手の方が激しく、厳しいプレスに感じてしまう。
潰せず、ボールを送られると、一発でピンチになる。

ジェフは各駅停車、相手は特急か新幹線のようだ。

もどかしい展開だったが、前半、茶島が、ラリベイの落としから一回切り返しを入れてシュート。
これが決まってジェフが先制する。

流れに乗れるかと思ったが、岐阜は大崩れせず、同じ展開が続く。
大木監督、さすがに冷静。
特に田中パウロをはじめ、岐阜の前線のチェイシングが厄介で、ボール回しに余裕が持てない。
前節もそうだったが、近藤の不在に加えて、ロドリゲスが組み立てに加わることで、安易なバックパスが増えている。そこを、相手に狙われてしまっている。優也だと、何か危なっかしいから前に蹴っておくか、、、と言うボールが後ろに戻って来て、ラインが下がる。

結果、ラインが深くなる。
今日は、岐阜の方がラインが高かったんじゃないだろうか?

そうこうしているうち、岐阜陣内からの大きなボールを、山本真がクリアしそこない、
抜け出されて、キーパーと1対1に。折り返されて、田中パウロに決められて同点に。
ジェフは、あんなに苦労してようやく崩したのに、このプレーで1点と言うのが、何ともやりきれない。

前半は、1-1で終了。
メンバー交代なし。
後半へ。

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也真人のキャプテンマークが、なんだか東美の着けてたそれと被る。
何だか悲壮感を感じてしまうんだ。

選手層は厚くなった。
けれど、今のフォーメーションで、也真人が活きているように映らない。
ジェフの10番の位置はそこなんだろうか?
もっとゴールに近いところで、タクトを振るって欲しい。
そう思えてならない。

試合展開は大きく変わらない。
しかし、先にスタミナを失って行ったのはジェフだった。
繋いで、繋いでの各駅停車と、前が開けたら、シンプルにかっ飛ぶ岐阜とでは、疲れの質が違う。
ジェフは、身体も頭も疲れているようだった。
加えて言うなら、「なんでうまくいかないんだ!?」と誰もが焦っているような。

ミスから岐阜に追加点を許し、逆転される。
これも、あっさりと決められてしまった。

清武、船山、指宿を投入して、反撃をするジェフ。
この展開を、この3試合、同じように見てい
る。
彼らが入ると、「戦う」事が出来るようになる。
単純なフィジカルでもそう。身体に当たられないように、ボールを繋ぐのではなく、身体を当てられても、強引にボールを前に運べるようになる。

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チャンスは何度もある。
けれど、シュートを撃てた、振り切れた機会は何度もない。
その何度目かで、指宿のクロスに清武が転がり込んで同点とする。

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沸き立つスタンド、「さあ、これからだ」と言う機運。
が、この日にフクアリは、最後まで劇場足り得なかった。
ロスタイムになろうかと言う時間帯に、風間に前を向かれて、ミドルを叩き込まれる。

なんでこんなに簡単に。
いや、なんで、ボールを持った彼に、あんな場所で足を振り切らせてしまうのか。
結局、ボールの出しどころを押さえ切れなかった、その問題が、敗戦に直結してしまった。

素人考えだが。
近藤のラインコントロールを欠いている今は、去年の開幕頃と同じような不安定なラインになっている。しかも、ハイラインを意図的に作れず、オフサイドも誘えず、守備的に悪い面ばかりが出ている。

ロドリゲスの足技は活かしたいが、今は中盤が間延びすることを防ぐ為に、
意図的にラインを高くするようにし、プレスと、オフサイドで相手を潰す、
基本の戦い方に立ち戻るべきだと思う。

安易な逃げのバックパスに、ジェフの将来は無い。

そして、監督的には不本意かも知れないが、去年の終盤のハマった形に戻す事も考えて欲しい。
(たぶん、エスナイデル監督は、なかなかそうしないとは思うものの)
今の形は、ちょっと皆が考えすぎているように思うし、
相手から、容易にディフェンスラインの裏へボールが出てくる状況へのケアは必須だ。

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対戦チームは、ここまでの3試合を分析して、当然同じようなことをやってくるだろう。
そこで、何の改善もせずに突っ込んでは、シーズン全体の致命傷になりかねない。
泥臭く、一つの勝利を掴むべく、やれることをやって臨んで欲しい。

次は徳島。またも強敵だ。