5/27(土)・練習試合・鹿島アントラーズ戦

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久々の出稽古。鹿島でアントラーズとの対戦だ。
雨の予報だったが、幸い東関道を進んでいくほどに天気が良くなってくれた。


鹿島クラブハウスのグラウンド。前にサテライトで来た事があったはずだが、たぶん数年ぶりのはずだ。相変わらず芝は綺麗で、地元の観客もまた多い。自然にクラブハウスに人が集まってくる様子から、この地域とクラブの関わりの深さが垣間見える。
とりあえず席を確保すると、岩政やアレックス・ミネイロが軽いランニングで汗を流していた。リハビリなのかも知れない。


千葉1(1-1、0-1)2鹿島


【得点者】
前半38分:和多田[※練習生](左から楽山のクロスをヘディング)


【前半】
千葉:SH06/CK03/FK09/GK04/PK00/OFF03
鹿島:SH06/CK00/FK08/GK05/PK00/OFF02


<試合開始時>


--要田--和多田-
----工藤----
楽山------水野
--伊藤--松ヶ枝-
-竹田-中島-藤田-
----櫛野----



結果は負けだったが、収穫のある試合内容だった。
トップ出場経験者の多いジェフがゲームの流れを全体的に支配しつつ、カウンターで鹿島が鋭い攻撃を仕掛ける展開。ジェフはパスを繋ぐ意識が強く、鹿島はまずドリブルで勝負して持ち上がって、詰まったらパスで打開を図る戦い方だった。


ジェフは、トップ同様のマーキングで相手の自由を奪い、奪ったら戻してから左右に大きく展開して、サイドから攻撃を仕掛ける。鹿島の両サイドは、かなりスカスカで、こちらは、基本的にウイングバックのラクか水野が1枚で構えているのに、簡単にサイドチェンジが足元に収まる。
そこから中に切れ込んで、シュートと言うシーンが試合を通じて多くあった。


序盤戦は、特に水野と藤田が絡んで右からチャンスを作るシーンが数回あった。藤田は、反対サイドのラクへの大きなサイドチェンジを何本か決めており、怪我からの復帰と同時に試合勘の回復も感じさせてくれた。


他の選手達も、全体的に運動量もまずまずで、ボールを奪ってから攻撃の枚数が少ないと言うシーンもほとんど無かった。ただ、前半の多くの時間で和多田と浩平は消えてしまっていた。和多田は、怪我の影響があるのか、身体が重い。自分の頭が「こうプレーしたい」と思うイメージに、身体がついていっていないように見えた。


流れを掴みつつある序盤戦、そろそろ先制点が欲しいと思い始めた時間帯、21分、逆にシュートを決められてしまう。鹿島のペナルティエリア左で、中島からのパスを受けたラクが、中に向けてドリブルを開始する。シュートコースを区切られ、パスの出し先を探していたところで、目の前にいた松ヶ枝にボールを預けようとする。
ところが、このパスが松ヶ枝に届かずに、一気のカウンターを受け、独走されて櫛野までかわされて失点してしまう内容がまずまずだっただけに、惜しい失点だ。ミスからの失点ではあるが、鹿島の選手のボールを持ったら勝負する・自分が決める意識も素晴らしかった。


反撃を試みるジェフは、24分にゴール前正面からのFKをコーキが上手く巻いて決めたかに見えたがサイドネット。さらに27分には、ラクがまたも左から中に切れ込みつつ、マルセイユルーレットのように一回転しながらシュートを放つものの、ブロックされる。こぼれ球に伊藤が詰めたところでファウル、FKをラクが狙うものの、失敗。惜しいチャンスが続くも、決定打が出ない。


ジェフ攻勢の間にも、鋭いカウンターが何度も繰り出される。
練習生の外国人選手は、たぶん左MFだと思うのだが、ほとんどポジションに縛られずに、自由気ままにやっている。キープ力があり、スルーパスを出せるので、ここにボールが収まると、少々厄介だった。連携が整っていないので助かったが。


ようやく同点に追いついたのは、38分。
左サイド、ペナルティエリアの角あたりからラクが中へクロスを上げると、それまで全く消えていた和多田がヘディングでゴール。


そして、このタイミングで、藤田に代わってミツキが出場。
プレーを観るのは本当にひさしぶり。チーム全体を引き締めるように、大きな声を出して周囲に指示を伝える。そして、ラクがボールキープすれば、それを追い越して一目散にオーバーラップを仕掛けていく。のっけから、いきなり“らしい”プレーを見せてくれて嬉しくなった。ここで、前半終了。



【後半】
千葉:SH10/CK01/FK09/GK03/PK00/OFF03
鹿島:SH06/CK02/FK05/GK06/PK00/OFF04


<試合終了時>


--金東秀-和多田-
----加藤----
楽山------松本
--伊藤--工藤--
-川上-中島-松ヶ枝
----岡本----


<鹿島>
※後半開始時。前半不明。
※練習生はブラジル人と思われる、若手選手。


-佐々木--田中--
練習生-----大道
--吉澤--中後--
山本------後藤
--大岩--羽田--
---曽ヶ端----


後半、ジェフは晃樹に代えて、まずマツケン(松本)を投入。
テクニカルに単騎での突破が出来る晃樹に対して、マツケンはまだ直線番長の突破だ。周囲に活かされて、初めてそれが活きる。投入直後は、コンビネーションも悪く、なかなかチャンスに絡めなかったが、時間の経過と共に、徐々に良さが出てくるようになる。


ジェフ最初のチャンスは浩平から。7分、右中から左前に走りこむ要田にスルー、完全な1対1だったが、枠にもボールを飛ばせない要田。さらに、10分にも中央でボールを受けた浩平が和多田を走らせようとするが、和多田は走らずに、引いて足元にボールを要求。逆にワンツーから浩平を走らせようとするが、時間をかけ過ぎてカットされてしまう。


このプレー直後、こぼれ球に喰らいつき、何とかカウンターを防いで攻撃に繋げるミツキ。
復帰直後なのに、やや飛ばし気味にも見えるプレーが続いた。


13分にも、ラクから和多田にボールが出てシュートまで行くが、曽ヶ端が落ち着いてセーブ。


16分、要田out→韻in 櫛野out→岡本in(たぶん)
この頃から、急に雨が降り出し、一斉にスタンドの鹿島サポが屋根つきのエリアに逃れる。傘を広げる間に、曽ヶ端から「雨降ってきたけど、集中切らすなーー!!」と大きな声が聞こえてきた。


19分には、韻のシュートからコーナーキック。さらに、マツケンからミツキに繋いでシュートと、チャンスを作るジェフ。ところが、良い時間帯にまたもカウンターを喰らってしまう。例の外国人練習生に抜け出され、ペナルティエリア深い位置で余裕を持ってキープされ、佐々木?が落ち着いて流し込んで勝ち越し点を奪う。手数が少なく、抜け目の無い攻撃だ。


このくらいの時間帯で、攻守の切り替えの不味さが目立つ。
特に近くに居たから目立ったのだろうが、松本が攻撃で力を使い果たして、戻ろうとしない。チーム全体が前がかりになって、守備の意識の少無くなった事が、致命的な失点を招いてしまったのだろう。


25分には、ミツキに代えてトンスが入る。
この交代で松ヶ枝がDFに入り、工藤がボランチ、韻がトップ下に入る。ミツキや藤田の出場時間が短かったのは、恐らくはコンディションを慮っての事だろう。
さらに、竹田が傷んだので川上が交代で入る。ポジションは、そのまま入れ替わっただけだ。これで、後半終了時の布陣になった。


膠着状態が続く中、若手の連携からチャンスを作る。
伊藤の右への展開から、マツケンが頭で落として浩平をフリーで抜け出させ、引いていた韻が強烈な重たいミドルシュート!しかし、曽ヶ端の正面をついてしまう。
さらに、直後にも、マツケンからトンスがボールを受けて強烈なシュート!これも、曽ヶ端の正面でキャッチされるものの、可能性のあるシーンにサテも少しずつコンビネーションが良くなって来たなぁと感心する。


反対にがっかりさせられたのが、41分のプレー。
マツケンが抜け出し、マイナスの決めて下さいと言わんばかりのプレゼントパス。これを和多田が決められない。左にあっさり外す。その1分後に、ラクからのパスをヘディングシュートしたシーンでは、「引っ張ったでしょ!」といつまでも文句つけていたし。ちゃんと決められるシュートを決めないからでしょ。


その後、3分ほどあったロスタイムもチャンスはあったものの、決めきれずに敗戦。
よく攻め、形も作っていただけに、フクアリでの試合の時のようになんだか負けた気がしないゲームだった。



レポート中にも書いたが、個々にもチームとしてもプレーはまずまずだった。
敗れたとは言え、春先に比べて連携面の向上は明らか。得点に関しては、後は最後の精度や、打開力・アイデアの問題だけだったように思う。ジェフクラ出向組も合わせ、もうそろそろトップに上がれる選手も出てきそうだ。



<スタメン>


GK櫛野:1失点だが、完璧な1対1だったので仕方ない。コーチングは変わらず良い。


DF竹田:負傷退場だが問題ない軽傷と思われる。相手のFWに早さがある中で、よく喰らいついていた。攻撃参加したシーンでは、伊藤とのポジションの受け渡しがスムーズで良かった。
DF中島:あまり目立たず。最終ラインから長いパスをサイドに散らしていた。
DF藤田:負傷明けだったが、プレーの判断が良くなってきた。右サイドで、晃樹とのコンビネーションは良好で、逆サイドもよく見えていて、サイドチェンジも数本あった。


MF伊藤:潰し役として粘っこく効いている。ミドルシュートも威力がある。数回ベンチにも入っているし、今季の新人では一番出場が早いかもしれない。
MF松ヶ枝:こちらも粘っこい。明治のカラーか?ボールを奪ってから、自分でボールを運んで、そして展開する意識がある数少ない選手。怪我はまだ100%治っていないようで、完全復活が待たれる。
MF楽山:この中では個人で打開できる選手として、貴重な存在。ただ、失点に繋がったシーンのように、やや独り善がりに感じるシーンも。後は、年齢相応のキャプテンシーも欲しい。
MF水野:慣らし運転といった感じ。和多田がもう少し動けていれば、クロスも決定的になっていただろう。前を向いたまま、スピードに乗って繰り出すクロスは、和多田の身体がついていかなかった。
MF工藤:前半は完全に眠っていた。後半、ようやく多少仕事をし始める。少し運動量が減ったように感じるのが気になる。羽生の半分くらいは、チェイシングでも目立って欲しい。
FW要田:よく動いてボールを引き出していたが、決定機を枠にも飛ばせ無いのは×
FW和多田:正直、動きが良くない。怪我上がりの影響も多分にあるのだろう、当たる事を恐れてしまっている。自分が考えている「あそこまで走ってボールを触りたい」と言う事に、身体がついていっていない。決定機まで外してしまっては・・・今日の出来では獲得の必要性は感じない。コンディションを上げて、納得できるアピールを。


<リザーブ>


GK岡本:交代直後の失点は不用意だったが、それ以外は大きな問題なし。


DF川上:目立つようなシーンはなし。
DF市原:怪我上がりで短い時間のプレー。それでも、らしさは随所に見せていた。コーチングにオーバーラップ、シュートに、接触を恐れないディフェンス。完全復活を期待。


MF松本:直線番長も、ようやく周囲が間合いを解って来た感じ。パスが出て来るようになった。「ラクさん!ラクさん!」と呼ぶのはいいけど、もっと大声出してアピールしよう。攻撃一辺倒で、戻る事を忘れているのは×。


FW加藤:持ち前のフィジカルを試合の中で活かせるようになって来た。ある程度なら、身体を当てられながらもキープが出来る。左右に流れて、チャンスメイクもこなし、前を向けば強烈なシュートが飛ぶ。短い時間限定でトップで見てみたい。


FW金東秀:巻の代わりが出来るとしたら、彼か。後半25分過ぎからのチェイシングは、相手の疲労を確実に増していた。良いシュートも一本撃った。最近の中では、良い出来。