崔龍洙、引退

崔龍洙、引退

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A3の最中に寂しい話題が入ってきた。龍洙さんが引退する事になったとのこと。
まだ33歳、早すぎる決断。もっと龍洙さんのプレーを観たかった。


龍洙さんがジェフに来る事が決まったのは、2000年の冬。辛い時期だった。3年連続の残留争いを何とか突破して、一息ついたのも束の間、小倉の契約満了が伝えられてサポーターの怒りが爆発、臨海居残りから第一回サポコミへと発展したあの時だ。
小倉に希望を繋いでいたジェフサポは、最初は龍洙さんの獲得に懐疑的だった。実績はあるといっても、日本にとっての悪役キャラ過ぎる。五輪予選で日本ベンチにボールを蹴り込んだだとか、その手の話はいくらもあった。“大物”獲得を歓迎しきれなかった。


ただ、当時の岡社長が魅せられたように、確かに龍洙さんはジェフが足りなかったものを持っていた。相手を叩き潰す、強い闘争心だ。負け犬根性に染まっていたジェフにあって、勝つんだ!と言う強い意志を練習から出し続ける龍洙さんの存在がどれほどチームを変えたか。


そして、実績も素晴らしかった。
「龍洙さんに預ければ何とかしてくれる」今のようにジェフが走るチームでは無い頃、大柴さんくらいしか走らない頃、一人で何とかしてくれる龍洙さんは、それから少しずつ上位を窺うチームの象徴だった。どんなに苦しいゲームでも、先頭になって戦ってくれた。それをいつしか心からジェフサポ皆が頼りにしていた。無骨でも、誠実な龍洙さんを慕っていた。


磐田戦での、あのループPK。大柴さんとのコンビで崩した数々の美しいゴール。問答無用の、大砲のようなFK。どれほどの歓喜を、ジェフサポに与えてくれたか。巻をはじめ、どれほど選手達の心を強くしただろうか。心も、身体も、龍洙さんは、間違いなく歴代最強にして最高のFWだった。


・・・それだけに。
龍洙さんの引退はとても寂しい。日本を離れる間際まで、ジェフの事も気にかけてくれていたとも聞く。もっと観たかった。
ジェレに続き、ジェフの再興期を支えた選手がまた一人現役を離れる。直接、伝えられないのがもどかしいけれども、心から「ありがとう、お疲れさまでした」と言いたい。貴方の魂は、いま、確実にジェフに引き継がれています。


<中央日報>