「シュート撃て!」から分かること

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「シュート撃て!」
ジェフのゴール裏から、ここのところ毎試合飛ばされる悲鳴にも似た声だ。


ジェフは、繋ぐサッカーを志向し、誰か一人がエースになるのではなく、全員どこからでも攻め込み、シュートを撃ち込み得点する、組織的なサッカーを目指している。


最近、なかなか波に乗って勝てない。
疲れも当然あるが、ジェフのサッカーが分析されてしまっているように思うのだ。


「シュート撃て!」
この言葉が飛ぶときは、ゴール前にすんでのところまで攻め込みながら、誰もシュートを撃たずに狭いスペースでボール回しをしている時。いい時は、混戦の中から抜け出したり、遠目から撃ったりしてゴールに繋がる事もある。


ところが、最近は臆病なまでにシュートを撃たない。
相手選手も、まるで「ジェフはシュートを撃って来ない」と言う安心感を持って守っているかのようだ。
攻め込んでいるとき、ジェフは“リスクをかけて”枚数をかけて攻撃を行っている。そうなれば、当然守備の枚数は少なくなり、マークも甘くなり、1対1の勝負を仕掛けられるシーンも多くなる。


ここでシュートを仮に撃って終われば、GKに収まるにせよ、CK、GK、スローインになるにせよ、一旦プレーが切れ、体制を立て直す時間が取れる。


けれども、今のジェフは回しに回した挙句にボールを失い、そこから一気のカウンターを喰らい、失点までしてしまう、そんなパターンを繰り返している。


相手もそれを狙っている。


「千葉はマンマークなので、うちが一つマークを外せば、そこからずれてマークが全部取れる」(伊東輝悦)


ジェフの選手は総じて足元の技術はさほど上手くなく、連携が乱れればパスミスも多くなる。ゴール前へ攻め込むジェフの選手にプレッシャーをかければ、1度では無理でも案外簡単にボールを奪う事は出来るのだ。後は前線に居る突破力のあるFWなりにボールを預ければ、決定機は量産できる。


ジュニーニョ、マルキーニョス、石川直・・・同じようなパターンでの失点ばかりだ。


自信を失いかけているジェフが、決定機を大事にしたい気持ちは分かる。
これまでやってきたサッカーの常で、自らが点を獲らなくても良いのも解る。


けれども、サッカーは点を獲る為のスポーツだ。誰かがシュートを撃たなきゃはじまらない。責任感を持ってシュートを撃ち、試合の流れを切る事。それが出来るだけで、ずいぶん失点も減るのではないだろうか。
これは監督の責任の範疇でなく、選手の責任の範疇。
ゴールが見えたら、撃つ。


「今日は死ぬほどシュートを撃ったな」そう思える試合が観たい。
“シュートを撃つリスク”を侵してくれ!