「漢坂本」の遺志を継いで

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<公式・坂本將貴選手の移籍について> 
<公式・坂本將貴選手移籍コメントについて>


永輔の2番を継いで、永輔と同じようにこのジェフと言うクラブを愛してくれた坂本將貴と言う漢。望まずとも、クラブを離れる日がやって来てしまいました。
プロの世界なのだから、チーム事情でどんなに愛された選手でも切らなくてはいけない時もあるかも知れない。けれども、それまで身を粉にして戦ってくれた選手が、尊敬されないようなやり方で“去らざるを得なくなってしまう”。いちサポーターとして、悔しいし、こんなに悲しい移籍はありません。到底納得は出来ません。
永輔と同じ目に遭う選手は、もう出してはいけなかった。こんな事をして何が「WIN BY ALL」か。誰が、このクラブに残ろうと思ってくれるのか。


「サポーターにはボクの意思だけで決めたわけじゃないということを分かってほしい。」
(1/10・サンスポ)


にじみ出る悔しさが、無念が、重くのしかかります。


技術は劣っても、全身で戦う気持ちを示す選手でした。最後まで決して諦めない選手でした。それでいて、気さくで、選手やサポーターや、地域の人たちや、出会う人達それぞれに本当の意味での心配りが出来て、いつも彼が居るだけで周りが元気になれる、そんな選手でした。


リーダー、兄貴肌、世話焼き、天性のムードメーカー。まさに言いえて妙の「隊長」。
それは、長らくリーダー不在だったジェフにあって、代え難い才能であり、ジェフが持っていた宝の一つでした。どれだけの人が、坂本と出会う事で、力を分けて貰う事が出来たでしょうか。表には出なくても、オシム監督と同じくらいに坂本の存在感は大きかったと思います。


いつか、どんな形で別れるにせよ、坂本がチームを離れる事が仮にあるならば、その時は笑顔で再会を誓えるような形でなくてはいけないと思っていました。
しかし、このクラブには、その意味での自浄作用は無かった。伝え聞く限り、そこにはおよそ人間味や、温かさと言ったものは感じない、そんな別れになってしまいました。


ありがとう。
そして、ごめんなさい。
本当に申し訳ない。
出来る事なら、いつの日か、千葉に戻って来て下さい。


何で、このクラブは、こう言う別れ方しか出来ないんだろうか。
「WIN BY ALL」「絆」、クラブから出されるキャッチフレーズとの乖離。
ビッグクラブではない、ジェフと言うクラブが、人と人との繋がりを大事にせずして、どうして生き残る事が出来るんだろうか。
なんで坂本が、クラブをあれほど愛した坂本が、交渉の過程であんな風に言わなくてはならなかったのか、それはクラブに問わねばならないだろう。


坂本を失ったジェフは、太陽を失ったかのようになるだろう。
練習から、あの高い声が姉崎に響く事はもうない。もう坂本に頼る事は出来ない。坂本の遺志を継ぎ、一人一人が練習から声を出す。坂本が居ないから、声が出ないチームなんかにしてはならない。


阿部と言う、プレーで引っ張る選手。
坂本と言う、気持ちで引っ張る選手。


二人を同時に失った事は、クラブにとって計り知れない損失だ。
だからと言って、後ろは振り返れない。阿部や坂本が居ないなら、皆が阿部や坂本になればいいだけだ。二人が居ない危機感を、自らの成長に変えた逞しい選手達の姿を、今季の姉崎で目にしたい。