薄氷の勝利 第14節・富山戦

薄氷の勝利 第14節・富山戦

DSC_0517三連勝を賭けた富山戦。
3-0の無失点で終わらせらる試合だったけれども、
全体を通してみると3-2の結果が妥当と思える内容だった。

今節のジェフは、ケンペスが出場停止明けでスタメンに復帰。
中盤の攻撃的な位置は、左に田中、中央に谷澤、左に兵働となり、両翼に利き足が逆の選手が配された。
対する富山は、苔口を前線に、3-6-1とも、3-5-2とも取れる布陣。 

ゲームは序盤から動いた。
5分、左サイドのボール回しから中央に戻し、兵働から米倉へスルーパス。
右を深々と破った米倉が、中央へ折り返すと、ケンペスが巻ばりの低空ヘッドでいきなり先制点を挙げた。
ジェフからすれば、狙い通りのプレーでリードを奪う。

同じようなシーンを重ねて、追加点を奪いたかったところだが、富山は怯まなかった。
ディフェンスラインを高く保ち、運動量を上げて反撃にかかる。
先制点の直後、すぐに反撃を受けてポスト直撃のシュート打たれたり、相手のプレスに負けてボールを失った勇人から苔口に繋がれて1対1になったシーンなど、危ないシーンが続く。

ジェフも反撃に出ようとするものの、ハーフェーライン近くまで上げられた富山のディフェンスラインに引っかかってオフサイドの数ばかりが増えていく。
富山がゲームをコントロールしている時間が長くなっていた。

それでも、ワンプレーで追加点を奪う。 
42分、左の田中から、ファーポストに向かってクロスが上がると、裏から抜け出した兵働が右足で合わせてバースデーゴール。前半は、このまま2-0で終了。富山の時間帯が長い中で、ジェフが2-0とリードする展開となった。

後半に入っても、流れは富山。
そんな中でケンペスが隙を衝いてゴールを奪う。
相手ボールを掻っ攫うと、谷澤に出したボールを相手が焦ってクリアミス。
ケンペスへワンツーのような形になって、ゴール。3-0とゲームを決めにかかる。

その後は、富山の攻勢をいなしながら、ゲームをコントロールする時間帯となる。
ただ、いくつかチャンスはあったものの、得点には至らない。
3-0となって、やや気持ちが落ち着いて、シュートの意識が弱まったようにも思う。

また、途中交代のナムが明らかにコンディション不良で、ゲームに入っていけていなかった。

すると、予想もしていなかった富山の反撃を食らう。
77分、79分とセットプレーから同じような形で押し込まれ、一気に3-2の1点差にされる。
ここは、守備の集中力が切れたとしか言いようが無い。

勢いと運動量は富山。
ジェフは、何とか耐える展開。

最後はキムを投入して守備固め。
大脱走も歌えないまま、何とか時間稼ぎで逃げ切り、勝利だけは確保する事は出来た。
ただ、90分を通して観た時に、ジェフのペースと言える時間が少なかったのが気に掛かる。

富山はやり方がハッキリしていて、運動量のあるチーム。
今季で言えば、開幕戦で敗れた札幌のような相手だった。
そう言うチームに対してジェフは、運動量で劣っているから、なかなか自分達のペースでボールが回せない。今日のように、効率よく点が入れば勝ちきる事も出来るけれども、相変わらすシュートシーンが少なく、点が入らない時間帯が長いまま時間が過ぎてスタミナが無くなれば、札幌戦のようになる事もある。

「悪いながらにも勝つ」から、「内容を伴って勝つ」にするには、やっぱり運動量を増やしていく事が大切だ。
今日の序盤は、各選手の出足も悪くなかった。
オフサイドにかかりながらも、前に出る意欲と運動量があった。
そう言う時間帯を長くしていくこと。 

三連勝はしたけれど、内容は正直良くない。
それでも勝てた事を次に繋げるために、今度は内容ある勝利を期待したい。