劇的逆転勝利 第11節・群馬戦

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フクアリ満員大作戦が企画されたGW半ばの一戦。
快晴に恵まれ、10,000人以上のファンがスタジアムに訪れた。

結果は、2点差をひっくり返す劇的な逆転勝利。
一見さんも多かっただろうこの試合で、勝利できた事は何よりだったろう。

反撃の狼煙を上げた、ヒョヌンのヘディングでのゴール。
ベストゴール候補にもなった大塚のループ。
それを引き出した兵働のパス、2得点を演出した中村のFK、
試合展開も含め、見所は多かった。
 


しかし・・・0-2とされた時には、正直勝てるとは思わなかった。
展開は、磐田戦同様。
果たして、選手たちがどれだけ気持ちを保てるか。

その意味で、0-2になってすぐに、1点を返したヒョヌンのゴールは本当に大きかった。
これが無ければ、そのままほとんど抵抗出来ずに負けていただろう。
正に起死回生の一撃だった。

ゲーム内容を振り返ると、正直、低調だった。
連戦は相手も同じ。言い訳に出来ない。
それでもジェフは、ほとんどメンバーを変えずに、このゲームに挑んだ。

磐田戦前半のような鋭い前への出足を期待した。
しかし、前半は5連敗中の群馬の気迫に、また古巣との対戦に燃える孝太の勢いに、
劣勢を強いられる展開となった。

前への推進力に乏しく、前線の動きも少ない。
前節はハマっていた森本にもなかなか繋がらない。
クロスは、中村、ヒョヌンから何本か上げられるものの、数はそう多くない。
中盤やサイドの攻防では、群馬のプレスに後手を踏んで、バックパスが多くなる。
悪いときのジェフの姿だった。

そして、少ないピンチの中でも、ゴールを決められてしまう。
いまいち、勝負どころでの集中と、身体を張ることが出来ていない。

それが、逆転勝利にまで持って行けたのは、0-2で前に出ざるを得なくなった事と、
ヒョヌンのゴールで、「行ける」と言う精神的な切り替えが出来たことが要因ではないだろうか。

ジェフは、そう言う力が眠っているって事じゃないだろうか。
よく言われる、ジェフはいい選手が揃っていると言う評価は、間違えではない。

けれど、その力をゲームの中で使いきれていない。
このゲームのように「攻めるしかない」と言う状況によって整理された「やるべきこと」と、
同点弾でもたらされた「行ける」と言う自信。
その二つがあれば、チームは眠っている力をにわかに発揮する。

前者は、監督・コーチが指導すべきものだろう。
選手が「何をすべきかわかっていない」まま試合に臨んでいるのあれば、
それは自主性を重んじたとしても、チーム作りの放棄に等しい。

後者は、選手自身の問題だ。
自分が今日この日先発している意味を分かっているのなら、
覇気の無い円陣ダッシュをしたり、試合中に下を向くことはないだろう。
 
この二つ、試合が始まる前に整えておくべきものだ。
あの時間からあれだけやれるなら、もっと最初から出来たんじゃないかと言いたくなる。

もっと自信持て。
もっと格好良いプレーを見せてみろ。

森本も、パスを選んでる場合じゃないだろ。
翔平が決めたループのように、もっと皆、溜め込んでる何かを吹っ切ってしまえば、
もっとやれるはず。

どうすればそれが出来るか。
結果とは別に、チームとして突き詰めて行ってほしい。