敗戦と、収穫。 天皇杯3回戦 vsG大阪 ●0-2

敗戦と、収穫。 天皇杯3回戦 vsG大阪 ●0-2

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平日のフクアリに集った、3回戦一番の8,000人以上のサポーター。
その期待に違わず、両軍の良さが出たゲームだったんじゃないかと思います。

ホームでの敗戦は、悔しさしかありませんが、
勝利したガンバ大阪の皆さんには、おめでとうと言いたいです(ベングロシュ爺風)。

数年前に対戦した時とは、お互いのメンバーも、現在の立ち位置も変わってしまった現在。
それだけの差は、見せつけられてしまったと言うのが正直なところ。
ベストメンバーで臨み、それを分からせてくれた長谷川監督にも、感謝したい気持ちです。

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さて。
この日のジェフは、下記のような布陣。

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このチョイスは、結構びっくりしました。
そして、試合中に行われた交代もまたしかりで。
エスナイデル監督、前節の讃岐戦、そしてこのG大阪戦と、次節・熊本戦。
その全てを勝つために、相当に練りこんでいたんじゃないかと思いました。

まず、これまでフィールドプレーヤーで唯一出場の無かった溝渕を、スタメンに抜擢。
さらに、前節欠場していた近藤や、勇人を起用した、ターンオーバー気味に起用。

交代枠は早々に60分過ぎに使い切り、指宿の試運転と、古川にもチャレンジをさせる。
最終的に、岡野、乾、溝渕、壱晟、古川と言う、使える限りの若手をピッチに立たせる割り切りぶり。

が、決して、メンバーを落としたとは感じない。
ここまで、多くの選手を使ってきたからこそ、コンディションを踏まえ、
誰でも、自信を持ってピッチに送り出せる。
その采配と、若手の躍動が見られただけでも、無理して観に行って良かったと思える試合でした。

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試合は、序盤からガンバのペース。
最初から、ガツンと来られた感じで、
こう書くのも悔しいですが、正直、普段戦ってるJ2とは全然別のレベルでした。

当たりの強さしかり、技術の一つ一つのレベルしかり、連携のスムーズさしかり。
何より、ガンバがボールを持った時の切り替えの早さ。
一直線に、ゴールに向かって殺到してくる。

それが、アデミウソンのような、いかにも、と言う選手だけでなくて、藤本淳吾のような、あまり走るイメージの無い選手まで、しっかり走っている。ボールを前に運ぼうとしても寸断され、カウンターを喰らい、ラインは高く保とうとするものの、ぐいぐいと圧力をかけられて押し下げられてしまう。

そして、こちらが少しでも綻びを見せれば、それを逃さずラインの裏を衝かれる。
三浦にポスト直撃弾を食らい、失点こそしないものの、アデミウソンや、長沢にピンチを作られる。
重い、ボディブローのようなダメージが蓄積していく中で、集中力が保てなかったか、コーナーキックを山本海人が上手く弾ききれずに繋がれ、最後はファビオがアウトサイドで合わせてゴール。DFらしからぬ素晴らしいシュートでした。

ただ、試合の勝敗を考えたとき、この一点は重かった。
出来ればスコアレスで終えたかった前半でビハインドを背負ってしまい、
より、前に出ざるを得なくなってしまった。
それは、ガンバにとっては格好の狙いどころな訳で。。。

苦しい展開だった前半も、全くチャンスが無かったわけではなく。
特に溝渕は積極的な攻め上がりと、
得点の可能性を感じさせるクロスで、らしさを見せていました。

そして、試合は、後半へ。

攻めるしかないジェフは前がかりに畳み掛けます。
まずラリベイが遠目からシュートを放って口火を切り、清武、船山、也真人が絡んでチャンスを作るも、プレッシャーがきつく、ペナルティエリアに良い形で踏み込めない。ならばと、勇人や、ボムヨンが遠目から撃っていくも、精度が無く、ゴールを脅かすには至らない。

苦戦するジェフに対し、ガンバは、それをある程度余裕を持って受け止めている。
ガンバのカウンターが怖いという話をスタンドでしていた矢先。

溝渕の攻撃参加が堰き止められたところから、一気のカウンター。
基点は倉田。そして、その切り替えから、崩しきるまでが恐ろしく速い。
右翼を深々と抉られ、振り切られ、
最後は泉澤に流し込まれ、0-2。かなり苦しい状況になってしまいます。

試合展開をみていれば、ガンバにとって、2点はセーフティリードとも言える点差。
攻勢が止み、省エネなサッカーに移行したように見えました。

逆に、失うものの無いジェフ。

ここからエスナイデル監督は、指宿、乾、古川を次々に投入して、まず一点を奪いにゆきます。
この交代、60分過ぎに早々に3枚を使い切る形で、代わったのが、ラリベイに近藤に、清武。
リーグ戦に温存し、かつ試したい選手を使う、意図の濃い交代に見えました。

布陣的には、4-3-3のままですが、也真人がかなり下がり目の位置でボールを持ち、全体をコントロールしながら、攻め手を探り、代わりに壱晟がかなり前目に。
見ようによっては、勇人と也真人のダブルボランチの前にセントラルMFとして壱晟がいるような位置関係。

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その中で、まず壱晟が気を吐きます。
密集をかいくぐってのミドルシュートを2発。いずれも、もう一歩と言う弾道で(一発は相手に当たりましたが)、攻撃に勢いをつけると、今度は大悟。

コーナーキックからのドンピシャのヘディングを、東口が何とかセーブ。
さらに船山のクロスに飛び込むも、僅かにヘッドは枠外。

ロスタイ
には、今度は溝渕。
これもドンピシャのクロスを指宿に合わせるも、僅かに枠外。。。

シュートが、この日は悉く、枠を捉えられず。
運、不運ではなく、ガンバのプレッシャーがきつく、良い体勢に、フリーにさせて貰えなかったのが、得点できなかった原因だと思います。その一方で、若手が、思い切ってプレーをして、可能性を感じさせていたのは収穫でした。

最後、残念だったのはロスタイムに岡野が退場したこと。
状況が良くわからなかったものの、引き上げる岡野を捕まえて近藤が何やら話しかけていたのを見ると、ちょっと問題があるプレーだったんでしょう。

結局、追撃は出来ず、0-2で終了となってしまいましたが、今出来ることはやりきったんじゃないかと思います。

個々の選手では、繰り返しになりますが、若手の活躍が光りました。

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初出場の溝渕は、攻撃面、特に攻撃参加、クロスの質に良いものを見せてくれました。
一試合の中で、3~4本、得点に直結しそうなクロスを上げたのは、北爪もうかうかしていられないのでは。
一方、守備では課題も。特に失点したシーンでは、彼が上がった穴を見事に衝かれてしまいました。
練習試合でも、この上がった後のスペースの問題は見えていたので、チームとして、どう連携して埋めるか、対策が必要だと思いました。

次に高橋壱晟。
正直、この試合も途中までは消えかかっていた感じだったんですが、攻めるしかなくなってから積極性が出て、惜しいミドルシュートが2本。これが次節以降も続くことを期待します。

そして、大悟。
短い時間の中で、惜しいヘッドが2発。初ゴールも遠くないと思える出来。
ここまで3試合の出場で、加速度的に伸び、ただ一生懸命追いかけるじゃなく、FWらしく点を奪うプレーが出来ているのが驚かされるところ。この試合でも大きな養分を得たのでは。

これで、得点を奪い、勝利出来ていたら、もっと大きな成長に繋がる自信になったんでしょうが。
冒頭に書いたように、ガンバ、強かったですね。
ジェフも追いつけるよう、エスナイデル監督の下、積み重ねないと。

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試合後、倉田が挨拶に来てくれました。
彼がジェフに居たのが2010年とは。
そんなに時間が経ったのか、と言う気がします。

ガンバユース出身で、10番、この日はキャプテン。
日本代表にもなり、ガンバの象徴になりつつある倉田。
こうして、相見えるのは嬉しいこと。
ますますの活躍を祈ります。

次にやるときは、ジェフが勝ちますがね。
吹田にも行ってみたいし。早く、次の対戦の機会が来ますように。