2021-2022シーズン ジェフ千葉 補強所感

2021-2022シーズン ジェフ千葉 補強所感

2022年初更新。
新体制発表も終わり、2022年の陣容が概ね固まったので、補強についての所感を。

 

ポイント1「尹晶煥監督続投」

まず、全選手の去就に先駆けて監督の続投に合意。
複数のオファーがあった中での決断だった。
「スポーツソウル」によると、スポンサーからも慰留の要請があったという。

2年間かけて構築した守備の土台の上に、ようやく形の見えてきた攻撃の形。
監督自身が手応えを掴み、課題を明確にしてオフの補強に臨むことが出来た。
続投の決断も、自身が臨む補強にある程度の目途がついたからではないだろうか。

 

ポイント2「2021年の戦力を概ね維持」

監督の続投が功を奏したのだろう。
船山、安田、矢田の満了、岡野の移籍はあったものの、引き抜き・個人昇格が懸念された選手を軒並み引き留めに成功。特に、見木、チャン・ミンギュの2人は、大きな驚きだった。
2021年最終戦のスタメンは全員残留。
後半戦、13戦無敗で終えた戦力を維持して上積みを図る事に成功した。

 

ポイント3「リスクを冒して攻撃力強化」

昨年の課題は明確。
攻撃力を如何に上げるか。

その為に、鈴木GMが動いたのは以下の3点
 ・ディフェンスライン左からのビルドアップ
 ・見木と競い合うシャドーの新戦力
 ・絶対的なストライカー

鈴木大、ミンギュ、新井一の右利き三人が並ぶディフェンスには、二人の左利き、佐々木とD・アウベスを補強。最終ラインからよりスムーズに組み立てを意図。

船山、矢田を満了としたシャドーには、見木の競争相手として風間と高木を。
得点力を一段と上げる為に、リスクを取って入れ替えを行った。

最後に、外国籍のストライカーの補強を進めている。

 

まとめ

補強の成否は、結果をもって示すしか無いけれども。
コロナ禍で財政的にも厳しい状況の中で、2年間をかけて積み上げた守備の土台を残し、足りない得点力を向上させるために、リスクを取って攻撃面でテコ入れをしたここまでの補強は、十分意図を感じられるものとなっている。これで、ラストピースとなる、得点力のある外国籍のストライカーがシーズンに間に合えば、シーズン前に強化部としてはできる限りの仕事はしたと言えるのではないだろうか。

ジェフの30年の歴史で、同一監督が丸々2年指揮を執って、3年目を迎えるのは尹晶煥監督が3人目。成績を向上させながら3年目を迎えるのはオシム監督以来で、期待も大きい。
ようやく積み上げた土台を基に勝負が出来る。

2022シーズン、他クラブの補強、積み重ねも手堅く、まったく楽観は出来ない。
けれども、少なくとも戦う準備は出来たと言えるだろう。
勝負の一年になることは、誰しも分かっている。

が、それと並行して、積み重ねた土台を崩さず、来季以降へ繋ぐ絵図も、明確に抱いておいて欲しい。昇格を目指す。けれども、それとは別にアカデミーを中心としてチームとしてあるべき未来の姿をしっかりと固める。

2022年、ジェフとしてやるべきことがはっきりと見える一年になるよう願っています。

改めてポジション別に

 

2021-2022シーズンの補強動向と予想布陣

※2022年1月16日現在。
予想布陣は、昨年に倣い3-4-2-1と仮定した。

ゴールキーパー

更新 新井章太
更新 鈴木椋大
復帰 松原颯汰

今季も新井章がリードするが、鈴木椋も能力的に遜色は無い。
松原が復帰したものの、3人体制は心許なく、補強あるいは二種登録や特別指定もあり得る。

 

ディフェンダー

更新 新井一耀
更新 鈴木大輔
更新 チャン・ミンギュ
新加入 佐々木翔悟
新加入 ダニエル・アウベス

岡野が町田に移籍したものの、昨年の主力が揃って残留。
特に、流失の可能性があったミンギュを確保出来たのは大きい。
補強は左利きが2人。鈴木GMによれば、攻撃面での構成力を向上させたいとのこと。2人のうちいずれかが左で先発の一角を争うようになれば、鈴木大輔は新井一と右を争う事になるのでは。
非常時には壱晟の起用も考えられるが、あの攻撃力と展開力は一列前で生かしたい。

 

ボランチ

更新 田口泰士
更新 小林祐介
更新 小島秀仁
更新 熊谷アンドリュー
更新 高橋壱晟

昨年の顔ぶれがそのまま残留。最も層の厚いポジション。
主軸になるのは田口。
その相棒次第で戦い方に幅を持たせられる。
攻守で役割分担をし、バランスを取るなら、アンドリューか、小林と。
壱晟と組むなら、より攻撃的に戦える。
小島は、まず怪我を完治させる事が先決。
対戦相手次第で、誰をどう組むか、尹晶煥監督の腕の見せ所。

 

左ウイングバック

更新 末吉 塁
新加入 秋山 陽介

末吉に秋山が挑む構図。
末吉は昨年以上に攻撃で数字を残したい。
小田と、昨年まで両翼をこなしていた安田が抜けたため、やや手薄。

 

右ウイングバック

更新 福満 隆貴
更新 米倉 恒貴
新加入 西久保 駿介

福満を、負傷の癒えた米倉が追いかける展開。
新加入の西久保は、高さに自信を持つので、昨年の小田のように中でフィニッシュに絡むと言った、二人には無い特長を出してポジション争いに割って入りたい。

 

シャドー

更新 見木 友哉
更新 サウダーニャ
新加入 風間 宏矢
新加入 高木 俊幸

スタメンの一角を担っていた船山が満了となり、チームとして変化を求めたポジション。
一枠は、船山の背番号を引き継いだ見木が占めるだろうが、鈴木GMは新10番との競争を、風間と高木へ期待を込めている。
風間は、過去2年間、琉球でフル出場を果たしながら移籍を選択。
クロスへ合わせるシュートが正確で、ボールを持った後のプレーの選択も早い。
高木については、セットプレーキッカーとしても期待したい。
また、このポジションでも壱晟の起用はあり得る。

 

フォワード

更新 川又 堅碁
更新 ブワニカ 啓太
更新 櫻川 ソロモン
新加入 佐久間 太一

昨年はシーズンを通して川又が怪我に苦しみ、出場なし。
途中からスタメンに定着したソロモンが大きく成長し、チェイシングとポストプレーで最前線の起点となった。一方、得点は4。アカデミーの象徴として今季の更なる成長の期待も大きいが、昨年昇格を決めた磐田のルキアン、京都のウタカと比べると、FWの得点力には差があった。チームは外国籍選手の獲得へ動いている。