決めきれれば勝てた試合 J2 第8節 町田戦

決めきれれば勝てた試合 J2 第8節 町田戦

2022/4/3(日)14:00
町田GIONスタジアム
J2第8節
町田 1(0-0,1-1)1 千葉

<得点>
77分 町田 18長谷川アーリアジャスール(サイドチェンジのボールを右サイドでヘッドで落とし、受けた10平戸がダイレクトでクロス。18長谷川がヘッド。)
80分 千葉 15チャンミンギュ(4田口のCKを、バックヘッド気味にゴール)

千葉公式
町田公式
Jリーグ公式

三連戦の最後は、2位につける町田、勝ち点は16。
尹晶煥監督と同じく、ポポビッチ監督も今年で3年目を迎える。
目指す攻撃サッカーが、花開きつつあるようだ。

ジェフは現在勝ち点10。2ゲーム差。
まだシーズンは先が長いとはいえ、横浜FCが走っている事を考えると、まずは町田を射程に捉えておかなくては、自動昇格の目が限りなく薄くなってしまう。


季節外れの冷たい雨が降る野津田。


スタメン、サブとも、水曜日の新潟戦と変更なし。

水を含んだパスをが伸びやすいピッチ。
町田に利するのではとみていたが、前節の反省を活かしたか、互角の展開で試合が進む。
新潟に比べると、本間至恩が居ない事もあって、パス回しについていけないという事もない。良い意味で、水曜日の新潟戦で「目が慣れた」感じがする。

この日も中盤ではアンドリューが刈り取り役となって町田のパスワークを阻む。
加えて、ソロモンの動きが良い。しっかりとハイボールに競れているし、体を張ってボールをキープし、繋ぐことが出来ている。時間がつくれる。

その他の選手たちも、それぞれが本来のポジションで起用されて居ることもあって、窮屈さがあまりない。安定した戦いぶりと言えた。


幾つかあったピンチも、身体を寄せてフリーでは撃たせない。
岩手や、群馬、栃木にやられたような、ゴラッソをそうそう決められてたまるものか。
ただ、至近距離からのセットプレーには肝を冷やした。
ピッチが滑りやすく、どうしても手が出たり、勢いが止まりきらなかったりする。

一方、攻撃。
福満が本来の位置で起用されているからだろう、
これまでよりも右からの攻撃が何度か見られた。

11分には、右サイドのパス交換から、アンドリュー→風間と繋いでグラウンダーのクロスにソロモン。決定機だったが、相手キーパーの体を張ったセーブに阻まれてしまう。
28分にもパス回しで相手を揺さぶって、風間のシュート。
後半開始直後には、右サイドをワンツーで崩して風間のクロス。中で見木が合わせられなかったが、惜しいチャンスを作る。

風間、風間、風間といずれの攻撃でも彼が絡んだ。
これまでの試合の中で、一番、風間が攻撃にうまく絡んでいた。

ただ、いくつかの決定機はあったものの。
リズム良くパスを繋いでいてもシュートは少ない。手数の多さは相変わらず。
ソロモンをトップに置く先発メンバーは、速攻よりは遅攻。相手が構えた状態で崩しどころを探すので、どうしても止まった状態でボールを受けている事が多い。町田や、前節の新潟が、スペースで受けようとして動いているのとは対照的だ。
繋ぐこと自体が悪くは無いが、もう少しシンプルさ、速さ、怖さが欲しい。
ソロモンの頭めがけてクロスを放り込む選択肢があっても。

ゴールは生まれず、後半も10分が過ぎたところで、交代でギアを切り替える。
58分。前節同様の交代、風間→高木、ソロモン→サウダーニャ。
縦への推進力がある二人を投入。

直後、早速決定機を作る。
ボールを受けた見木が左から中にドリブルでボールを運び、右の福満へ展開。
福満のクロスを受けた高木が強烈なシュート!弾いたボールに見木が詰め、さらにサウダーニャも突っ込んだが、寸でのところで相手にクリアされてしまう。

前半のソロモンに続いて決めたかったシーンだった。

65分には、秋山→末吉でギアをトップに入れる。


(試合終了時の布陣)

両軍が交代のカードを切る中、66分、ミンギュがアラウージョを足を絡めて倒すが、ノーファウルの判定。このあたりから、ゲームに荒っぽさが加わってしまう。

得点こそ奪えていないものの、被決定機はほとんどなく、試合を支配していたのはこの時間になってもジェフだった。が、えてしてこういう時に「逆」の展開はおこるもの。

76分、町田は2枚代え。
中島と長谷川を投入。

直後、町田の素晴らしいパスワークからゴールを奪われてしまう。
右サイド深くへ、速く、大きなサイドチェンジのパスを通されると、それをヘッドで落とし、間髪入れずにクロス。ファーに飛び込んだ長谷川が打点高く叩きつけるという、これまたそうそう入らないような美しいゴール。

一つの大きなチャンスを得点に繋げられ、追う展開になってしまう。
ともすれば、気持ちが萎えてしまいそうな失点だったが、
この日はこれで終わらなかった。

直後、末吉が奪ったCK、蹴るのは田口。
ミンギュがバックヘッド気味に合わせ、バーを叩いてネットに突き刺さす強烈な一撃。
二試合続けてCKから田口のアシストで、ゲームを振り出しに戻す。

残り時間、勝ち点3を目指し、両軍が最後の攻防を仕掛ける。
ホーム町田のボール回しに鋭さが増し、ジェフを押し戻すも、スコアは動かない。
終盤88分には、アンドリューが頭突きをかますが、審判が見ておらず、またもノーファウル。

アディショナルタイム、小林と米倉がスタンバイしていたが、投入するタイミングを逸してそのまま試合終了。


正直、勝てるチャンスがあった試合だけに、ドローは残念。
勝って、町田との差を詰めたかった。
選手たちも、一様に悔しさを露わにしていた。

試合を通して主導権を握りながら戦えたのは、やはり主軸が戻って来たことが大きい。
特にセンターライン、最終ラインのミンギュ、ボランチの田口、アンドリューが揃うと、チームの中心に一本の筋が通ったようになる。
それに、この2試合、サウダーニャ、高木、末吉の3枚の投入で流れを変える選択肢も出来た。

守備時は、5-4の状態でスペースを潰し、奪ったところから全体を押し上げて組み立てながら、圧力をかける。遅攻のリズムは前節よりも良かった。後はやはり、速い攻撃をどう構築するか。ギアを切り替える前にも、チャンスは作れている。けれど、遅攻なので、回数は多くない。決めきる力という永遠の課題に当たってしまう。

セットプレーで点を獲れるようになって来たのは大きいが、終盤のパワープレーになってからがこれまでのところは多い。
本来であれば、早い時間に先制して守備を固め、相手を焦らせる展開にしたいところ。
そのためにも、やはり流れの中から得点も増やしたいところだ。

>余談1

試合後、町田に移籍した岡野が挨拶に。
試合前選手紹介でもスタンドは拍手だった。
道は分かれたけれど、息の長い選手になるりますように。

>余談2

前日まで試合中は曇り程度の予定だったのが、急に雨予報に。
正直、現地観戦を迷ったけれども、防寒、雨対策を行って参戦。

・荷物は最低限
・滞在時間も最低限
・コンタクトレンズ必須
・防水、防寒の靴や、股引など足下の防寒が特に重要
・上着の上からポンチョを被って防寒とチームカラーを両立
・濡れたポンチョやタオマフ、ゲーフラは持ち帰り用の袋を準備

このあたりの対策で、手のひら以外は暖かく応援できる。

今回は、千葉駅から新宿駅に出て、京王線へ乗り換え。
京王多摩センターから無料シャトルバスを使うルートを選択。
時間にしてスタジアムまで約2時間半。

京王多摩センターは、マックをはじめ飲食店やお店も多いので、
直前の買い出しや、一服するにも便利。


シャトルバスは、4列シートの観光バスタイプ。
車内では町田の選手によるガイダンスが流れ、wifiも利用可能。
本数は限られていますが、特に問題なく乗れました。

・・・ほんとは、後援会バスが出せるなら、スタジアム直行で楽ちんなんですがね。
公共交通機関利用の場合の参考までに。