2022年8月観戦備忘録(第30節・群馬、第31節・町田、第28節(振替)・甲府、第32節・徳島)

2022年8月観戦備忘録(第30節・群馬、第31節・町田、第28節(振替)・甲府、第32節・徳島)

わずか2週間ほどの間とは思えないほどクラブにとって困難な時期だった。
8/7群馬戦から、8/20徳島戦までの4試合を振り返る。

8月7日(日)19時 第30節 ザスパクサツ群馬戦

>戦前の予想と状況
群馬が暫定で降格圏に落ち、荒さを厭わない必死の戦いで苦戦すると考えられた。

>結果 3-0 勝利
常に先手を握り、理想的な得点経過だった。
開始早々、ブワニカのチェイスから相手のバックパスを巧みに拾った風間が流し込んで先制。これでペースを握ると、前半のうちに風間のクロスにブワニカが合わせ追加点。
さらに後半の75分には、ブワニカがカウンターで独走してシュート。キーパーが弾いたこぼれ球をソロモンが流し込み突き放す。

試合を通じてジェフが一方的にペースを握っていたという訳でもなかった。先制後には群馬のCKからあわや失点というピンチを作られたり、楽観できる試合内容ではなかった。
が、群馬の守備は肝心なところで緩く、効果的に加点出来た事が勝因。

8月14日(日)18時 第31節 町田ゼルビア戦

>戦前の予想と状況
ホーム三連戦の初戦を前に、ミンギュと、新井が戦線離脱。誰がDFを務めるのかが焦点に。
順位が近く、追撃の為には勝利が必要な「6ポイントゲーム」。

>結果 1-2 敗戦
お盆時でもあり、8,639名と今季一番の大入り。
ゴール裏は黄色と緑色のフラッグをサポ有志が準備して重要な一戦に臨んだ。

しかし、アクシデントと荒れた判定に苦しめられる試合になった。

3バックは左から、佐々木、熊谷、田邉と言う急増布陣。18分にドゥドゥに決められ失点。真ん中を務めたアンドリューも、足を痛め29分に西久保と交代。スタンドから悲鳴が上がった。佐々木、田邉、西久保の若い3バックに。
田邉は、29~31節の3試合で、3バックの左右真ん中全てを務めた。

町田のプレーが荒く、かつそれが流されがちなストレスが溜まる展開。
それでも後半に入って落ち着きを取り戻し、波状攻撃から末吉のシュートがブロックした相手選手のハンドを誘い、チアゴがPKを沈めて同点とする。その後、さらに攻勢を強めるも、もう一点が奪えない。

最終盤、逆にPKを奪われて失点。
アクシデントに耐えて勝機を伺ったが、敗戦に終わった。

8月17日(水)19時 第28節(振替) ヴァンフォーレ甲府戦

>戦前の予想と状況
甲府側のコロナ感染で、7月23日予定だったものが日程変更となった試合。
前日16日には、15日にチームのキットマンを務めていた後藤さんが急死された事が明かされ、メンタル的には試合どころでは無かったと思われる。

>結果 0-0 引き分け
3バックは、前節に続き佐々木、田邉、西久保の3枚。サブには二種登録三名が入った。

前半は意図的に専守防衛策を採用。ソロモン、ブワニカも守備に追われ、前にボールが入る事がほとんどない。ハイボールも防空されて弾かれてしまう。一方、ボールは握られるものの、甲府のシュートもほとんど無い。後半勝負へ。

66分、ソロモン、ブワニカを、チアゴ、風間に交代。
地上戦主体に切り替えると、前でボールが繋がり出し、70分過ぎにはジェフペースの時間帯に。72分、末吉が右から一気に中央に飛び込み、クロスを受けてキーパーと1対1に。が、キーパーに当ててしまう。
その後も、末吉、田邉と言った選手が、あわやのチャンスを作るもネットは揺れない。

87分には田邉が足を攣って、二種登録の谷田に交代。
さらに佐々木が足を痛め、90分に同じく二種登録の桑原に交代。
最終ラインは、桑原(18歳)、谷田(17歳)、西久保(19歳)の3人という前代未聞の緊急事態に。

89分には、米倉がカウンターから抜け出しかけるが、勝負を避けてサイドに展開しチャンスを潰してしまう。スコアレスドローでの決着となった。

8月20日(土)18時 第32節 徳島ヴォルティス戦

>戦前の予想と状況
ホーム三連戦の最後。
新戦力、リカルド・ロペスと、強化指定の小森が前日の登録。
また公式のインスタで、練習風景に新井一耀の姿があり、間に合うのではと憶測も。
徳島はこの試合の前まで6試合連続の引き分け。
また徳島側にもコロナの感染者が複数発生し、試合開催が危ぶまれた。

>結果 0-0 引き分け
試合前に後藤さんへ黙祷。ゴール裏にも追悼の横断幕。

新井一耀は復帰できず。3バックは、D.アウベス、田邉、西久保が務めた。
一方、R.ロペスはベンチ入り。

ボールを繋いでじっくり攻める徳島に対し、引いてしっかり守るジェフ。試合が完全に膠着状態に。前線のチアゴどころか、2列目にもなかなかボールが入らず、ゴール前のシーンが乏しく時間が経過。

その中で気を吐いたのが西久保。右CBもすっかり板についたかのような安定感。前半から剛腕がうなりを上げてロングスローを放り込み、さらに強烈なポスト直撃のロングシュート。後半もCKの二次攻撃からあわやのヘッドを放つ。

が、その西久保や田邉と言った若いDFの奮闘があるものの、攻撃にはスイッチが入らない。
チアゴは相変わらず孤立し、ボールがなかなか収まらず、抜け出るタイミングも合わない。

74分には、R.ロペスが出場するも、調整不足は明らか。
流れを変えられないままに時間が過ぎ、最後の交代はラストワンプレーの直前と言うちぐはぐさ。無理からのR.ロペスの起用や、交代のタイミング、ベンチワークに不可解さが残る敗戦となった。尾を引かなければ良いが。

4試合を終えて

心情的には、正に、この細江さんのツイートのなのだが。

プレーオフ圏内を目指す上では、ホーム三試合で勝ち点2は厳しい結果。

プラスに捉えるべきは、西久保、田邉、D.アウベス、若い3人。代役以上のプレー内容を見せていて、ミンギュ、新井一耀の復帰後の選択肢が増えた。

フル出場した田口、小林の奮闘は言わずもがな。
両翼の秋山、そして深井を彷彿とさせる末吉の鬼気迫るプレー振りも完全復調を感じさせる(あまり激しすぎてまた怪我が怖いが)。見木も、一試合こなせる状態まで戻って来た。

が、その頑張りが、あくまで局面局面、孤軍奮闘感が強く、組織としての強さ、怖さにはなっていない事に、特に攻撃面での問題の根深さを感じる。

「チアゴをどう活かすのか?」
「ボールを奪った後、どう動くのか?」

チームとしての攻撃面の決まり事、改善策が見えてこない。

例えば、前者はブワニカとの2トップにして2人の距離を緊密にした時は、2人が絡むプレーが増えて攻撃面で明るい兆しが見えていた。しかし、元に(ワントップに)戻してしまった。

後者は、田邉がその答えを示してくれている。
彼は、ボールを奪い、スペースがあれば、パスだけでなく自らドリブルで運ぶ選択肢がある。彼の中には奪った後に最短距離でゴールを目指す意志がある。
全員が田邉の意識になれば、敵はどれほど恐ろしいか。

ルールに縛られ、ゴールを奪うという目的が薄れてしまっているのか。
あるいは、ルールが無いから、いちいち考えてしまっているのか。
いずれにしても、攻守の切り替えをシンプルにしなければ、ゴールは決して増えない。

残り10試合。
是が非でもプレーオフ圏内を確保したい、

もう、瑞穂から5年が経った。
あの空気を知る選手は、アンドリューと壱晟、そして敵方だった田口しか残っていない。

今年は若い選手が出場機会を掴んでいる。
結果はどうあれ、生きるか、死ぬかの修羅場を体験する事は、結果はどうあれ、ただの経験ではない、強烈な感情の高ぶりを記憶に焼き付け、大きな糧となってチームの財産となるだろう。

選手、スタッフの皆さん。三連戦、お疲れ様でした。
望む結果では無かったけれども、過ぎた試合は戻らない。
可能性がある限り、前を向き続けて戦って欲しい。
次の仙台戦へ最善の準備をお願いします。