練習試合 vs VONDS市原 ●2-3

練習試合 vs VONDS市原 ●2-3

2019/06/23(日) 11:00
ユナイテッドパーク(45×2本)

千葉 2(0-0、2-3)3 VONDS市原

52分 VONDS 32斎藤
54分 VONDS 32斎藤
62分 千葉 14小島
83分 VONDS 19久保
90+1分 千葉 21アラン

ジェフ公式

所詮、練習試合は練習試合に過ぎないのだろうか。
昨晩の無力感漂う敗戦から一夜。
11時からユナパでは、VONDS市原を迎えて、ゲームが行われた。

今更、説明の必要は無いだろうが、
VONDS市原は関東1部リーグ(J1を1部と考えれば、5部リーグ)を戦う、市原臨海をホームスタジアムとする市民クラブだ。ジェフが、本拠地を蘇我に移したからからこそ生まれたと言って差し支えないだろう。

クラブの代表は、祖母井氏。
言わずもがな、かつてジェフでゼネラルマネージャーを務めていた人物だ。オシム監督をはじめ、ドイツ、東欧に強いコネクションを持っている。

選手にも、元ジェフの山岸智。
スタッフにも元コーチのジョゼさんなど、幾人ものゆかりの人物か居る。
そして、サポーター、スポンサーにも、ジェフとの掛け持ちサポであったり、もとジェフサポと言う知り合いもまた多い。今日も多くのVONDSサポーターが訪れていた。

第二の千葉ダービー。
あるいは、市原ダービーといえる試合だったが、
ジェフは先輩格として振舞う事は出来なかった。

2-3の敗戦。
ジェフに対する勝利は、彼らにとって一つの目標であったのだろう。
試合後は、スタンドから「VONDS市原おめでとう」と叫ぶVONDSサポ?関係者?も居て、何とも複雑で、情けない心持ちになってしまった。


スタメンは上記の通り。
3人の外国籍選手に、佐藤兄弟。
浩平に、安田と、トップと遜色ないメンバー。


特に前線は、大悟、寿人、浩平の新旧ユース組が並び、メンバーだけは胸熱だった。
試合内容は全くお寒い。あまりの退屈な展開に、ハーフタイムにローソンにコーヒーを買いに行かなくてはならなかったくらいだ。

前半のスタッツを見ると、シュートは3本のみ。

5分 安田のFKにベラスケスがヘッド
8分 大悟がドリブルから右足でシュート
23分 安田のクロスに大悟がヘッド

以上


ジェフも、VONDSも判断、切り替えが遅く、時間の流れが沼にはまったたよう。
トップの試合でもよくあるけれども、ボールを奪っても前に運べず、パスを繋ぐだけで、後ろに戻す。
サイドに展開するも、相手が2枚居るので仕方なく戻す。
中なら突破しようとすれば、工夫がないのでパスが読まれて奪われてしまう。
そんなプレーの繰り返し。

前半の唯一の収穫は、3バックの真ん中に入った練習生が、物怖じせず、声を出して周りの選手を、エベルト、ベラスケスをも仕切っていたこと。
この試合に賭ける気持ちの違いなのだろう。
倒されても足を伸ばしてボールを巻き込み、奪われずにボールを展開したり、
戦う気持ちが、プレーの細部から見て取る事ができた。


後半、メンバーを代えたジェフ。
ディフェンスラインは乾、増嶋、練習生。
他に、マサキ、本田、堀米、アランが投入された。

しかし、内容は、前半同様に低調だった。
52分、ジェフのディフェンスラインの少し手前左翼よりで、浩平がボールを持ち、ルックアップする。浩平は、そのままボールを持って中央へドリブルで持ち上がろうとしたところで、攻め残っていたVONDSの選手3~4人に囲まれてロスト。
そこから、32番を着けた斎藤悠馬選手にボールを繋がれ、中央から流し込まれて失点。

さらに54分にも、右からのクロスが上げられると、GK大野の半歩手前で再び斎藤悠馬選手がコースを変えて追加点。瞬く間に、0-2とされてしまう。

その直後にも、堀米のバックパスが、小島のかかとに当たって17番・横澤航平選手に流れると、独走してシュートを撃たれる。大野が片手一本で押さえたものの、これも被決定機ではあった。

遅い判断がミスに繋がり、シンプルな攻撃に翻弄される。
トップ同様の、エスナイデル前監督時代からの悪い癖が、ここでも出ていた。

0-2となり、増嶋の声がようやく出始め、選手達も「点を獲らなければ」と前に出始める。
62分には、VONDSのゴール前の密集。
少し離れて構えていた小島が受けて、先週の関東学院大戦のようなミドルで1-2と追い上げる。

小島は、その直後にも、CKからのこぼれ球をミドルで狙うも、これはブロックに遭う。

少しずつ、ジェフのシュートチャンスも増えていくが、いかんせん、単発。
連動性に乏しい。
もっと、声を出し、周りを鼓舞し、呼び込めよと、叫びたくなる。


唯一、俺にボールをよこせと声が出ていて、かつ、自ら状況を打開しようと局面で勝負が出来ていたのが、右サイドに入った本田選手。怪我で苦しんだ分、サッカー人生を取り戻そうという想いが強いのかも知れない。短い時間でも、練習試合に出れば、そのたびに印象に残るドリブル突破を見せてくれているが、この日も違わなかった。

何度もチャレンジを仕掛け、いけるなら、自分の足で状況を切り拓こうとする姿勢は、今のジェフにかけている姿勢そのものだった。
トップでどれだけ出来るか分からない。怪我も怖い。でも、チャンスを与えて欲しいプレーぶりだった。

その後、82分に、VONDS19番・久保匠吾選手の強烈なミドルを喰らい、1-3に。

終盤、交替選手が多いにも関わらず、足は止まってしまい、劣勢。
立て続けにVONDSの攻撃を喰らう。

それでも、終了間際に、大悟からのパスを受けたアランが独走。
キーパーをかわして流し込み、2-3とするも、そこでタイムアップの笛。

力の差を見せ付ける事は出来ず。
むしろ、気持ちの差、連携の差を見せ付けられての敗戦と言う結果に。

各選手、自分自身がどんな課題とモチベーションを持ち、この試合に臨んでいたのか、一人ひとりに聞いてみたくなるような試合だった。
昨日、あの試合に出ていた選手もいる、そこで出来なかったことや、不甲斐なさ、悔しさを、たとえ練習試合であるとは言え、ぶつける事は出来ただろう。

昨日出なかった選手は、自分だったらこう言うプレーが出来たと、首脳陣にアピールする機会であっただろう。

折角、チームが練習試合を組んでも、ただ漫然と試合をこなすだけでは、それは実際のゲームに活かされない。

一緒に試合を観戦していた、古参のサポーターの方が仰っていたけれども、ユナパでばかり練習試合をするのではなく、もっと出稽古をしていった方が良いのではないだろうか。
対戦相手も、大学生や、下部リーグばかりでなく、受けてもらえるならば、J1のチームに手合わせをお願いする事が出来れば、昨日の柏戦で嫌というほど感じたように、上で戦うために、自分達に何が足りないのか、生々しく感じる事が出来、成長の糧になるのではないだろうか。。。

町田戦まで一週間。
江尻監督は何を考え、どう修正を施してくるか。

基礎の基礎は、すぐには変えられない。
けれども、試合に向かう心構えと、対戦相手の分析と対策は出来る。

次節はホームだ。
無様な敗戦を再び晒す事が無いように。
後が無いつもりで、町田戦に向けて準備を行って欲しい。

※VONDS市原代表の祖母井さんもいらっしゃってましたね。