狙われていた「ミス」 第35節 vsモンテディオ山形 ●1-4

狙われていた「ミス」 第35節 vsモンテディオ山形 ●1-4

2019/10/06(日)15:00
フクダ電子アリーナ
J2第35節
千葉 1(0-1,1-3)4 山形

<得点>
35分 山形 14本田
46分 千葉 20矢田
57分 山形 6山田
79分 山形 13大槻
90+2分 山形 10井出

ジェフ公式
Jリーグ公式

4失点以上、4試合目。
3失点以上、7試合目。

ここは、ホーム。
フクアリだ。
負ける事すら、本来あってはならない場所。
にも関わらず、またも大敗が繰り返されてしまった事が残念でならない。

失点の多くには、「ミス」が絡んでいる。
試合が終わった後、エスナイデル前監督も、江尻監督も、「ミス」をあり得ない、信じられないと言うふうに振り返るが、その「信じられないようなミス」は、なぜ繰り返されるのだろうか。

立場を置き換えてみれば、対戦相手は、ジェフが「ミス」を犯す事を信じている。
その前提で、「ミス」は、「どうすれば起こるのか」を考え抜いて戦っている。

そう言う相手が仕掛ける罠を、「どうかわすのか」が練りこまれていなければ。
大敗は繰り返されてしまう。


スタメン。
前節・岡山にはスコアレスドロー。
為田が累積警告で出場停止となり、スタメンにはアランが久しぶりに名を連ねた。
左に矢田旭が回り、アランは右MFに入る。
その他のメンバーは変わらず。

対する、木山監督が率いる山形。
ここまで4位につける。
木山さんらしい、シンプルに狙いが整理されたチームだ。
センターバックには栗山が構える、3バック。
リザーブには10番の井出。


(ホームタウン千葉市デー。熊谷市長は今回はビデオメッセージ。山形からは、被災地への横断幕も。感謝。)


試合は、開始早々に新井が傷んだシーンに象徴されるように、接触プレーで選手が倒れ、傷む機会が多くなった。
審判のやや神経質な笛もあって、流れの悪いゲームに。

これまでの試合と同様、ジェフはサイドから繋いでゴールを狙う動き。
為田の居ないジェフは、サイドを抉るスピードが普段より足りない。
アランは当たりの強さはあるものの、米倉とのコンビネーションも急造でいまいち。
悪くは無いが、目立てても居ない、やや物足りなさを覚えてしまう。

一方の山形は、ジェフのDFラインの裏へシンプルなボールを放り込む狙いが明確。
プレスも、荒さが目立つくらい厳しさがある。

9分、アランから左に展開。折返しを勇人がミドル。
11分、アンドリューから旭へつなぎ、クロス。
中央でヘッドは合わず、右に流れたボールを米倉が拾い、強烈なミドルもブロックに遭う。
31分には、ヨネのクロスのクレーベがトリッキーに合わせるも、キーパー。

30分過ぎまでは、チャンスの数ではややジェフ。

山形も26分に左から突破し、中央で2本シュートを固め撃つも、優也がブロック。
このあたりから、だんだんに攻撃が繋がりだした山形。
34分、中央でパスカットすると、素早く数的優位を作って、パスを繋ぎ、最後は本田がミドルを叩き込んで先制点。

先制を許したことに加え、38分にはクレーベが傷んでピッチを去る。
船山が入るも、戦術の要を失い、ペースは山形。
終盤にかけては、セットプレーを固めてジェフを押し込み、そのまま0-1で前半終了。

山形にとっては狙い通り、ジェフにとっては流れを掴み損なった前半。

ホームで、勝たなくてはならないジェフ。
後半開始直後。
山形の出鼻を挫き、右でアラン→米倉と繋いで、クロス。
中央の浩平の裏に飛び込んで来ていた旭が合わせて、ゴール。試合を振り出しに戻す。

追いつき、逆転を狙うジェフは、53分。
右で、米倉、勇人、浩平らが絡み、突破を狙うも、シュートまで打ち切れず。

山形は57分。
右サイドをJ・バイアーノが馬力を生かして突破すると、クロスに山岸が合わせてシュート。これは優也がブロックするも、こぼれ球に詰めていた山田に押し込まれて、再びリードを許してしまう。

ジェフは、61分に勇人から寿人へ選手交代。
船山と、寿人の2トップにして、ボランチには浩平が入る形にシフトした。
攻撃的に布陣を組み直したものの、なかなか2トップにボールが届けられない。
クロスまでは上がるものの、ブロックに遭い、タテパスも入らない。

試合は硬直。
そして、終盤に差し掛かったところだった。
バックパスで優也まで戻されたボールに交代出場の大槻がプレッシャーをかけると、狙い通りに優也からボールを奪って無人のゴールに流し込み、決定的な3失点目。

これがあるリスクを承知で、優也を起用しているのだとは思うけれども。
残留争いの最中で、これは致命傷になりかねない。
数々の好セーブがありながらも、その全てを、ふいにしてしまうプレーだった。

が、優也の責任でもあるけれども、
彼を起用した監督の責任でもあり、バックパスを選択したチームとしての戦い方故の失点でもあった。ともかく、これで試合の趨勢は、ほぼ決まった。呆然とするほかなかった。

後半ロスタイムには、10番、井出遥也の今季初ゴールのオマケつき。
米倉、浩平、寿人、先輩達の前で、その存在を改めて見せ付けた。
これでスタンドは一気に人が帰り始め、
ほどばく、試合終了の笛。大の字で倒れこむ浩平。
山形サポの歓声が響き、ジェフの選手達は、彼らが一通り喜び終わるのをピッチで待って、台風被害の被災者へのメッセージ。「がんばろう千葉」を掲げて、場内を一周した。

ホーム大敗のあとだけに、正直、微妙な空気。
どうしたら良いのか、どうしたら勝てるのか、選手も、サポも分からない、苦しい光景だった。
こんな姿は、見たくない。

繰り返しになるが、
単に「ミス」から負けたんじゃない。
「ミス」を狙いに来ていた、山形の戦い方に負けたんだ。
山形は狙いが明確で徹底されていた。
ジェフは、山形の狙いに対して、対策が曖昧だった。

厳しい内容だったけれども、まだシーズンは7試合ある。
何も終わっていない。
応援する私達も、気持ちの強さを試される終盤戦。
最後の最後まで、チームを支えてゆきましょう。

第35節終了 17位
(8勝12分15敗 勝ち点36 得点40 失点55 得失差-15) 


試合後には、栗山、遥也が挨拶に。
健闘を祈ります。