満身創痍から得るもの J2 第21節 ヴァンフォーレ甲府戦

満身創痍から得るもの J2 第21節 ヴァンフォーレ甲府戦

2022/6/11(土)18:00
JITリサイクルインクスタジアム
J2第21節
甲府 1(0-1,1-0)1 千葉

<得点>
22分 千葉 37ブワニカ啓太(4田口のパスを18熊谷がダイレクトで縦パス。8風間が受けて中にドリブル、27チアゴが絡んでこぼれたボールを37が左足でゴール)
62分 甲府 2須貝(CKを、頭で繋いでボレーで押し込む)

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久しぶりの更新。
甲府遠征。

悔しいドローになった。
怪我人が多く、苦しい陣容。試合を通じて押し込まれながらも、耐えてワンチャンスからリードを奪い、優位にゲームを進めていただけに、微妙な判定で同点とされ、勝ちきることが出来なかった結果は残念だ。

が、最後まで勝ちに拘り続け、戦い続けた姿勢は、観る側にも大いに伝わるものがあった。


スタメンは4-4-2。
前節途中からの布陣を継承したが、意図してではなく、止むを得ずの選択だ。

とにかくセンターバックが居ない。
佐々木、鈴木大輔、壱晟が怪我で不在で、ダニエル・アウベスも状況が分からない。
怪我明けのミンギュと、一耀しか稼働できる本職が居ない。

一方、前線にはチアゴとブワニカの2トップ。
水戸戦、仙台戦と、チアゴが全4得点に絡む活躍。ブワニカも、見木と共に2戦連発中と思い切りの良さが結果に繋がっている。

試合は18時。小雨が降ったり止んだりする中でキックオフ。
ホームの甲府は直近6試合で勝ちが無い。
今日こそは、と言う気迫で、序盤からジェフにプレッシャーをかける。
サイドからの攻撃に厚みがあり、度々、福満の右サイドからクロスを上げて来る。
今日の主審が、接触に対して過敏で、頻繁に笛を吹くタイプだった事もあいまって、セットプレーと合わせて、ゴール前でのピンチが続く。耐える展開。

田口と熊谷のドイスボランチが健在のジェフ。
ここを強みにボールを奪うと、細かくパスを繋ぎながら前線のチアゴとブワニカを目指す。
やはり2トップは収まりが良い。チアゴへのマークが分散して、パスの選択肢がワントップの時と比べてサイドだけでなく中にもある。完全に囲まれてしまわなければ、「個」の力でキープが出来るチアゴ。彼が時間を作って周囲の上がりを促し、カウンターの形を作る。

すると、前半の22分。
カウンターの流れから、田口からのパスをアンドリューがダイレクトで縦パス。風間が抜け出し、中へのドリブルで持ち込み、混戦となったところでブワニカが左足を振り抜いて三戦連発となる先制ゴールを叩き込んだ。

リードした事で気持ちの余裕を持てたジェフ。
甲府の攻勢を受け止めながら、セットプレーと、カウンターで二点目を奪う展開に持ち込む。
30分のCKから風間のヘッド、そこからの波状攻撃で押し込めていれば、さらに優位に立てていたのだが。
前半はそのまま、1-0で終了。

後半に入っても、両軍、縦への展開が早く、際どいシーンが続く。
ジェフはかなり重心が後ろがかりになって、甲府の攻勢に晒される。

問題のシーンは62分。
コーナーキックからの甲府が繋いで、ゴール前にいた須貝が押し込んで同点とされる。
ホーム側のゴール前なので、ジェフのゴール裏ではその時点では何が起こったのか分からなかったが、選手達が線審に抗議をしているのは見えた。オフサイドか何かか?と言うくらいの状況。

不味かったのが、甲府がゴールシーンをビジョンに映してしまった事。
後でDAZNで見直すと、キッカーにプレッシャーをかけている秋山の位置がどうだったのか?とか、確認すべき状況はあったのに。須貝に繋ぐ部分だけを大写しにしてしまったので、「オフサイドだろ!?」と大騒ぎに。

結局判定は覆らずにリスタートとなったものの。
スタジアムはモヤモヤとした空気が残ってしまった。

このプレーの際に、頭同士でぶつかった新井一耀が出血して負傷交代。
西久保がセンターバックに入る緊急布陣に。

両軍、次の1点を狙う状況で、最大のチャンスは69分。
カウンターから、ブワニカ→見木と繋いで、最後はチアゴにプレゼントパスも、枠を外してしまう。
本人も悔やむ、大きな決定機逸になってしまった。
こういうトコまでハースに似なくて良いのに。

互いにチャンスを作るものの決め手を欠き、ジェフは85分に2トップを交代。
ソロモンと佐久間が投入される。
佐久間はボールを持って仕掛ける事も出来、ソロモンは中でフィニッシュに集中。
西久保のロングスローも動員して最後まで攻める。
今日のソロモン、シュートまで行く強引さがある。

ATには、風間のクロスにソロモンが頭で合わせるも、僅かに枠外。
決まっていたら、また小瀬の柵が折れ曲がるかもしれない一撃だったが。

スコアは動かず、試合終了。
双方が攻め合い、緊迫したゲームになったが、決着はつかなかった。

ジェフとしては、現時点で持てる力を出し尽くした。
緊急布陣の4-4-2だったが、CBが負傷した時に備えて、西久保にも事前に準備させていたとのこと。それが役に立つことになった。佐々木、鈴木大輔、壱晟の復帰には時間がかかる。居るメンバーで何とかするしかない。

苦境ではあるが、それに対応する工夫の中から、現状打破のヒントが見えつつある。
特に攻撃面。前述もしたが、2トップにしてから、シュートに至るチャンスの数が目に見えて増えている。ブワニカがコメントしていたように、チアゴの近くに居ればチャンスになる。そして、それが実際に得点に繋がっている。

得点が取れれば、守れる力も、守りつつ2点目を奪う形もある。
次のステップが見えて来た。
そこに至るまでに、シーズンの半分を費やしてしまったが、上位に食らいつきながら、一つずつ上を目指したいとろだ。

<追伸>

最後に、今日は残念な事があった。
ゴール裏のルール違反だ。

声出し禁止にも関わらず、試合前から声を出す輩がおり、不穏な空気はあったのだが。
その後も声出しが止まず、途中から甲府のスタッフが張り付く状況に。

悪いことに、同点ゴールを許したシーンでは、ビジョンでオフサイドにも取れるシーンが大写しになった事で、その輩の周囲だけでなく、あっちこっちから、野次、罵声、ブーイングが起こり、しまいにはチャントを歌い始める輩まで出た。
まるで「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の状態。

ビジョンには、「声出しNG」の警告が表示され、試合中にも関わらず場内放送で警告も。
恥ずかしいったらありゃしない。

声出し解禁が近づく中、この大事な時期に。
今あるルールを守れないのでは、許可は下りないだろうし、下ろしてはいけないのではないだろうか。
声を出したくても、みんな耐えているのに、自分勝手な行動でぶち壊し。
情けない限りだった。