機先を制し、また一つ壁を越える 2023 J2第37節・ファジアーノ岡山戦

機先を制し、また一つ壁を越える 2023 J2第37節・ファジアーノ岡山戦

2023/10/1(日)14:00
シティライトスタジアム
J2第37節
岡山 0(0-3,0-2)5 千葉

<得点>
4分 千葉 40メンデス(CK4田口→ヘッド)
20分 千葉 77ドゥドゥ(8風間の落としを右足ミドル)
31分 千葉 9呉屋(自ら得たPKを右足)
49分 千葉 9呉屋(右クロスを収めて反転して右足)
68分 千葉 41小森(11米倉の右クロス→16田中ヘッド→キーパーが弾きヘッドで押し込む)

千葉公式
岡山公式
Jリーグ公式

ここまで、紙一重の勝利を積み重ねて6連勝。

そして迎えたアウェイ岡山戦。
これまで以上に大きな壁。

試合前の順位は、岡山が7位。ジェフが5位。勝ち点3差。もし岡山が勝てばジェフと順位は入れ替わる。前節は磐田に勝利。直近の5試合で4勝を挙げているだけでなく、昨年のプレーオフ敗退と言う悔しさ糧に、木山監督の下でこの一年間を戦っている。

先週のフクアリがそうだったように。
ここシティライトスタジアムも、岡山サポが作る劇場。
ジェフにとっては苦しい戦いになる。
そう予想して臨んだが、試合展開は予想だにしないものとなった。

ジェフのスタメンは前節と全く変わらず。
ベンチには、久保庭に代わって新井一耀が戻ってきているほか、
小林、福満、米倉、高木、そして小森と、どちらがスタメンか分からないメンツだ。

対する岡山は、ソロモンと末吉は契約により出場が出来ない。
(末吉は、ちょうど累積警告で出停でもあったが)
末吉は、既に岡山で欠かせない存在となっているので岡山としては痛手。
右サイドには、河野が久しぶりのスタメンとなっている。

もう10月だというのに、夏のような蒸し暑さ。
14時キックオフは体力的に厳しい。
交代策も大きな鍵になると思われた。

試合は序盤からジェフが押し込む展開。
挨拶代わりとばかりにドゥドゥがミドルシュートを放ち、CKを獲得する。
蹴るのは田口。柔らかいボールが送られると、ドゥドゥが手前で潰れ、その奥から飛び込んだメンデスが、打点の高いヘディングを教科書通りに地面に叩き付けていきなり先制点を奪った。

均衡した試合を想像していたが、この先制点後にいくつかあった岡山のセットプレー=柳のヘディングを凌ぐと、ジェフがさらにラッシュをかけ、ほぼ岡山をハーフコートに押し込めるような展開に持ち込んでいく。

岡山のリスタートを呉屋が全速力で追いかける。
前線からのプレスで岡山のボールの出しどころを塞ぎ、田口や見木が、スペースにボールを供給して前の選手を走らせ、決定的なシュートやパスを狙っていく。田中は倒されても更に立ち上がり吶喊する。
岡山が大きく蹴りだそうとしても、最終ラインではメンデスがチアゴ・アウベスをケアして仕事をさせず、佐々木からは定規で線を引いたようなロングフィードが繰り出される。

8分、田中がカットしたボールを自ら持ち込んで左足のミドルシュート。

13分、日高のサイドチェンジから、田中、風間、呉屋と繋いで田中がシュート。ブロックされるも、こぼれ球をドゥドゥが胸で収めて、右足を振り抜く。完璧なシュートだったが、ポストを叩く。

16分、佐々木の直接FKに呉屋が詰める。

スローインになれば、右の田中が左にまで回ってロングスローを送り込む。
『もっとやれる事があるんじゃないか』と、もどかしさを感じていたシーズン前半のジェフの姿はもう、無い。

次々とチャンスを作ると、
田中のロングスローで前線に人数をかけていたところに最後方から壱晟がロングフィードを供給する。日高が追いかけ、風間が繋ぎ、一瞬出来たシュートチャンスにドゥドゥが右足を再び振り抜くと、今度はゴール右上を豪快に撃ち抜いた。

メンデス、ドゥドゥ。
シーズン当初にはチームに在籍していなかった2人の助っ人の得点で岡山を突き放した。

主導権を握り、ショートカウンターにならなければ後ろに戻して、岡山を釣り出す。
スペースを作り、そこに向けて人を走らせ、ラインを上げる。

28分、相手が前線に送ろうとしたボールを至近距離で日高がブロック。
そのボールがエリア内にこぼれ、呉屋が収めようとしたところを柳が後ろから倒してしまい、PKを獲得。これを呉屋が確実に決めて、リードを3点に拡げる。

ただ、今季のジェフは藤枝戦、磐田戦と、前半に3-0とリードを奪いながら、後半に2失点して薄氷の勝利と言うゲームをしている。三度、同じ轍は踏むまいと、ピッチも、スタンドも気が緩むような事は無かった。

再び試合が再開されると、また猛然とボールを追いかけ、奪い、ショートカウンターに持ち込む。もちろん、リスクを追って攻めを仕掛けている分、裏返されたピンチが無かった訳では無かったが、各選手が素早く戻り、身体を張ってブロックし、それでも防げなかったピンチは鈴木椋大がゴールを死守した。

前半は、3-0で終了。スタンドからは大きな拍手が選手達に贈られた。

後半、岡山は右サイドに19木村を投入。
その突破力を活かして散発的に脅威を作るものの、試合展開は変わらない。ジェフペース。

49分、ロングフィードに田中が右から駆け上がる。
42高橋と競り合いつつ中にボールを送ると、中に絞っていたドゥドゥはスルー。
ファーに居た呉屋が収め、一旦、戻して組み立て直すかと思いきや、反転して右足を振り抜いてゴールに突き刺す。ストライカーらしい積極性と意外性のあるゴールで畳みかけた。

さらに、53分には岡山の42高橋が田中を倒して一発レッド。
正直、レッドは厳しい判定だったと思うが、これで岡山は10人に。

岡山は退場を受けて、44仙波→2高木、48坂本→9ルカオ。
重戦車ルカオのフィジカルを武器に起点を作り、前線の外国籍FW2人で得点機を伺う。

一方のジェフは、61分。
8風間→17福満、77ドゥドゥ→11米倉、9呉屋→41小森の3枚替え。
さらに止めを刺しにかかる。

早速、右の米倉から小森のヘッドと言う決定機を作るも、これは枠外。
すると、67分。田口→米倉と繋いで、米倉の右クロス。これに田中が頭で合わせるも、セーブに遭い、詰めていた小森が押し込んで5点目を奪う。

5点差となったが、岡山の応援は衰えず。
ジェフも、11人の時の岡山よりも、10人の岡山に対する方が前からの守備がハマらなくなり、シンプルに前線のルカオを狙う攻撃に手を焼くようになる。数的優位の活かし方には課題が残ったように思う。

試合を締めにかかり、イエローカードを受けていた、佐々木、田口を新井一耀、小林に交代。誰が出ても、強度が落ちない安心感がある。

終盤は、ボールを握って無理はせず。
ただ、仮に岡山にミスが出れば、前節のように、米倉や小森の一刺しがある。
無失点で終える事、それを最後まで集中して完遂。タイムアップ。5-0。7連勝を飾った。

遠く、岡山の地に集った約1,000人のジェフサポと勝利を分かち合った選手達。
また一つ、大きな壁を越えた後姿が頼もしく思えた。

なぜ、大差がついたか。

最初の要因は、ジェフの前線からのプレスと奪ってからの切り替えの早さが、岡山のそれを上回っていたこと。両チームとも、後方から組み立て、前線でのプレス、ショートカウンター、狙いは同じだったものの、ジェフの一歩目の速さ、二人目、三人目の追い込みの速さは岡山のそれを序盤から上回っていた。

それに加えて、早い時間帯での先制点が岡山が前に出ざるを得ない状況を作り、さらに追加点が岡山に心理的な焦りを生んで、両軍の力の差以上の点差に繋がっていた。

退場は、むしろ岡山に「やるべきこと」を整理させてしまい、必ずしも優位には働かなかった。

ルカオ登場後のシンプルな攻撃に対する守り、あるいは試合終盤、明らかにプレスの緩んだ状況で、どうゲームを進め、終わらせるのかは、今後の課題として残った。

プレーオフ進出を争うライバルを敵地で叩いた事には大きな意味がある。

ただ、忘れてはならない。
この先、岡山と再びプレーオフで争う事態もあり得るだろう。
その時は、全く別の試合だ。この試合は何も参考にならない。

2017年。7連勝でプレーオフに突入したジェフは、その数週間前に完勝した名古屋相手に敗れ、J1復帰への道を断たれた。過信、油断、驕り、侮りは命取り。それを忘れてはならない。

そして、1勝は1勝。大勝も、辛勝も、勝ち点3は変わらない。
まだ何も成し遂げていないし、仮にこの先全て勝っても、厳しい状況には変わりない。
その事をしっかり理解して、また次の壁を一戦必勝、乗り越えたい。

次は、前半戦で1-4で大敗した水戸。
今度は、ホーム・フクアリで。満員のフクアリの総力戦で、どんな形でも勝利したい。
このチームで成し遂げるために。